君へ最大の愛を
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二口視点
「彼氏って…」
「あ、もしかして彼女いますか?」
「いや、いないけど…」
「良かったー!」
いやいや、良かったって。
今日初めて会って友達すっ飛ばして彼氏!?
「あ、もちろん本当の彼氏じゃなくていいです。
彼氏の振りをしてくれるだけでいいんです。
そうですね…、半年程の期間限定でいいので」
「はっ?」
訳が分からなくて頭がこんがらがる俺に彼女は話を続ける。
話を聞くと彼女は今まで彼氏がいた事がないらしい。
だから、死ぬまでに好きな人をつくったり
彼氏とデートしたり恋人同士がするような事をしてみたいらしい。
だけどそんな簡単には好きな人なんて出来ないし、出来たとしても自分の病気や余命を知ったら受け入れてはもらえない。
「もちろん、あなたに好きな人が出来たり彼女が出来たら彼氏の振りはやめてもらって構いません」
「…そんな大事なもん、振りだとかでいいのかよ?」
「だって、私死んじゃいますから。
本当の彼氏だったら、私きっと好きになればなる程死ぬの怖くなっちゃうし、
それに相手がもしも同じ位に私の事を好きになってくれたら、その人にも申し訳ないじゃないですか、遺して逝っちゃうの。
だから、期間限定の偽の恋人ごっこでいいんです」
笑って話すけれど、その奥には悲しさや苦しさが見え隠れしている。
…本当は振りなんかじゃなく本当の彼氏がほしいんだろう。
だけど、自分の余命を考えると作れないんだろう、
好きな人も、本物の彼氏も。
そして、俺にそんな事を頼むのも凄く勇気を出したんだろう、
肩も手も、震えている。
「…ごめんなさい、やっぱり駄目ですよね。
初対面の人にこんな事お願いするとか私、ちょっとどうかしてました。
本当にごめんなさい、忘れて下さ…」
「なってやるよ」
「へ…?」
彼女の言葉を遮ってそう言った俺に彼女は間抜けな顔と声を見せる。
「ははっ!すっげー間抜けな顔!」
「間抜けって…。
じゃなくて!
本当に言ってます!?」
信じられないという様な顔でそう言う彼女の鼻をつまむ。
「はっ?お前は冗談で言ったのかよ?」
「そ、そうじゃないけど…!
ってか痛い!」
「だったらいいじゃねぇか。
この俺が彼氏役やってやるって言ってんだ。
有り難く思えよ」
鼻を押さえながらまだ信じられないという顔をしている。
「…言いだした私が言うのも何ですが本当にいいんですか?」
「しつこい!
俺がいいって言ってんだからいーんだよ!」
そう言うと、彼女は笑った。
少し目に涙をためて。
「…じゃあ、これから半年間、
よろしくお願いします!」
「ああ、よろしくな!」
…少しも同情心や罪悪感がなかったのかと言えば嘘になるかも知れない。
それでも俺は、この時彼女の期間限定の彼氏になる事に迷いはなかった。
何故だ、と聞かれても上手く答えられない。
だけど、彼女の本当に嬉しそうに笑う顔を見たら、理由なんていらない気がした。
こうして、
彼女と俺の期間限定の偽の恋人ごっこが始まった。
「彼氏って…」
「あ、もしかして彼女いますか?」
「いや、いないけど…」
「良かったー!」
いやいや、良かったって。
今日初めて会って友達すっ飛ばして彼氏!?
「あ、もちろん本当の彼氏じゃなくていいです。
彼氏の振りをしてくれるだけでいいんです。
そうですね…、半年程の期間限定でいいので」
「はっ?」
訳が分からなくて頭がこんがらがる俺に彼女は話を続ける。
話を聞くと彼女は今まで彼氏がいた事がないらしい。
だから、死ぬまでに好きな人をつくったり
彼氏とデートしたり恋人同士がするような事をしてみたいらしい。
だけどそんな簡単には好きな人なんて出来ないし、出来たとしても自分の病気や余命を知ったら受け入れてはもらえない。
「もちろん、あなたに好きな人が出来たり彼女が出来たら彼氏の振りはやめてもらって構いません」
「…そんな大事なもん、振りだとかでいいのかよ?」
「だって、私死んじゃいますから。
本当の彼氏だったら、私きっと好きになればなる程死ぬの怖くなっちゃうし、
それに相手がもしも同じ位に私の事を好きになってくれたら、その人にも申し訳ないじゃないですか、遺して逝っちゃうの。
だから、期間限定の偽の恋人ごっこでいいんです」
笑って話すけれど、その奥には悲しさや苦しさが見え隠れしている。
…本当は振りなんかじゃなく本当の彼氏がほしいんだろう。
だけど、自分の余命を考えると作れないんだろう、
好きな人も、本物の彼氏も。
そして、俺にそんな事を頼むのも凄く勇気を出したんだろう、
肩も手も、震えている。
「…ごめんなさい、やっぱり駄目ですよね。
初対面の人にこんな事お願いするとか私、ちょっとどうかしてました。
本当にごめんなさい、忘れて下さ…」
「なってやるよ」
「へ…?」
彼女の言葉を遮ってそう言った俺に彼女は間抜けな顔と声を見せる。
「ははっ!すっげー間抜けな顔!」
「間抜けって…。
じゃなくて!
本当に言ってます!?」
信じられないという様な顔でそう言う彼女の鼻をつまむ。
「はっ?お前は冗談で言ったのかよ?」
「そ、そうじゃないけど…!
ってか痛い!」
「だったらいいじゃねぇか。
この俺が彼氏役やってやるって言ってんだ。
有り難く思えよ」
鼻を押さえながらまだ信じられないという顔をしている。
「…言いだした私が言うのも何ですが本当にいいんですか?」
「しつこい!
俺がいいって言ってんだからいーんだよ!」
そう言うと、彼女は笑った。
少し目に涙をためて。
「…じゃあ、これから半年間、
よろしくお願いします!」
「ああ、よろしくな!」
…少しも同情心や罪悪感がなかったのかと言えば嘘になるかも知れない。
それでも俺は、この時彼女の期間限定の彼氏になる事に迷いはなかった。
何故だ、と聞かれても上手く答えられない。
だけど、彼女の本当に嬉しそうに笑う顔を見たら、理由なんていらない気がした。
こうして、
彼女と俺の期間限定の偽の恋人ごっこが始まった。