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第2の謎 出会い

「どうぞ〜!ゆっくりしていってね〜!!」
「は、はい…」

家に帰ってアモルおじさんに少年のことを説明すると、満面の笑みで少年を迎えてお茶を出してくれた。

「いやあ、それにしてもびっくりしたねえ〜、他人とろくに話したことがないアルスがお友達をつくって帰って来るなんて!おじさん感動したよ〜」
「うるさいな、ちゃんと話そうと思えば話せる」
「本当に〜?この3年間、俺以外と喋ってなくない?」
「…そうだな」

他愛もない会話をしながらお菓子をぼりぼり貪る。
ああ、そういやこれから野菜食べれるようになるな、と頭の片隅で思った。

「ねえねえ、一人で暮らしてるんでしょ?」
「あ…はい」
「それならウチに住んだらどうかな!俺、ご飯毎日つくれるよ!どう?」
「えっ…!そ、そんな、悪いです…」
「遠慮はいいから!都合が悪いことがなければ名案だと思うんだけど!ね?アルスも助手くんにはずーっと付きっきりでいて欲しいんじゃないの?」
「まあそうだな…」

ちら、と少年の方を見る。
やっぱりまだ緊張してるようで、身体が強ばっている少年は見ていて微笑ましかった。

俺自身、こいつのことをもっと知りたい、という思いがあるからかもしれないけど。

「…そりゃあもう付きっきりでいてほしいな」

にやにやしながら答えると、ますます少年の身体が強ばったように見えた。

「けってーい!アルス、その子に研究所まで案内してあげなよ!」
「この家、このリビングと研究所しかないだろ…」
「だからだよ!行ってらっしゃい!」
「はいはい、ほら行くぞ」
「あっ、はい!」

席から立ち上がるなり、俺は少年を研究所へ連れていく。

なんだか新鮮な気持ちだ。家族以外を研究所に入れるなんて。

普通は嫌だ。
でも、この少年なら良いと思ってしまう。

どうしてだろう?

こんなに他人と関わったのは初めてだ。そもそも俺は他人に興味が湧かなかった。

それでも、俺は確実にこの少年に惹かれていた。
どうしてだろう。どうして。
謎で身内を亡くしたことへの同情で頭をやられたのだろうか。

この感情は、なんだろう。

そんなことを考えてるうちに、研究所のドアの前に着いた。

研究所のドアを開けると、ひんやりとした空気を肌に感じた。研究所は、この季節だと常に空調がきいている。

「わあ…!」

目をきらきらさせて部屋を見渡す少年。
素直に可愛いと感じた。

「すごいだろ?父さんの今までの研究成果が全部この部屋に詰まってるんだ」

そう、ここは、俺の大切な場所。
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