「っ…ぐ…っは…！」

「何を休んでいる！しっかり動け！化身も未だ出せない三流が！誰のおかげでこうして特訓できているのか分かっているのか！聖帝を裏切るのか！！」

仄暗い、暗い暗い密室で、少女はボロボロの体を引き摺って立ち上がっていた。

日に日に時間感覚や、体の機能が狂ってきているのを感じる、それすらも正しい事なのか分からない。

「まだ…！やれます…！お願いします…！」

その言葉を聞いたのか、言葉など無くともだったのかは分からないが、再び彼女の身には暗闇の中から恐ろしい力が押し迫っていた。

「ひっ…ああああっ…！！あ゛あ゛ぁ゛！！」

絶叫がまたも部屋に響き渡る。
体に走る電流はもう痛みなのか、何なのかすら判別が付かなくなってきていた。

「あ゛…！！！優兄…！！きょ…すけ…！！」

ﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁｯ

「づよ…く…なる…！一緒にいるって…！優兄を…！治すんだって…！」

ﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁｯ

「京介ぇえええ゛！！私を一人にしないでよぉお゛おぁああ゛あ゛！！！」

今までで1番の絶叫と共に吐き出された少女の願いと共に、彼女の体からオーラが揺らめいて立ち上っていた。

「ようやくか…！聖帝はどうしてこんな三流をシードにしようなどと…」

彼女の背後からは、この暗闇には似合わない輝きが眩く放たれていた。