粉雪

「終(しまる)!山崎を連れて船に戻れ!早く!」

 インカムの声に弾かれるように体が動く。
 灰が粉雪のように舞い上がり、頭上に巨大な戦艦の船底が現れた。
 全力で彼の襟首を掴むと、船へと走る。
ハッチを開くと彼を中へ放り込み、自分も滑り込むと急いでそれを閉めた。
 次の瞬間、船内が眩いで包まれた。
 あの時、うなだれた彼が窓の外を見る気力もなかったことを、今でも心底良かったと思う。

 つかの間のささやかな恋愛劇。
 その結末が悲劇ならば、せめてハイライトは鮮やかな景色のままであってほしい。
 激しい光の中で、彼女は一瞬のうちに燃え尽きた。
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