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第3の謎 仲間

色々思考を巡らせているうちに、だんだん意識が朦朧としてきているのがわかった。
ふと時計に目をやると、いつの間にやらもうとっくに日を跨いでいる。針は1時を示そうとしていた。

熱中すると時間が経つのはあっという間で。
謎が出現してからは調べられることが増えて、最近はずっとこんな調子だ。

もう少しだけ作業したら寝るか。

「おい、セレ――」

振り返って、息を呑んだ。

セレンは机で眠っていた。
それだけの事、だった。

ただ、その寝顔の美しさに、俺は思わず見惚れてしまっていた。
すぅ、すぅ、と音をたてながら眠る、綺麗な一人の少年。
閉じられた瞼には、まつ毛が綺麗に縁取られていて。

余りに美しい光景に、俺は時が止まったように目が離せなくなっていた。

同時に胸が締め付けられるように痛くなる。
ずっと感じているこの感覚はなんだろう。

――しばらくそうして眺めているうちに、自身にも眠気が襲ってくる。

俺もそろそろ寝るか。

俺は寝ているセレンを抱きかかえ、ベッドに運ぶ。
少しも目を覚ます気配がない。相当疲れていたのだろう。それにしても綺麗な顔だ。

当然、ベッドなんて1つしかない。
しかしセレンは小さいから、一緒に寝てもそこまで窮屈にはならなそうだ。

俺はベッドの隅に潜り込む。

* *

「うわあああああああ!?!?」

突然、そんな大きな声と、背中への強い衝撃で意識が一気に覚醒した。

「うわあああ!!ご、ごめんなさっ、研究者さん、大丈夫ですか……!?」
「俺は大丈夫だ。それよりもどうした…?」

まだ痛みの残る背中を擦りながら、俺は身体を起こしセレンの方を見た。
セレンの顔は真っ赤になっている。一体何をしたと言うのだろう。

「えっ!あ、いや、その…な、何でもないです…」
「ん?」
「あの、起きたら、目の前に、研究者さんの、顔があって…一緒に寝てたんだって…その…それだけ…」

そこまで言って、セレンは俯いてしまう。

どういうことだろう。
確かにセレンが来てからは俺が寝落ちしてばかりで、同じベッドで寝るのは初めてだった。
ただ単に、いつもと違う環境に驚いたのだろうか。
いや、だからと言って、叫んで俺を突き飛ばしたりはしないだろう。となると――

「…嫌だったのか?悪いな」
「え?…え!?いや、違…!!」

「アルスー!セレンくん!起きたのー?」

カチャ、と研究室の扉を開けてアモルおじさんが入ってくる。

「おう、起きたぞ。ほらセレン、飯だ」
「うう…」

もごもごと何かを言うセレンを尻目に、俺はいい香りがする方へとふらふら向かった。
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