君へ最大の愛を
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病院を出て鞄からスマホを取り出そうとした時にふと感じた違和感。
何だろ、と思いながらあまり気にせずに院外薬局に向かい処方箋を出したところで違和感の正体に気づいた。
鞄に入れてた手帳がない、それが違和感の正体。
たくさんの薬を処方されるため私は自分で管理しやすい様に手帳に中止になった薬や新しく出された薬、飲み方が変わった薬等がある時はその場で薬剤師さんに確認しながら手帳に書き込んでいる。
お薬手帳もあるけれど、学校とか人目がある所だと自分の手帳を見る方がまわりも気にならないだろうとの考えからだ。
今日は薬の変更もなかったから無くなっている事にすぐに気づけなかった。
薬剤師さんに断りを入れて手帳を探しに病院へ戻る。
ロビーで一度手帳を取り出したから落としたなら病院内なのは間違いない。
ため息をひとつ吐き、来た道を戻る。
まさか、これが私の残りの人生を180度変える事になるなんて
この時の私は知るよしもなかった。
病院に入り辺りを見渡すとひとりの背の高い男の子が目に入った。
少し動揺してる様にも見えるその男の子の手には私の手帳があった。
…多分、中身を見ちゃったんだろうな。
恐らく一緒に入れてあった誕生日に撮った写真も。
余命宣告を受けてから、私は写真を撮ったら裏にその時の気持ちを書く様になった。
人間の記憶力なんて案外脆いからその時の細かい事とか忘れちゃう。
だからいつまでもその時の気持ちを忘れたくなくて書きとめる様になったんだ。
確かあの写真には余命の事とか書いてあったし、手帳にも薬の事や受診とか、少なからず病気の事も書いてある。
赤の他人の事とはいえ、後味悪いもの見ちゃったとか思ってんだろうな。
何だか申し訳ない。
「あの…」
とりあえず手帳を返してもらわなきゃいけないし声をかけると男の子は驚いた様子で振り返った。
「ごめんなさい、その手帳…」
「ああ、お前のだよな」
そう言って男の子は若干気まずそうに手帳を差し出してくる。
「悪い、拾ったんだけど何気なく中見ちゃってさ。その、写真も…」
言葉はぶっきらぼうだけど本当に申し訳そうな顔をしている男の子。
手帳が落ちてたら私だって思わず中身を見るかも知れないし、
落とした私の責任だし、むしろ後味悪いものを見せてしまって私の方が申し訳ない。
「いえ、拾って頂いてありがとうございます。大切な物なので助かりました」
お礼を言って手帳を受け取ろうとすると男の子はやっぱり少し気まずそうな顔をして、
そして思いがけない事を言った。
「…お前、死ぬの?」
まさかの言葉に私は思わず手帳を受け取る手が止まった。
何だろ、と思いながらあまり気にせずに院外薬局に向かい処方箋を出したところで違和感の正体に気づいた。
鞄に入れてた手帳がない、それが違和感の正体。
たくさんの薬を処方されるため私は自分で管理しやすい様に手帳に中止になった薬や新しく出された薬、飲み方が変わった薬等がある時はその場で薬剤師さんに確認しながら手帳に書き込んでいる。
お薬手帳もあるけれど、学校とか人目がある所だと自分の手帳を見る方がまわりも気にならないだろうとの考えからだ。
今日は薬の変更もなかったから無くなっている事にすぐに気づけなかった。
薬剤師さんに断りを入れて手帳を探しに病院へ戻る。
ロビーで一度手帳を取り出したから落としたなら病院内なのは間違いない。
ため息をひとつ吐き、来た道を戻る。
まさか、これが私の残りの人生を180度変える事になるなんて
この時の私は知るよしもなかった。
病院に入り辺りを見渡すとひとりの背の高い男の子が目に入った。
少し動揺してる様にも見えるその男の子の手には私の手帳があった。
…多分、中身を見ちゃったんだろうな。
恐らく一緒に入れてあった誕生日に撮った写真も。
余命宣告を受けてから、私は写真を撮ったら裏にその時の気持ちを書く様になった。
人間の記憶力なんて案外脆いからその時の細かい事とか忘れちゃう。
だからいつまでもその時の気持ちを忘れたくなくて書きとめる様になったんだ。
確かあの写真には余命の事とか書いてあったし、手帳にも薬の事や受診とか、少なからず病気の事も書いてある。
赤の他人の事とはいえ、後味悪いもの見ちゃったとか思ってんだろうな。
何だか申し訳ない。
「あの…」
とりあえず手帳を返してもらわなきゃいけないし声をかけると男の子は驚いた様子で振り返った。
「ごめんなさい、その手帳…」
「ああ、お前のだよな」
そう言って男の子は若干気まずそうに手帳を差し出してくる。
「悪い、拾ったんだけど何気なく中見ちゃってさ。その、写真も…」
言葉はぶっきらぼうだけど本当に申し訳そうな顔をしている男の子。
手帳が落ちてたら私だって思わず中身を見るかも知れないし、
落とした私の責任だし、むしろ後味悪いものを見せてしまって私の方が申し訳ない。
「いえ、拾って頂いてありがとうございます。大切な物なので助かりました」
お礼を言って手帳を受け取ろうとすると男の子はやっぱり少し気まずそうな顔をして、
そして思いがけない事を言った。
「…お前、死ぬの?」
まさかの言葉に私は思わず手帳を受け取る手が止まった。