本当の気持ち
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若利視点
2つ年下の妹はいつも俺の後ろをついてきていた。
俺と父さんがバレーをするのをいつも楽しそうに見ていた。
俺の後を追う様にバレーを始めた。
俺と違い表情豊かでいつも明るく笑っていた。
いつも一生懸命に、
そして楽しそうにバレーをしていた。
そんな柚奈を見ていると俺まで暖かい気持ちになれた。
いつも真っ直ぐに感情を伝えてくれていた。
(柚奈、お兄ちゃんが大好き!)
そう、少し恥ずかしそうに笑いながら言う柚奈の頭を撫でてやるのが好きだった。
俺より年下で、小さくて力もない柚奈を必ず守ると秘かに決めていた。
これが俗に言うシスコンと言うものだろうと関係ない。
両親が離婚し父親がいない分、俺は柚奈の兄でもあり父親代わりでもあるんだ。
柚奈を傷付けたり泣かせる奴は許さない。
誰であろうと何を言われようと柚奈は俺が守る。
そう、本気で思っていた。
そんな柚奈が俺の事を避け始めたのは俺が中学に上がって白鳥沢でレギュラーを勝ち取った辺りからだった。
俺が帰るといつも明るく
おかえり、と出迎えてくれていたのが、
ある日からなくなった。
妙に余所余所しくなり、あまり笑顔を見せてくれなくなった。
理由が分からず戸惑ったがチームメイトから反抗期みたいなものじゃないか、
と言われ、早すぎないかとは思ったがそんなものなのかと自分を納得させた。
中学に上がり選手としてはバレーを辞めてマネージャーになったが一生懸命なのは変わらず楽しそうにしていた。
相変わらず俺の事を避けていたが、柚奈が楽しそうならそれで良かった。
高校生になっても俺を避け続けていた柚奈。
高校ではマネージャーもやらずバレーから遠ざかっていると聞いて心配だった。
そんな柚奈が俺の事を聞いてきたと母から聞いた。
嬉しくない訳がない。
大事な妹だ。
何に変えても守ると誓った妹。
すぐに連絡した。
久しぶりだったが、まるで時が戻ったように話をした。
久しぶりにたくさん話をした。
今すぐに会いたいと思った。
会って顔をみたい、
柚奈の話をもっと聞きたかった。
そんな柚奈が今、俺の目の前で泣きながら話をしてくれている。
ずっと幼い妹だと思っていた柚奈は、
恋をしていた。
正直、俺には恋だとかは分からない。
だが、柚奈は今傷つき悩み、泣いている。
そんな柚奈を何とかしてやりたい、
その思いだけだ。
「柚奈はその月島という男が好きなんじゃないか?」
俺には恋愛経験がない。
だが、柚奈の話を聞く限り柚奈は今、国見という男より月島という男が好きだと感じたから率直に聞いてみた。
「柚奈にとって国見という男は確かに大事な存在なんだろう。
だが、今柚奈が好きなのは月島なんだろう?」
「…好きとか、蛍の事傷つけた私にそんな権利なんてないよ…」
「恋愛なんて最初は傷付けたり傷付けられたりとか当たり前じゃない?」
柚奈の言葉に天童がそう答える。
「それに恋愛に権利だとかいらないでしょー。
大事なのはお互いの気持ちだよ」
天童の言葉に柚奈は驚いたように顔を上げる。
そんな柚奈に天童は話を続ける。
「柚奈ちゃんはさ、その月島君が自分以外の女の子と仲良くしたりつきあっちゃったりしたらどう?
嫌じゃない?」
「…嫌、だけど、
でも私にはそんな事…」
「今聞いてるのは柚奈ちゃんの正直な気持ちだよ。
権利だとかじゃなくてね。
柚奈ちゃん、どんなに怖くても逃げちゃダメだよ」
「…逃げ、る…?」
「そう、今の柚奈ちゃんは月島君と真正面から向かい合う事から逃げちゃってるみたいに見えるんだよね。
月島君の事を傷つけたくないって気持ちと、
…柚奈ちゃん自身がもう傷つきたくないって気持ちで」
天童の言葉に何か思う事があったのか。
柚奈は少しうつむき何か考える様に両手を強く握りしめる。
「恋愛って怖いよね。
一度傷つくと尚更に。
だけどさ、もったいないよ。
せっかくそんなにも泣ける位に好きって想える相手がいるのにこのまま終わっちゃうのはさ」
そう言って天童は柚奈の頭をゆっくりと撫でる。
「大丈夫だよ~、
月島君、柚奈ちゃんの事凄く好きだよ。
それにさ、月島君凄く頑張ってくれてるじゃん。
だからさ、今度は柚奈ちゃんが頑張る番じゃない?」
「柚奈、俺は天童の様に的確なアドバイスはしてやれない。
だが柚奈の事を傷つける奴は許さない。
だから安心して向き合ってこい。
もしもその月島という男が柚奈を泣かせたり傷つけようものなら俺がいつでも駆け付ける」
「さっすが若利君!いいよね、兄妹って。
柚奈ちゃん、その時は俺も一緒に加勢するからね~!」
俺と天童の言葉に、
柚奈は笑った。
目に涙を浮かべながら笑う柚奈に、
昔の面影を感じながら成長も感じ、
嬉しい反面、少し寂しさも感じた。
2つ年下の妹はいつも俺の後ろをついてきていた。
俺と父さんがバレーをするのをいつも楽しそうに見ていた。
俺の後を追う様にバレーを始めた。
俺と違い表情豊かでいつも明るく笑っていた。
いつも一生懸命に、
そして楽しそうにバレーをしていた。
そんな柚奈を見ていると俺まで暖かい気持ちになれた。
いつも真っ直ぐに感情を伝えてくれていた。
(柚奈、お兄ちゃんが大好き!)
