好きです!白布先輩!
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月島蛍視点
「ねぇ、このスカートどっちがいいかな?」
夕食も終わってゆっくり過ごす土曜日の夜、
美夜は僕の部屋で何着も服を広げて次々と手に取っては僕に聞いてくる。
「そのふたつなら右のスカート」
「ホント?じゃあスカートはこれで…」
僕の選んだスカートを手に持ちまわりに広げているトップスを見比べている美夜。
その顔は凄く真剣なんだけど、どこか嬉しさも滲ませていて。
「てゆーか、この間一目惚れしたとか言ってワンピース買ってたじゃん、
あれは?着ていかないの?」
あれだけベタ惚れな相手との初めてのデートだとかで浮かれてたからてっきりあのワンピースを着ていくと思ってた。
まぁ、相手の事情的にデートじゃなくて買い物につきあってほしいってだけだろうけど、美夜の脳内では初めてのデートに勝手に変換されてるし。
この間一緒に買い物にいった時に即決して買っていたワンピース、
「凄く可愛い、一目惚れ!」
とか言って凄く嬉しそうにしてたのに。
「うーん、可愛いんだけどさ
可愛らし過ぎて私にはあまり似合わないでしょ?
あんなワンピースは私みたいに背が高くてキツめな感じの子じゃなくて小さくて華奢なふわふわ可愛らしい女の子に似合うよなーって」
少し眉を下げて困った様に笑う美夜。
…昔、まだ小学生の頃美夜が気に入ってよく着ていたワンピースがあった。
兄ちゃんが僕と美夜の誕生日に奮発して美夜にプレゼントしたワンピース。
(ちなみに僕には恐竜のぬいぐるみと本だった)
美夜は物凄く喜んでしょっちゅう着ていた。
白のワンピース、
あまり派手ではなくシンプルなデザインで襟元に付いていたリボンが美夜のお気に入りポイントだった。
だけど、ある日からそのワンピースを着る事はなくなった。
僕や母さん、父さんが理由を聞いても美夜は何も話してくれなかった。
だけど、部屋でひとり
そのワンピースを抱きしめて泣いている美夜 を見て何かあった事は簡単に分かった。
何があったのか分かったのはそれから1週間経ってからだった。
当時美夜が秘かに片思いしていた美夜と同じクラスの男が、
美夜の事を陰でデカ女と笑っていた、
しかも、あのワンピースを着ていた美夜を
デカ女にあんなワンピース似合わない、
あーゆうワンピースは小さくて可愛い女の子に似合うんだ、
そう言って笑っていたと美夜のクラスメイトから聞いた。
おまけにそいつは人前では美夜をからかう男を嗜め美夜を庇っていたと。
人前では美夜に対して優しく接して陰では笑い者にしていた。
…生まれて初めて人を殴りたいと思った。
だけど、ここで僕がそいつを殴って大事にでもなったら美夜が1番傷つく。
だったら僕は今は普段通りにして、いつかまた美夜がワンピースを着たいと思った時に、
凄く似合うと、何度も言ってやろう、
そう、決めた。
…あれ以来、美夜はスカートもあまり着なくなった。
世間的に女の子らしいと言われる様なデザインを避けてパンツスタイルが多くなったしスカートもロングスカートのみ。
靴もヒールが高いのは一切履かずローヒールかスニーカー。
そんな美夜がワンピースを一目惚れだと言って嬉しそうに買っていた姿は、
僕にとっても凄く嬉しかったんだ。
だから美夜、
明日は絶対、あのワンピース着ていかなきゃ。
「蛍?どしたの」
急に立ち上がった僕を不思議そうに見てそう聞いてくる美夜。
「この間買ったワンピース、どこ?」
「へっ?」
「だからこの間買ったワンピース!」
「えっ?
えっと、部屋のクローゼット…」
美夜の返事に僕は隣の美夜の部屋のクローゼットからワンピースを手に取り部屋に戻る。
「それ…」
美夜の言葉を遮って僕はワンピースを美夜に合わせる。
「凄く似合う」
「え…?」
「物凄く似合う。
美夜に1番、このワンピースは似合ってる」
薄いラベンダー色のワンピース、
色こそ違えどシンプルなデザインで、襟元のリボンはあのワンピースによく似ていた。
「デートなんでしょ?
