第三話
夢小説設定
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「忘れ物は無いかね?しっかりと食べるのだぞ。怪我は極力しないように。あと、それから...」
「大丈夫です。父上。」
旅立ちの日、カザンの前に立つ私に向かって、父上は心配そうに話しかけていた。
いつまでも話続ける父上に流石に呆れたのか、ムンドクが一歩前に進み出る。
「リン様、遂に、旅立たれるのですね。」
「ムンドク...今までありがとう。」
ムンドクは、「失礼、」と私に断りを入れると、私の着ている着物の帯に羽の帯飾りを付けた。
「ささやかではございますが、贈り物です。我々風の部族は貴女様の味方でございます。」
「...ありがとう。ムンドク。」
頭を下げるムンドクを見た父上は、思い出したように私に細長い箱を渡す。
中を見てみると、そこには時々母上が吹いて聴かせてくれた横笛が入っている。
「これを、リンに託す。連れていってやってくれ。」
「ふふっ...。私、先日も母上に二胡と首飾りを頂いたんです。ありがとうございます、父上。」
二人からそれぞれものを受け取り、改めて向き直った。
「父上、ムンドク師匠。今まで、お世話になりました。行って参ります。」
私はくるりと踵を返すと、カザンに乗って走り出した。母上の形見と、ムンドクからの帯飾りを持って。
腰には、父上が用意してくださった美しい刀が刺さっている。純白の鞘に紫の花が描かれている刀だ。
「リン...生きておくれ。」
「リン様に幸多からんことを!」
城の裏口に着くと、そこには軽装のカナとズシ、それからバイとカナの愛馬である芦毛(灰色)のハネズが居た。
「...!なんで」
「そりゃあ姫さん、専属の従者が着いていかない訳がないでしょう。」
「こればかりはズシに同意ですよ、姫様。」
「...あなた達、これから先は常に危険が伴うのよ?」
「愚問ですね。」
二人は当然、というように太刀や弓、剣を掲げた。
私は呆れたように笑い、口を開く。
「さあ、他の人に見つかる前に城を出ましょう。」
「御意。」
「大丈夫です。父上。」
旅立ちの日、カザンの前に立つ私に向かって、父上は心配そうに話しかけていた。
いつまでも話続ける父上に流石に呆れたのか、ムンドクが一歩前に進み出る。
「リン様、遂に、旅立たれるのですね。」
「ムンドク...今までありがとう。」
ムンドクは、「失礼、」と私に断りを入れると、私の着ている着物の帯に羽の帯飾りを付けた。
「ささやかではございますが、贈り物です。我々風の部族は貴女様の味方でございます。」
「...ありがとう。ムンドク。」
頭を下げるムンドクを見た父上は、思い出したように私に細長い箱を渡す。
中を見てみると、そこには時々母上が吹いて聴かせてくれた横笛が入っている。
「これを、リンに託す。連れていってやってくれ。」
「ふふっ...。私、先日も母上に二胡と首飾りを頂いたんです。ありがとうございます、父上。」
二人からそれぞれものを受け取り、改めて向き直った。
「父上、ムンドク師匠。今まで、お世話になりました。行って参ります。」
私はくるりと踵を返すと、カザンに乗って走り出した。母上の形見と、ムンドクからの帯飾りを持って。
腰には、父上が用意してくださった美しい刀が刺さっている。純白の鞘に紫の花が描かれている刀だ。
「リン...生きておくれ。」
「リン様に幸多からんことを!」
城の裏口に着くと、そこには軽装のカナとズシ、それからバイとカナの愛馬である芦毛(灰色)のハネズが居た。
「...!なんで」
「そりゃあ姫さん、専属の従者が着いていかない訳がないでしょう。」
「こればかりはズシに同意ですよ、姫様。」
「...あなた達、これから先は常に危険が伴うのよ?」
「愚問ですね。」
二人は当然、というように太刀や弓、剣を掲げた。
私は呆れたように笑い、口を開く。
「さあ、他の人に見つかる前に城を出ましょう。」
「御意。」
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