キミとボクの居場所
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「いってきまーす!」
「おー、気をつけんしゃいよ」
元気に玄関のドアを出ていく結愛にそう声をかけ、キッチンに戻り食器を洗い和室へ入ると、姉と義兄の仏壇の前に座る。
「今日も結愛はいつも通り、
元気に学校へいったぜよ」
そう報告出来る日常に感謝して手を合わせる。
結愛がこまめに手入れしている仏壇はいつも綺麗な状態で毎朝お供えされている。
結愛も毎日朝と夜にはふたりに手を合わせて色々話しているみたいじゃ。
…結愛を引き取り育てると義兄の両親と俺の両親に話した時には大反対された。
そりゃそうじゃ、その時の俺はまだ25歳。
到底子どもを育てられる覚悟なんて物がある訳ないと思われて当然じゃ。
だけど俺は本気じゃった。
幸いにも俺はその時ちょうど小説がヒットして小説家として生きていこうと決めていた。
だからどこにいても仕事は出来る。
結愛を転校などさせず、結愛が両親と過ごした家で、土地で一緒に過ごす環境は作れた。
「君はまだ若い。
仕事をしてたくさんの人に出会って、友人と遊んで、まだまだ楽しい事がこれからたくさんあるだろう。
これからたくさんの社会を、世界を君は知っていかなければいけないんだ。
そんな中、まだ幼い結愛がいたら君はやりたい事も我慢しなければいけなくなる。
挑戦したい事にも躊躇するだろう。
それに今後、君自身が結婚したいと思える相手に出会った時に結愛の存在は君にとって大きな足枷になってしまう。
…私達は君の人生の先輩として、反対する。
君には君の人生がある。
まだまだこれからの君の人生を潰す訳にはいかない」
至極全うな意見じゃ。
両親達は俺の事も、結愛の事も考えての反対をした。
それでも俺は引き下がれなかった。
「おっしゃる通りです。
俺はまだまだ何も知らない子どもです。
それでも姉夫婦が遺した、ふたりのたったひとりの大事な、世界一の宝物の結愛を、
俺はそばで守りたいんです。
結愛が生まれた時、嬉しかった。
小さな小さな結愛をはじめてこの腕に抱いた時、誓ったんです。
俺はこの子を絶対に守ろうと。
約束したんです、結愛と。
これからは俺が結愛を必ず幸せにする、と。
だから、だからお願いです。
結愛を、俺に任せて下さい…!」
生まれて初めて土下座をして頭を畳に擦り付けて頼み込んだ。
それから何度も何度も話し合いをした。
結愛も俺と暮らす事を望んでいる事もあり、何とか許しを貰えた。
毎月結愛の近況を報せる、長い休みには義兄の実家、俺の実家にふたりで顔を出す、等いくつか条件を出されたが、
そんな条件だけでいいのなら喜んで実行する。
それから俺と結愛のふたり暮らしが始まった。
最初は上手くいかない事ももちろんあった。
その度に話し合い、ぶつかり合った。
ふたり暮らしも6年経った今、
義兄の両親にも俺の両親にも認められて安心して任せて貰えている。
それでも、義兄の両親はやっぱり俺の結婚やら何やらに気を使い心配してくれているが、
生憎俺にはそんな相手もいなければ結婚願望もない。
今はただ、結愛とのこの平凡で穏やかな日常が続く事だけを祈っている。
姉ちゃん、お義兄さん、
結愛は俺が必ず、世界一幸せにするぜよ。
だから、安心して。
あの日、結愛と交わした約束は必ず、
守るぜよ。
「結愛、俺と一緒に暮らそう」
「俺が結愛を笑顔にするぜよ」
「俺は魔法使いなんじゃ、
だから、今から結愛に魔法をかけるぜよ」
「チチンプリプリ~、結愛は絶対世界一幸せになる~」
「…ふっ、あはは!
雅君、魔法使いだ!
結愛もする!
