憧れと妬みは紙一重
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「柚奈ね、お兄ちゃんが大好き!」
小さな私がそう言ってお兄ちゃんに飛び付く。
「そうか、ありがとう」
そう言って優しく頭を撫でてくれるお兄ちゃん。
…ああ、懐かしい。
まだ妬みや僻みもない、純粋にお兄ちゃんを好きだった私だ。
夢、かな?
うん、夢だ。
だって、今の私はこんな風に素直にお兄ちゃんに甘えるなんて出来ないしそれに私、何でか小さいし。
ちょっと複雑だけど懐かしくて少し、心が痛む。
もう少し、
もう少し、
このまま……
ピピピピピ…
枕元で無情にも鳴り響くスマホのアラーム。
ゴソゴソと布団から腕を伸ばし薄く目を開けてアラームを止める。
…いい夢、だったのかな?
「夢にまで出てくるとか…」
ポツリと呟いて頭を抱える。
離れて暮らしているのに、お兄ちゃんは今でも私の大部分を占めてるみたいだ。
「気にいらない」
そう呟いて、一気に布団を剥ぎ取りベッドから降りる。
顔を洗って制服に着替えると少し気持ちが落ち着いた。
そのままリビングに入ると、テーブルには既に朝食が用意されている。
「おはよう、お母さん」
「あら、おはよう。
今日は早いのね?」
エプロンを外しながらそう言ってお母さんもテーブルにつく。
「今日、日直なんだよね」
他愛ない話を少ししながら朝食を食べていく。
お兄ちゃんが寮に入ってから家は私とお母さん、それにお祖父ちゃんとお祖母ちゃんの4人暮らしになった。
お祖父ちゃん達は朝が早すぎて一緒に食べないから、必然的にお母さんと私のふたりになる。
「若利のとこ、インターハイ出場決まったし、全国大会は柚奈も応援にいく?」
朝からまたお兄ちゃんの話か…。
お兄ちゃんの話をする時のお母さんはいつもにこにこと嬉しそうに笑っている。
そりゃそうだ、何て言ったって自慢の息子だ。
「私はいいよ」
「そう?でも柚奈、若利の全国大会一度も見に行ってないじゃない?
今はもう他校のバレー部のマネージャーもしてないし、誰にも気兼ねせずに若利の応援出来るんだから…」
「ごちそうさま!」
お母さんの言葉を遮って私はそう叫んで席を立つ。
…いかないよ、
お兄ちゃんの応援なんて。
だってまた、
比べられる。
お兄ちゃんはあんなに凄いのに、
妹は…
って。
同情と蔑みを半分ずつ顔に滲ませながら、
可哀想って思われるなんて、
ごめんだ。
小さな私がそう言ってお兄ちゃんに飛び付く。
「そうか、ありがとう」
そう言って優しく頭を撫でてくれるお兄ちゃん。
…ああ、懐かしい。
まだ妬みや僻みもない、純粋にお兄ちゃんを好きだった私だ。
夢、かな?
うん、夢だ。
だって、今の私はこんな風に素直にお兄ちゃんに甘えるなんて出来ないしそれに私、何でか小さいし。
ちょっと複雑だけど懐かしくて少し、心が痛む。
もう少し、
もう少し、
このまま……
ピピピピピ…
枕元で無情にも鳴り響くスマホのアラーム。
ゴソゴソと布団から腕を伸ばし薄く目を開けてアラームを止める。
…いい夢、だったのかな?
「夢にまで出てくるとか…」
ポツリと呟いて頭を抱える。
離れて暮らしているのに、お兄ちゃんは今でも私の大部分を占めてるみたいだ。
「気にいらない」
そう呟いて、一気に布団を剥ぎ取りベッドから降りる。
顔を洗って制服に着替えると少し気持ちが落ち着いた。
そのままリビングに入ると、テーブルには既に朝食が用意されている。
「おはよう、お母さん」
「あら、おはよう。
今日は早いのね?」
エプロンを外しながらそう言ってお母さんもテーブルにつく。
「今日、日直なんだよね」
他愛ない話を少ししながら朝食を食べていく。
お兄ちゃんが寮に入ってから家は私とお母さん、それにお祖父ちゃんとお祖母ちゃんの4人暮らしになった。
お祖父ちゃん達は朝が早すぎて一緒に食べないから、必然的にお母さんと私のふたりになる。
「若利のとこ、インターハイ出場決まったし、全国大会は柚奈も応援にいく?」
朝からまたお兄ちゃんの話か…。
お兄ちゃんの話をする時のお母さんはいつもにこにこと嬉しそうに笑っている。
そりゃそうだ、何て言ったって自慢の息子だ。
「私はいいよ」
「そう?でも柚奈、若利の全国大会一度も見に行ってないじゃない?
今はもう他校のバレー部のマネージャーもしてないし、誰にも気兼ねせずに若利の応援出来るんだから…」
「ごちそうさま!」
お母さんの言葉を遮って私はそう叫んで席を立つ。
…いかないよ、
お兄ちゃんの応援なんて。
だってまた、
比べられる。
お兄ちゃんはあんなに凄いのに、
妹は…
って。
同情と蔑みを半分ずつ顔に滲ませながら、
可哀想って思われるなんて、
ごめんだ。