1番可愛く見える自分でいきなよ。
大丈夫、凄く似合ってるから」
驚いた顔で僕を見る美夜は、
僕の手からワンピースを受け取って鏡の前に立つ。
恐る恐る、ワンピースを自分に合わせる。
「…似合ってる、かな?」
振り向いてそう聞いてきた美夜は、
少し恥ずかしそうに、
だけど嬉しそうに笑った。
「うん、凄く。
普段の美夜からは想像もつかない位可愛い」
「何それー!」
そう言って笑う美夜の目には少し涙が滲んでいた。
「ねぇ、このスカートどっちがいいかな?」
夕食も終わってゆっくり過ごす土曜日の夜、
美夜は僕の部屋で何着も服を広げて次々と手に取っては僕に聞いてくる。
「そのふたつなら右のスカート」
「ホント?じゃあスカートはこれで…」
僕の選んだスカートを手に持ちまわりに広げているトップスを見比べている美夜。
その顔は凄く真剣なんだけど、どこか嬉しさも滲ませていて。
「てゆーか、この間一目惚れしたとか言ってワンピース買ってたじゃん、
あれは?着ていかないの?」
あれだけベタ惚れな相手との初めてのデートだとかで浮かれてたからてっきりあのワンピースを着ていくと思ってた。
まぁ、相手の事情的にデートじゃなくて買い物につきあってほしいってだけだろうけど、美夜の脳内では初めてのデートに勝手に変換されてるし。
この間一緒に買い物にいった時に即決して買っていたワンピース、
「凄く可愛い、一目惚れ!」
とか言って凄く嬉しそうにしてたのに。
「うーん、可愛いんだけどさ
可愛らし過ぎて私にはあまり似合わないでしょ?
あんなワンピースは私みたいに背が高くてキツめな感じの子じゃなくて小さくて華奢なふわふわ可愛らしい女の子に似合うよなーって」
少し眉を下げて困った様に笑う美夜。
…昔、まだ小学生の頃美夜が気に入ってよく着ていたワンピースがあった。
兄ちゃんが僕と美夜の誕生日に奮発して美夜にプレゼントしたワンピース。
(ちなみに僕には恐竜のぬいぐるみと本だった)
美夜は物凄く喜んでしょっちゅう着ていた。
白のワンピース、
あまり派手ではなくシンプルなデザインで襟元に付いていたリボンが美夜のお気に入りポイントだった。
だけど、ある日からそのワンピースを着る事はなくなった。
僕や母さん、父さんが理由を聞いても美夜は何も話してくれなかった。
だけど、部屋でひとり
そのワンピースを抱きしめて泣いている美夜 を見て何かあった事は簡単に分かった。
何があったのか分かったのはそれから1週間経ってからだった。
当時美夜が秘かに片思いしていた美夜と同じクラスの男が、
美夜の事を陰でデカ女と笑っていた、
しかも、あのワンピースを着ていた美夜を
デカ女にあんなワンピース似合わない、
あーゆうワンピースは小さくて可愛い女の子に似合うんだ、
そう言って笑っていたと美夜のクラスメイトから聞いた。
おまけにそいつは人前では美夜をからかう男を嗜め美夜を庇っていたと。
人前では美夜に対して優しく接して陰では笑い者にしていた。
…生まれて初めて人を殴りたいと思った。
だけど、ここで僕がそいつを殴って大事にでもなったら美夜が1番傷つく。
だったら僕は今は普段通りにして、いつかまた美夜がワンピースを着たいと思った時に、
凄く似合うと、何度も言ってやろう、
そう、決めた。
…あれ以来、美夜はスカートもあまり着なくなった。
世間的に女の子らしいと言われる様なデザインを避けてパンツスタイルが多くなったしスカートもロングスカートのみ。
靴もヒールが高いのは一切履かずローヒールかスニーカー。
そんな美夜がワンピースを一目惚れだと言って嬉しそうに買っていた姿は、
僕にとっても凄く嬉しかったんだ。
だから美夜、
明日は絶対、あのワンピース着ていかなきゃ。
「蛍?どしたの」
急に立ち上がった僕を不思議そうに見てそう聞いてくる美夜。
「この間買ったワンピース、どこ?」
「へっ?」
「だからこの間買ったワンピース!」
「えっ?
えっと、部屋のクローゼット…」
美夜の返事に僕は隣の美夜の部屋のクローゼットからワンピースを手に取り部屋に戻る。
「それ…」
美夜の言葉を遮って僕はワンピースを美夜に合わせる。
「凄く似合う」
「え…?」
「物凄く似合う。
美夜に1番、このワンピースは似合ってる」
薄いラベンダー色のワンピース、
色こそ違えどシンプルなデザインで、襟元のリボンはあのワンピースによく似ていた。
「デートなんでしょ?
1番可愛く見える自分でいきなよ。
大丈夫、凄く似合ってるから」
驚いた顔で僕を見る美夜は、
僕の手からワンピースを受け取って鏡の前に立つ。
恐る恐る、ワンピースを自分に合わせる。
「…似合ってる、かな?」
振り向いてそう聞いてきた美夜は、
少し恥ずかしそうに、
だけど嬉しそうに笑った。
「うん、凄く。
普段の美夜からは想像もつかない位可愛い」
「何それー!」
そう言って笑う美夜の目には少し涙が滲んでいた。
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