チチンプリプリ~、雅君は絶対に結愛と一緒に世界一幸せにな~る!」
涙でぐしゃぐしゃの顔でそう言ってくれた結愛を俺は抱きしめた。
「おー、気をつけんしゃいよ」
元気に玄関のドアを出ていく結愛にそう声をかけ、キッチンに戻り食器を洗い和室へ入ると、姉と義兄の仏壇の前に座る。
「今日も結愛はいつも通り、
元気に学校へいったぜよ」
そう報告出来る日常に感謝して手を合わせる。
結愛がこまめに手入れしている仏壇はいつも綺麗な状態で毎朝お供えされている。
結愛も毎日朝と夜にはふたりに手を合わせて色々話しているみたいじゃ。
…結愛を引き取り育てると義兄の両親と俺の両親に話した時には大反対された。
そりゃそうじゃ、その時の俺はまだ25歳。
到底子どもを育てられる覚悟なんて物がある訳ないと思われて当然じゃ。
だけど俺は本気じゃった。
幸いにも俺はその時ちょうど小説がヒットして小説家として生きていこうと決めていた。
だからどこにいても仕事は出来る。
結愛を転校などさせず、結愛が両親と過ごした家で、土地で一緒に過ごす環境は作れた。
「君はまだ若い。
仕事をしてたくさんの人に出会って、友人と遊んで、まだまだ楽しい事がこれからたくさんあるだろう。
これからたくさんの社会を、世界を君は知っていかなければいけないんだ。
そんな中、まだ幼い結愛がいたら君はやりたい事も我慢しなければいけなくなる。
挑戦したい事にも躊躇するだろう。
それに今後、君自身が結婚したいと思える相手に出会った時に結愛の存在は君にとって大きな足枷になってしまう。
…私達は君の人生の先輩として、反対する。
君には君の人生がある。
まだまだこれからの君の人生を潰す訳にはいかない」
至極全うな意見じゃ。
両親達は俺の事も、結愛の事も考えての反対をした。
それでも俺は引き下がれなかった。
「おっしゃる通りです。
俺はまだまだ何も知らない子どもです。
それでも姉夫婦が遺した、ふたりのたったひとりの大事な、世界一の宝物の結愛を、
俺はそばで守りたいんです。
結愛が生まれた時、嬉しかった。
小さな小さな結愛をはじめてこの腕に抱いた時、誓ったんです。
俺はこの子を絶対に守ろうと。
約束したんです、結愛と。
これからは俺が結愛を必ず幸せにする、と。
だから、だからお願いです。
結愛を、俺に任せて下さい…!」
生まれて初めて土下座をして頭を畳に擦り付けて頼み込んだ。
それから何度も何度も話し合いをした。
結愛も俺と暮らす事を望んでいる事もあり、何とか許しを貰えた。
毎月結愛の近況を報せる、長い休みには義兄の実家、俺の実家にふたりで顔を出す、等いくつか条件を出されたが、
そんな条件だけでいいのなら喜んで実行する。
それから俺と結愛のふたり暮らしが始まった。
最初は上手くいかない事ももちろんあった。
その度に話し合い、ぶつかり合った。
ふたり暮らしも6年経った今、
義兄の両親にも俺の両親にも認められて安心して任せて貰えている。
それでも、義兄の両親はやっぱり俺の結婚やら何やらに気を使い心配してくれているが、
生憎俺にはそんな相手もいなければ結婚願望もない。
今はただ、結愛とのこの平凡で穏やかな日常が続く事だけを祈っている。
姉ちゃん、お義兄さん、
結愛は俺が必ず、世界一幸せにするぜよ。
だから、安心して。
あの日、結愛と交わした約束は必ず、
守るぜよ。
「結愛、俺と一緒に暮らそう」
「俺が結愛を笑顔にするぜよ」
「俺は魔法使いなんじゃ、
だから、今から結愛に魔法をかけるぜよ」
「チチンプリプリ~、結愛は絶対世界一幸せになる~」
「…ふっ、あはは!
雅君、魔法使いだ!
結愛もする!
チチンプリプリ~、雅君は絶対に結愛と一緒に世界一幸せにな~る!」
涙でぐしゃぐしゃの顔でそう言ってくれた結愛を俺は抱きしめた。