第3の謎 仲間
「セレン、そこの褐色瓶とってくれ」
「はい」
「で、その中身を、付箋貼ってある試験管にこのスポイトで…そうだな、5滴ずつ」
「はい」
言われたことを淡々とこなすセレン。
学校には行ってないらしい。
それにしては言われたことは何でもできる。知識もそれなりにあって識字もできるセレンは、確実に助手としての役割を果たせている。
セレンが家に来てから1週間ほど経った。
私物もほとんど俺の家に持ってきて、今は完全にこの家に住んでいる。
お陰で研究はますます捗っていた。
「うーん…前から思ってたけど、やっぱり間違いないな」
「何がですか?」
色の変わったいくつかの試験管を振りながら、俺は答える。
「植物だ」
「…植物?」
「そう。謎…あの化け物の主成分。ほぼ植物と同じ成分で出来てるんだよ」
「えっ」
セレンは目を丸くした。
続けて、考え込むように呟く。
「…それなのに、どうしてあんなに生物みたいに動いてるんでしょうか…」
「そうだな…謎が起こる直前に植物の栄養分を集めているにしても、あの動きに説明がつかないな」
植物と同じ成分。
植物をかき集めただけのような個体が、どうして"動物"として活動ができるのか。
ここで何か、俺の知らない何かが確実に起こっている。
――化学で証明できないことはこの世にはない。
それは父さんが教えてくれたこと。
「…なんでにこにこしてるんですか」
「あ?いつもの事だろ」
表情を緩めたまま、不審そうに見るセレンを見つめ返す。
色々な仮説を脳内で張り巡らせながら、俺は内心わくわくしていた。
さらに、2つ目の謎で新たに分かったこと。
謎の目的は「破壊」だと考えられていた。
しかしあの時の謎は、確実にセレンへ――人間へ、「殺意」を向けていたのだ。
謎は意図的に人間を殺そうとしている。
一体何のために?
まだ分からないことが多すぎる。
「はい」
「で、その中身を、付箋貼ってある試験管にこのスポイトで…そうだな、5滴ずつ」
「はい」
言われたことを淡々とこなすセレン。
学校には行ってないらしい。
それにしては言われたことは何でもできる。知識もそれなりにあって識字もできるセレンは、確実に助手としての役割を果たせている。
セレンが家に来てから1週間ほど経った。
私物もほとんど俺の家に持ってきて、今は完全にこの家に住んでいる。
お陰で研究はますます捗っていた。
「うーん…前から思ってたけど、やっぱり間違いないな」
「何がですか?」
色の変わったいくつかの試験管を振りながら、俺は答える。
「植物だ」
「…植物?」
「そう。謎…あの化け物の主成分。ほぼ植物と同じ成分で出来てるんだよ」
「えっ」
セレンは目を丸くした。
続けて、考え込むように呟く。
「…それなのに、どうしてあんなに生物みたいに動いてるんでしょうか…」
「そうだな…謎が起こる直前に植物の栄養分を集めているにしても、あの動きに説明がつかないな」
植物と同じ成分。
植物をかき集めただけのような個体が、どうして"動物"として活動ができるのか。
ここで何か、俺の知らない何かが確実に起こっている。
――化学で証明できないことはこの世にはない。
それは父さんが教えてくれたこと。
「…なんでにこにこしてるんですか」
「あ?いつもの事だろ」
表情を緩めたまま、不審そうに見るセレンを見つめ返す。
色々な仮説を脳内で張り巡らせながら、俺は内心わくわくしていた。
さらに、2つ目の謎で新たに分かったこと。
謎の目的は「破壊」だと考えられていた。
しかしあの時の謎は、確実にセレンへ――人間へ、「殺意」を向けていたのだ。
謎は意図的に人間を殺そうとしている。
一体何のために?
まだ分からないことが多すぎる。