大好きだった人
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月島視点
国見が柚奈に会いたいと言っている、
そう聞いた瞬間、昨日国見に言われた事を思い出した。
(柚奈は渡さないから)
そう、僕にはっきりと言った国見。
そして国見の事があるから僕の気持ちにはすぐに答えられない柚奈。
…心配や不安がない訳がない。
ふたりはどんな話をするのか、
もし、国見の気持ちを柚奈が受け入れたら?
不安でたまらない。
こんなの、僕らしくない。
たったひとりの女の子の気持ちに、行動に、こんなにも不安でたまらなくて、
いってほしくない、なんて思うなんて。
「…ごめん、蛍。
私、英とちゃんと話さなきゃ…」
そんな僕の気持ちを知ってか柚奈は凄く申し訳なさそうに僕に謝ってきた。
その表情は、苦しそうでもあって。
いかないでほしい、
そんなひと言をぐっと飲み込む。
何度も謝る柚奈に、笑って大丈夫だから早くいきなよ、何て物分り良く大人の振りをして送り出す。
だけど、所詮ただの子ども。
柚奈が去った後に激しい不安と後悔が僕を襲う。
ちゃんと国見と話して決着をつけなきゃいけない事は分かってる。
じゃなきゃ僕だっていつまでもこのまま柚奈に片思いを続けるだけ。
そんな事分かってるのに、僕の中には黒いモヤモヤがたまっていく。
今ごろふたりはどんな話をしてる?
昨日みたいに国見が柚奈に触れたりしてない?
…醜い嫉妬ばかりだ。
気になって気になって仕方がない。
真っ直ぐ家に帰る気にもなれず本屋に寄ってみたけれど、本の内容なんてこれっぽっちも入ってこない。
時計を見ると柚奈と別れて1時間が過ぎていた。
…そろそろ話は終わったかな、
なんて思って僕はスマホを鞄から取り出す。
電話をするけれど柚奈は出ない。
鳴り続けるコール音に若干の焦り。
もしかして、国見とよりを戻すんじゃ…、
そう思ってしまうと居ても立ってもいられず、僕は柚奈の家へ向かう。
「ねぇ、英…」
後少しで柚奈の家という場所で不意に聞こえた柚奈の声。
その声のした方を振り向くと国見と目が合った。
その瞬間、国見が柚奈の腕を引き、
柚奈にキスをした。
頭を鈍器で殴られた様な感じって本当にあるんだ、なんて妙に冷静に思う自分がいた。
その場から動けずにふたりから目が離せずにいる。
あまりにも衝撃的で、あまりにもショックで、思考が停止したみたいだ。
「やめて!!」
そんな僕の耳に響いた柚奈の声。
その声は凄く悲痛な叫びに聞こえて。
そんな柚奈の声に我に返った僕はふたりの元へと走った。
「何やってんだよ!!」
さっきまでの妙に冷静でいられた自分はいなくて、僕は国見の襟を掴んで叫んでいた。
「蛍…!?」
驚いた様に僕の名前を呼ぶ柚奈を見ると、
柚奈は泣いていた。
そんな柚奈を見て、今まで感じた事のない程の怒りが国見に対して込み上がってくるのが分かった。
「何って、キスだけど?」
僕とは反対に冷静にそう返してくる国見に苛立ちが隠せない。
「俺はまだ柚奈の事好きだし、昨日も言ったよね?
