introduction
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島からの出発当日。
長かったようで短かったこの場所での生活も終わり。
明日からは新しい生活の始まり、でも言葉とは裏腹に私達のやるべき事は...そう思うと足取りは軽く、とはいかなかった。
「おい!剣城貴様ここを出るとはどういう事だ!!」
廊下を歩いていると突然大きな声で京介が呼び止められた。
「白竜...。」
初めて見る男の子だ。
京介や私と同じ位だと思うので、きっと彼もこの施設での訓練を受けているのであろう、そして京介とは知り合い...?少なくともそれ以上ではあるのかな。
なぜか京介が私を庇う様に立つせいであまりよく見えない。
「教官から聞いたぞ!島を出ると!お前なら俺のライバルとして相応しいと!そう思っていたのは俺だけだったのか!?お前は逃げるのか?!」
「逃げるんじゃない、やらなければいけない事をするだけだ。」
「やらなければいけない?!お前は島に残れとの指示だったそうじゃないか!それをその三流女について...」
「水月の事を侮辱するな!!」
京介が突然大きな声を出すから驚いた。
白竜君?もかなり驚いているようだ。
「俺がここから出るのもこいつについていくのも俺自身の意思だ、俺に何を言おうと構わないが水月を侮辱するのは許さない。」
さっきとは打って変わって静かで、けど、すごく気迫のある声だった。
なぜか胸を掴まれるような感じがして、不思議な気持ちがした。
心拍数が上がって、心臓が跳ねるような心地で、さっきと何も変わらない筈なのに、京介の背中が少し大きく見えた。
「...フン、お前が何と言おうとお前が女に感けてこの島から出る事は変わらない、お前も所詮俺とは並べない、三流だったと言う訳だな」
「...何とでも言え」
自分が口論の種になっていそうな気がして、この場にいるのが居た堪れなくなってきて、京介の服の裾を少し引っ張ってみる。
「俺達は行く、じゃあな。」
意図は汲み取って貰えたようで、その場を歩き出す。
後ろをちらりと振り返ると、白竜君は何も言わずこちらを見つめていて、目線があった気がして慌てて前を向きなおした。
「庇ってくれてありがとね、京介」
「...別に、庇うとかじゃなくて、俺は俺の思った通りにしてるだけだ」
「うん、ありがと。」
なんだかまだ気持ちが落ち着かなくて、それをどう伝えていいかとか、そもそも伝えるべきなのか?とか何だかよく分からなくなって、黙って二人並んで歩いた。
初めて来たわけじゃないのに初めて見る島の港には、黒木さんと言う私達の上司...と言えば体はいいけど、恐らく監視も兼ねているであろう男の人が待っていて、島から出る船へと乗り込んだ。
「う~...ちょっと船酔いしたかもしれない...」
「大人しくしてればいいのに外に出てるからだ...まだ本土へ着くまで時間あるみたいだから休んでろ」
「そする...京介横に居て...」
「...いいから静かにしてろ」
そう言いながらも京介が横に座ってくれた事に安心して、目を閉じる。
これから向かう先は暗く見えるのに、隣が暖かくて、離れないでいてくれた京介の為に、何より優兄の為に、もっともっと頑張らなきゃって、そう思った。
2人が乗った船を見つめている人影が2つ。
「...剣城、お前程の男がどうしてあんな奴の為に...?」
「水月...僕の妖精、きっともっと強くなって、僕の所に帰って来てね。」
白と黒の影は決して交わらず、小さくなる船影を見つめていた。
2つの影が交わる日が訪れる日が決して遠くはない事は、誰も知る由も無かった。
長かったようで短かったこの場所での生活も終わり。
明日からは新しい生活の始まり、でも言葉とは裏腹に私達のやるべき事は...そう思うと足取りは軽く、とはいかなかった。
「おい!剣城貴様ここを出るとはどういう事だ!!」
廊下を歩いていると突然大きな声で京介が呼び止められた。
「白竜...。」
初めて見る男の子だ。
京介や私と同じ位だと思うので、きっと彼もこの施設での訓練を受けているのであろう、そして京介とは知り合い...?少なくともそれ以上ではあるのかな。
なぜか京介が私を庇う様に立つせいであまりよく見えない。
「教官から聞いたぞ!島を出ると!お前なら俺のライバルとして相応しいと!そう思っていたのは俺だけだったのか!?お前は逃げるのか?!」
「逃げるんじゃない、やらなければいけない事をするだけだ。」
「やらなければいけない?!お前は島に残れとの指示だったそうじゃないか!それをその三流女について...」
「水月の事を侮辱するな!!」
京介が突然大きな声を出すから驚いた。
白竜君?もかなり驚いているようだ。
「俺がここから出るのもこいつについていくのも俺自身の意思だ、俺に何を言おうと構わないが水月を侮辱するのは許さない。」
さっきとは打って変わって静かで、けど、すごく気迫のある声だった。
なぜか胸を掴まれるような感じがして、不思議な気持ちがした。
心拍数が上がって、心臓が跳ねるような心地で、さっきと何も変わらない筈なのに、京介の背中が少し大きく見えた。
「...フン、お前が何と言おうとお前が女に感けてこの島から出る事は変わらない、お前も所詮俺とは並べない、三流だったと言う訳だな」
「...何とでも言え」
自分が口論の種になっていそうな気がして、この場にいるのが居た堪れなくなってきて、京介の服の裾を少し引っ張ってみる。
「俺達は行く、じゃあな。」
意図は汲み取って貰えたようで、その場を歩き出す。
後ろをちらりと振り返ると、白竜君は何も言わずこちらを見つめていて、目線があった気がして慌てて前を向きなおした。
「庇ってくれてありがとね、京介」
「...別に、庇うとかじゃなくて、俺は俺の思った通りにしてるだけだ」
「うん、ありがと。」
なんだかまだ気持ちが落ち着かなくて、それをどう伝えていいかとか、そもそも伝えるべきなのか?とか何だかよく分からなくなって、黙って二人並んで歩いた。
初めて来たわけじゃないのに初めて見る島の港には、黒木さんと言う私達の上司...と言えば体はいいけど、恐らく監視も兼ねているであろう男の人が待っていて、島から出る船へと乗り込んだ。
「う~...ちょっと船酔いしたかもしれない...」
「大人しくしてればいいのに外に出てるからだ...まだ本土へ着くまで時間あるみたいだから休んでろ」
「そする...京介横に居て...」
「...いいから静かにしてろ」
そう言いながらも京介が横に座ってくれた事に安心して、目を閉じる。
これから向かう先は暗く見えるのに、隣が暖かくて、離れないでいてくれた京介の為に、何より優兄の為に、もっともっと頑張らなきゃって、そう思った。
2人が乗った船を見つめている人影が2つ。
「...剣城、お前程の男がどうしてあんな奴の為に...?」
「水月...僕の妖精、きっともっと強くなって、僕の所に帰って来てね。」
白と黒の影は決して交わらず、小さくなる船影を見つめていた。
2つの影が交わる日が訪れる日が決して遠くはない事は、誰も知る由も無かった。