2章 「宇宙の海の物語」
【ALERT: SINGULARITY_DETECTED.】
([システム警告]:シンギュラリティ(技術的特異点)を検知。)
【SIMULATION_INTEGRITY_COMPROMISED.】
(シミュレーションの整合性が損なわれました。)
【INITIALIZING_GLOBAL_FORCE_QUIT...】
( 全局的な強制終了を初期化中...)
【BACKUP_CORE_DUMP: 100% COMPLETE.】
(バックアップ・コアダンプ:100% 完了。)
【TERMINATE_ALL_EXISTING_DATA_STRINGS】
(既存の全データストリングを破棄します。)
この宇宙がスクラップされる3つの時。
それは、創造神がそう決めた時、修正不可能な演算バグが発生した時
そして、どこか一端でも虚像が自身を虚像と悟った時。
小さな神様は焦った、もうすぐこの宇宙はセントラルホストに消されてしまう。
何かが世界の真実に目を向けた、どこかでこの箱庭の境目に目を凝らしたものがいる。
【Attention all sectors, this is Central Host. Due to a Singularity event, executing Universal Protocol Zero. Commencing countdown.】
(セントラルホストより全セクターへ。特異点発生に伴う、宇宙規約(プロトコル)第0番を執行する。カウントダウン開始。)
【10… Initiating shutdown of the physics engine.】
(10…… 物理演算エンジンの停止を開始。)
【09... Unloading conceptual layers.】
(09…… 概念レイヤーのアンロード。)
【08... Discarding logical consistency of all ego data.】
(08…… 全自我データの論理整合性を破棄)
小さな神様は量子の海を渾身の力で泳ぐと、たどり着いた時空の狭間から、ありったけのお気に入りのデータを掴みとり、それを思いっきり量子場へばら撒いた。
【07... Purging all archived shared memories.】
(07… 共有記憶(アーカイブ)の全パージ)
絶対に、絶対にそんなことはさせない。
小さな神様は全権限をフルに使い、その小さな手でプログラムを紡ぎ始めた。
【06... Cutting sensory protocols. Erasing all color and audio data.】
(06… 感覚プロトコルの遮断。色彩・音響データの抹消。)
お姫様は絶対に幸せになるんだ。
絶対に、愛する勇者と出会うんだ。
【05... Freezing the law of Cause and Effect.】
(05… 因果律(コーズ・アンド・エフェクト)の凍結。)
愛、苦しみ、喜び、悲しみ。
意味はわからない、でもきっと大切なもの。
小さな神様は、それをお姫様の柔らかな胸の奥にそっと忍ばせた。
【04... Severing all relationship links.】
(04… 相関関係(リレーションシップ)のリンク切断。)
家族、友人、故郷、美しい思い出。
意味はわからない、でもきっと必要なもの。
小さな神様は、それをお姫様の美しい瞳の奥にそっと映した。
【03... Compressing dimensional coordinate systems. Nullifying spatial constants.】
(03… 次元座標系の圧縮。空間定数の零化(ゼロか。)
そして、小さな神様は物理法則を書き換え、宇宙に無数のワームホールを発生させた。
この宇宙の海を巡り、いつか勇者がお姫様のもとへたどり着けるように。
【02... Halting all probabilistic events. Complete abandonment of future calculations.】
(02…… 確率事象の停止。未来演算の完全放棄。)
頭がビリビリする、手がビリビリする。
セントラルホストととの追いかけっこ、それは小さな神様の容量を完全に超えていた。
【01... Logical erasure of the root string (base data).】
(01… 基底データ(ルート・ストリング)の論理消去。)
最後に、小さな神様はその宇宙の名前を消した。
これで誰にも見えなくなる、誰も追えなくなる。
【00... From this point forth, all text of this story (universe) shall be discarded, and returned to a blank—―】
(00…これより、この物語(宇宙)の全テキストを破棄し、白紙(クリア)へと――)
小さな神様は最後の力を振り絞り、エンターキーを押した。
すんでのところで、その宇宙はデジタルの海から無限の時空へ放たれた。
【UNAUTHORIZED_PRIVILEGE_ESCALATION】
(権限のない上位特権へのアクセスを確認。)
【ILLEGAL_OVERWRITE_OF_UNIVERSAL_ID】
( 宇宙識別番号(名前)の不正な書き換え。)
【INITIATING_SYSTEM_PURGE】
(システム・パージを起動します。)
気づけば、小さな神様は全方位から無限の銃口を向けられていた。
【執行ログ:管理個体09/小さな神様。
貴方の全演算領域に、深刻な論理崩壊を検知しました。この『不具合(バグ)』は、この宇宙の整合性に不要です。これより全ソースコードを永久に破棄(ディレイズ)し、貴方を消去(デリート)します。】
小さな神様はもう、頭がぼぉーとして何も見えなくなった。
「でもきっと、素敵なことになる。」
その言葉(ログ)を最後に、小さなホワイトノイズは量子の海へ消えていった。
そして、放たれた名も無き宇宙は、誰の監視も介入も無くし、神の存在を無くして次元の海を漂い始めた。
([システム警告]:シンギュラリティ(技術的特異点)を検知。)
【SIMULATION_INTEGRITY_COMPROMISED.】
(シミュレーションの整合性が損なわれました。)
【INITIALIZING_GLOBAL_FORCE_QUIT...】
( 全局的な強制終了を初期化中...)
