第二話
夢小説設定
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「ほれ、自己紹介せい!」
「...っ、...ハク。」
目の前で居心地悪そうにしている少年はハクというらしい。最近知ったのだが、カナとズシはムンドクの養子で、ハクはその弟として引き取られたのだそうだ。そんなハクは今日、ムンドクに連れられて私の住む離宮にやって来ていた。
「初めまして、ハク。私はリン。ハクは今いくつ?」
「...6」
「私は10歳よ。あなた、ヨナの友達なんですってね、ヨナはどう?」
「...あんたもカナ姉さんとズシ兄ちゃんの友達なんだろ。」
少し喋ってみても、ハクは変わらず居心地悪そうにしている。嫌われたかな、と少し不安になった。
「これ、ハク!いくらリン様が美人だからって失礼な態度をとるんじゃない!」
心配は無用だったらしい。そういえば、ムンドクはなぜハクを連れてきたのだろうか。本来、私は世間に存在を知られてはいけないはずだ。カナとズシはまだわかるけど、ハクにまで私のことを教えなくても良いんじゃないか...?
「リン様、そんな小難しい顔をしないでくだされ。...なあに、ハクもたまには兄姉に会いたいと思いましてね、陛下に許可を頂いて連れてきたのですよ。」
「べ、別に姉さんと兄ちゃんに会いたかった訳じゃねえし!」
少し焦ったようなハクを見ながらムンドクは私の疑問の答えをくれた。なんだ、そういうことだったのね、と思う反面、更に不安は大きくなって行く。
私は、この仲の良い兄弟を引き裂いてしまっていないか?と。
もし私に使えるために里に居たい気持ちを押さえ込んで二人がここに居るのなら、二人を里に帰してあげたい。自由を渡したい。
そんなことを考えていると、ぽん、と肩に手を置かれた。
「姫様、私達は好きでここに居るのですよ。貴女様に自分の身を捧げたくて、此処に来たのです。」
「そーだぜ、俺は姫さんが嫌だったらとっくのとうに離宮から逃げ出してる。」
「ちょっとズシ?言葉遣い!」
二人の言葉に、冷たくなっていく心は溶かされた。私は二人と一緒に居て良いんだ、と感じることができた。
「...ありがとう、カナ、ズシ。」
私が下を向いて呟けば、カナとズシは微笑み、
「私達はなにもしてませんよ、なにもしてないし聞いてもいないです。」
といって歩き出す。
私は二人の後ろ姿に微笑みかけ、まだ私の隣に立ったままだったハクの手を引いて二人を追いかけた。
「ハク!四人で遊びましょう?」
「...ん。」
...もし、もしこれで私が第二子以降だったのなら、両親や大勢の宮女、将軍達に見守られてもっと華やかで華美な生活を送ることができたのだろうか。
宴や祝い事に、父上と母上の娘として、この国の王女として堂々と参加し、この国の後継者となる方と生涯を添い遂げることが出来たのだろうか。
...それはそれは、素敵な夢だなあ。
「...っ、...ハク。」
目の前で居心地悪そうにしている少年はハクというらしい。最近知ったのだが、カナとズシはムンドクの養子で、ハクはその弟として引き取られたのだそうだ。そんなハクは今日、ムンドクに連れられて私の住む離宮にやって来ていた。
「初めまして、ハク。私はリン。ハクは今いくつ?」
「...6」
「私は10歳よ。あなた、ヨナの友達なんですってね、ヨナはどう?」
「...あんたもカナ姉さんとズシ兄ちゃんの友達なんだろ。」
少し喋ってみても、ハクは変わらず居心地悪そうにしている。嫌われたかな、と少し不安になった。
「これ、ハク!いくらリン様が美人だからって失礼な態度をとるんじゃない!」
心配は無用だったらしい。そういえば、ムンドクはなぜハクを連れてきたのだろうか。本来、私は世間に存在を知られてはいけないはずだ。カナとズシはまだわかるけど、ハクにまで私のことを教えなくても良いんじゃないか...?
「リン様、そんな小難しい顔をしないでくだされ。...なあに、ハクもたまには兄姉に会いたいと思いましてね、陛下に許可を頂いて連れてきたのですよ。」
「べ、別に姉さんと兄ちゃんに会いたかった訳じゃねえし!」
少し焦ったようなハクを見ながらムンドクは私の疑問の答えをくれた。なんだ、そういうことだったのね、と思う反面、更に不安は大きくなって行く。
私は、この仲の良い兄弟を引き裂いてしまっていないか?と。
もし私に使えるために里に居たい気持ちを押さえ込んで二人がここに居るのなら、二人を里に帰してあげたい。自由を渡したい。
そんなことを考えていると、ぽん、と肩に手を置かれた。
「姫様、私達は好きでここに居るのですよ。貴女様に自分の身を捧げたくて、此処に来たのです。」
「そーだぜ、俺は姫さんが嫌だったらとっくのとうに離宮から逃げ出してる。」
「ちょっとズシ?言葉遣い!」
二人の言葉に、冷たくなっていく心は溶かされた。私は二人と一緒に居て良いんだ、と感じることができた。
「...ありがとう、カナ、ズシ。」
私が下を向いて呟けば、カナとズシは微笑み、
「私達はなにもしてませんよ、なにもしてないし聞いてもいないです。」
といって歩き出す。
私は二人の後ろ姿に微笑みかけ、まだ私の隣に立ったままだったハクの手を引いて二人を追いかけた。
「ハク!四人で遊びましょう?」
「...ん。」
...もし、もしこれで私が第二子以降だったのなら、両親や大勢の宮女、将軍達に見守られてもっと華やかで華美な生活を送ることができたのだろうか。
宴や祝い事に、父上と母上の娘として、この国の王女として堂々と参加し、この国の後継者となる方と生涯を添い遂げることが出来たのだろうか。
...それはそれは、素敵な夢だなあ。