そう、少し恥ずかしそうに笑いながら言う柚奈の頭を撫でてやるのが好きだった。
俺より年下で、小さくて力もない柚奈を必ず守ると秘かに決めていた。
これが俗に言うシスコンと言うものだろうと関係ない。
両親が離婚し父親がいない分、俺は柚奈の兄でもあり父親代わりでもあるんだ。
柚奈を傷付けたり泣かせる奴は許さない。
誰であろうと何を言われようと柚奈は俺が守る。
そう、本気で思っていた。
そんな柚奈が俺の事を避け始めたのは俺が中学に上がって白鳥沢でレギュラーを勝ち取った辺りからだった。
俺が帰るといつも明るく
おかえり、と出迎えてくれていたのが、
ある日からなくなった。
妙に余所余所しくなり、あまり笑顔を見せてくれなくなった。
理由が分からず戸惑ったがチームメイトから反抗期みたいなものじゃないか、
と言われ、早すぎないかとは思ったがそんなものなのかと自分を納得させた。
中学に上がり選手としてはバレーを辞めてマネージャーになったが一生懸命なのは変わらず楽しそうにしていた。
相変わらず俺の事を避けていたが、柚奈が楽しそうならそれで良かった。
高校生になっても俺を避け続けていた柚奈。
高校ではマネージャーもやらずバレーから遠ざかっていると聞いて心配だった。
そんな柚奈が俺の事を聞いてきたと母から聞いた。
嬉しくない訳がない。
大事な妹だ。
何に変えても守ると誓った妹。
すぐに連絡した。
久しぶりだったが、まるで時が戻ったように話をした。
久しぶりにたくさん話をした。
今すぐに会いたいと思った。
会って顔をみたい、
柚奈の話をもっと聞きたかった。
そんな柚奈が今、俺の目の前で泣きながら話をしてくれている。
ずっと幼い妹だと思っていた柚奈は、
恋をしていた。
正直、俺には恋だとかは分からない。
だが、柚奈は今傷つき悩み、泣いている。
そんな柚奈を何とかしてやりたい、
その思いだけだ。
「柚奈はその月島という男が好きなんじゃないか?」
俺には恋愛経験がない。
だが、柚奈の話を聞く限り柚奈は今、国見という男より月島という男が好きだと感じたから率直に聞いてみた。
「柚奈にとって国見という男は確かに大事な存在なんだろう。
だが、今柚奈が好きなのは月島なんだろう?」
「…好きとか、蛍の事傷つけた私にそんな権利なんてないよ…」
「恋愛なんて最初は傷付けたり傷付けられたりとか当たり前じゃない?」
柚奈の言葉に天童がそう答える。
「それに恋愛に権利だとかいらないでしょー。
大事なのはお互いの気持ちだよ」
天童の言葉に柚奈は驚いたように顔を上げる。
そんな柚奈に天童は話を続ける。
「柚奈ちゃんはさ、その月島君が自分以外の女の子と仲良くしたりつきあっちゃったりしたらどう?
嫌じゃない?」
「…嫌、だけど、
でも私にはそんな事…」
「今聞いてるのは柚奈ちゃんの正直な気持ちだよ。
権利だとかじゃなくてね。
柚奈ちゃん、どんなに怖くても逃げちゃダメだよ」
「…逃げ、る…?」
「そう、今の柚奈ちゃんは月島君と真正面から向かい合う事から逃げちゃってるみたいに見えるんだよね。
月島君の事を傷つけたくないって気持ちと、
…柚奈ちゃん自身がもう傷つきたくないって気持ちで」
天童の言葉に何か思う事があったのか。
柚奈は少しうつむき何か考える様に両手を強く握りしめる。
「恋愛って怖いよね。
一度傷つくと尚更に。
だけどさ、もったいないよ。
せっかくそんなにも泣ける位に好きって想える相手がいるのにこのまま終わっちゃうのはさ」
そう言って天童は柚奈の頭をゆっくりと撫でる。
「大丈夫だよ~、
月島君、柚奈ちゃんの事凄く好きだよ。
それにさ、月島君凄く頑張ってくれてるじゃん。
だからさ、今度は柚奈ちゃんが頑張る番じゃない?」
「柚奈、俺は天童の様に的確なアドバイスはしてやれない。
だが柚奈の事を傷つける奴は許さない。
だから安心して向き合ってこい。
もしもその月島という男が柚奈を泣かせたり傷つけようものなら俺がいつでも駆け付ける」
「さっすが若利君!いいよね、兄妹って。
柚奈ちゃん、その時は俺も一緒に加勢するからね~!」
俺と天童の言葉に、
柚奈は笑った。
目に涙を浮かべながら笑う柚奈に、
昔の面影を感じながら成長も感じ、
嬉しい反面、少し寂しさも感じた。