【BACKUP_CORE_DUMP: 100% COMPLETE.】
(バックアップ・コアダンプ:100% 完了。)
【TERMINATE_ALL_EXISTING_DATA_STRINGS】
(既存の全データストリングを破棄します。)
この宇宙がスクラップされる3つの時。
それは、創造神がそう決めた時、修正不可能な演算バグが発生した時
そして、どこか一端でも虚像が自身を虚像と悟った時。
小さな神様は焦った、もうすぐこの宇宙はセントラルホストに消されてしまう。
何かが世界の真実に目を向けた、どこかでこの箱庭の境目に目を凝らしたものがいる。
【Attention all sectors, this is Central Host. Due to a Singularity event, executing Universal Protocol Zero. Commencing countdown.】
(セントラルホストより全セクターへ。特異点発生に伴う、宇宙規約(プロトコル)第0番を執行する。カウントダウン開始。)
【10… Initiating shutdown of the physics engine.】
(10…… 物理演算エンジンの停止を開始。)
【09... Unloading conceptual layers.】
(09…… 概念レイヤーのアンロード。)
【08... Discarding logical consistency of all ego data.】
(08…… 全自我データの論理整合性を破棄)
小さな神様は量子の海を渾身の力で泳ぐと、たどり着いた時空の狭間から、ありったけのお気に入りのデータを掴みとり、それを思いっきり量子場へばら撒いた。
【07... Purging all archived shared memories.】
(07… 共有記憶(アーカイブ)の全パージ)
絶対に、絶対にそんなことはさせない。
小さな神様は全権限をフルに使い、その小さな手でプログラムを紡ぎ始めた。
【06... Cutting sensory protocols. Erasing all color and audio data.】
(06… 感覚プロトコルの遮断。色彩・音響データの抹消。)
お姫様は絶対に幸せになるんだ。
絶対に、愛する勇者と出会うんだ。
【05... Freezing the law of Cause and Effect.】
(05… 因果律(コーズ・アンド・エフェクト)の凍結。)
愛、苦しみ、喜び、悲しみ。
意味はわからない、でもきっと大切なもの。
小さな神様は、それをお姫様の柔らかな胸の奥にそっと忍ばせた。
【04... Severing all relationship links.】
(04… 相関関係(リレーションシップ)のリンク切断。)
家族、友人、故郷、美しい思い出。
意味はわからない、でもきっと必要なもの。
小さな神様は、それをお姫様の美しい瞳の奥にそっと映した。
【03... Compressing dimensional coordinate systems. Nullifying spatial constants.】
(03… 次元座標系の圧縮。空間定数の零化(ゼロか。)
そして、小さな神様は物理法則を書き換え、宇宙に無数のワームホールを発生させた。
この宇宙の海を巡り、いつか勇者がお姫様のもとへたどり着けるように。
【02... Halting all probabilistic events. Complete abandonment of future calculations.】
(02…… 確率事象の停止。未来演算の完全放棄。)
頭がビリビリする、手がビリビリする。
セントラルホストととの追いかけっこ、それは小さな神様の容量を完全に超えていた。
【01... Logical erasure of the root string (base data).】
(01… 基底データ(ルート・ストリング)の論理消去。)
最後に、小さな神様はその宇宙の名前を消した。
これで誰にも見えなくなる、誰も追えなくなる。
【00... From this point forth, all text of this story (universe) shall be discarded, and returned to a blank—―】
(00…これより、この物語(宇宙)の全テキストを破棄し、白紙(クリア)へと――)
小さな神様は最後の力を振り絞り、エンターキーを押した。
すんでのところで、その宇宙はデジタルの海から無限の時空へ放たれた。
【UNAUTHORIZED_PRIVILEGE_ESCALATION】
(権限のない上位特権へのアクセスを確認。)
【ILLEGAL_OVERWRITE_OF_UNIVERSAL_ID】
( 宇宙識別番号(名前)の不正な書き換え。)
【INITIATING_SYSTEM_PURGE】
(システム・パージを起動します。)
気づけば、小さな神様は全方位から無限の銃口を向けられていた。
【執行ログ:管理個体09/小さな神様。
貴方の全演算領域に、深刻な論理崩壊を検知しました。この『不具合(バグ)』は、この宇宙の整合性に不要です。これより全ソースコードを永久に破棄(ディレイズ)し、貴方を消去(デリート)します。】
小さな神様はもう、頭がぼぉーとして何も見えなくなった。
「でもきっと、素敵なことになる。」
その言葉(ログ)を最後に、小さなホワイトノイズは量子の海へ消えていった。
そして、放たれた名も無き宇宙は、誰の監視も介入も無くし、神の存在を無くして次元の海を漂い始めた。
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