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第3の謎 仲間

「あっつ…」

公園に着くと、ベンチに崩れ落ちるように座る。
少しの木陰がこんなにもありがたい。

「あ、あの…研究者さん」

隣に座りながら、セレンはもごもごと俺を呼ぶ。

「アルスだ」
「あっ…、アルス、さん」
「…まあいいか。何だ?」
「あ、その…上、脱がないのかなって」

言われて気づく。
そういえば外なら白衣を脱いでも構わないのか。
小さい頃から父さんに「研究所にいる間は白衣を脱ぐな」と言い聞かされていた。
その上3年間も毎日研究所生活を送っていた俺は、白衣を脱いで生活するという概念がほぼなくなっていたのだ。

「…そうだな」

俺は白衣を脱いだ。
白衣の下には黒い長袖。なんだか落ち着かなくて袖もまくる。
外に出ていないことを主張する、真っ白な肌が晒された。

涼しい。
汗ばんだ身体は、少し風が吹くだけで心地よかった。
それでも研究所の冷房に慣れていた俺にとって外は暑すぎる。

こんなに暑いというのに、公園では数人の子供達が遊具で元気に遊んでいた。

「はー…小さい子は元気だ、若いな」
「…そういえば、研きゅ…っ、アルスさんは今何歳なんですか?」
「俺か?14だ」
「は!?え、じゅ、っ!?!?」

突然大きな声を出すセレン。なんか慣れてきた。
こいつ、驚く時のリアクションがいちいちでかい。本当に目が大きいな。驚くと尚更。

「も、もう成人してるのかと…」
「そんなにか?そこまで身長も高くないだろ」
「いや、そういう話じゃなくて」
「?」
「ほら…話し方とか、…知識量だって、14歳にはとても思えないです…、ほ、ほんとに14歳…?」
「本当だぞ。嘘だと思うならアモルおじさんに聞いてみろ」

ふふ、褒められて悪い気はしないな。
当然だ。俺はあの父さんの息子。この道の才能なら誰よりもある筈なんだ。

「セレンは何歳だ?」
「あ…あの、覚えてないんです…」
「ん、そういえばそうか。俺より年下ではあるだろうけど」
「そうですね」

うーん、見たところ10歳くらいだ。
感情の表れが激しいところは多分5歳児ぐらい。

「まあ、そんなに歳変わんないだろ?敬語外せ、あとアルスだ、ほら」
「う…あ、…アルス」
「よし」

おどおどしながら俺の名前を呼ぶセレン。
俺が笑うと、つられてセレンも笑った。
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