柚奈は渡さないって」
そう言ってくる国見は僕に対して敵意剥き出しで。
やっぱり柚奈をひとりで国見のとこになんていかせるんじゃなかった、何て今更激しく後悔する。
「お前、今はもう柚奈の彼氏でも何でもないだろ!」
「だから?ってか月島こそ柚奈の彼氏でも何でもないじゃん。
それに柚奈とキスするの、はじめてじゃないし」
今日二度目の激しい衝撃が頭を直撃する。
そりゃ付き合ってたふたりだ、キス位してても不思議じゃない。
それでもそれを改めて聞かされるとショックを隠せない。
「やめてよ、英…!」
絞り出す様な声でそう言った柚奈。
涙でぐしゃぐしゃに濡れた顔が柚奈の悲しみや苦しさを表している様で僕は国見の襟から手を離して柚奈の顔に流れる涙を持っていたタオルで拭う。
「大丈夫だから、落ち着いて…」
何が大丈夫なのか僕も分からないけれど、嗚咽交じりに泣いている柚奈を安心させたくてそう言っていた。
そんな僕に柚奈は驚いた顔をして、
小さな声でポツリと、
「…ごめんね、蛍」
そう言ってタオルで顔を覆った。
国見が柚奈に会いたいと言っている、
そう聞いた瞬間、昨日国見に言われた事を思い出した。
(柚奈は渡さないから)
そう、僕にはっきりと言った国見。
そして国見の事があるから僕の気持ちにはすぐに答えられない柚奈。
…心配や不安がない訳がない。
ふたりはどんな話をするのか、
もし、国見の気持ちを柚奈が受け入れたら?
不安でたまらない。
こんなの、僕らしくない。
たったひとりの女の子の気持ちに、行動に、こんなにも不安でたまらなくて、
いってほしくない、なんて思うなんて。
「…ごめん、蛍。
私、英とちゃんと話さなきゃ…」
そんな僕の気持ちを知ってか柚奈は凄く申し訳なさそうに僕に謝ってきた。
その表情は、苦しそうでもあって。
いかないでほしい、
そんなひと言をぐっと飲み込む。
何度も謝る柚奈に、笑って大丈夫だから早くいきなよ、何て物分り良く大人の振りをして送り出す。
だけど、所詮ただの子ども。
柚奈が去った後に激しい不安と後悔が僕を襲う。
ちゃんと国見と話して決着をつけなきゃいけない事は分かってる。
じゃなきゃ僕だっていつまでもこのまま柚奈に片思いを続けるだけ。
そんな事分かってるのに、僕の中には黒いモヤモヤがたまっていく。
今ごろふたりはどんな話をしてる?
昨日みたいに国見が柚奈に触れたりしてない?
…醜い嫉妬ばかりだ。
気になって気になって仕方がない。
真っ直ぐ家に帰る気にもなれず本屋に寄ってみたけれど、本の内容なんてこれっぽっちも入ってこない。
時計を見ると柚奈と別れて1時間が過ぎていた。
…そろそろ話は終わったかな、
なんて思って僕はスマホを鞄から取り出す。
電話をするけれど柚奈は出ない。
鳴り続けるコール音に若干の焦り。
もしかして、国見とよりを戻すんじゃ…、
そう思ってしまうと居ても立ってもいられず、僕は柚奈の家へ向かう。
「ねぇ、英…」
後少しで柚奈の家という場所で不意に聞こえた柚奈の声。
その声のした方を振り向くと国見と目が合った。
その瞬間、国見が柚奈の腕を引き、
柚奈にキスをした。
頭を鈍器で殴られた様な感じって本当にあるんだ、なんて妙に冷静に思う自分がいた。
その場から動けずにふたりから目が離せずにいる。
あまりにも衝撃的で、あまりにもショックで、思考が停止したみたいだ。
「やめて!!」
そんな僕の耳に響いた柚奈の声。
その声は凄く悲痛な叫びに聞こえて。
そんな柚奈の声に我に返った僕はふたりの元へと走った。
「何やってんだよ!!」
さっきまでの妙に冷静でいられた自分はいなくて、僕は国見の襟を掴んで叫んでいた。
「蛍…!?」
驚いた様に僕の名前を呼ぶ柚奈を見ると、
柚奈は泣いていた。
そんな柚奈を見て、今まで感じた事のない程の怒りが国見に対して込み上がってくるのが分かった。
「何って、キスだけど?」
僕とは反対に冷静にそう返してくる国見に苛立ちが隠せない。
「俺はまだ柚奈の事好きだし、昨日も言ったよね?
柚奈は渡さないって」
そう言ってくる国見は僕に対して敵意剥き出しで。
やっぱり柚奈をひとりで国見のとこになんていかせるんじゃなかった、何て今更激しく後悔する。
「お前、今はもう柚奈の彼氏でも何でもないだろ!」
「だから?ってか月島こそ柚奈の彼氏でも何でもないじゃん。
それに柚奈とキスするの、はじめてじゃないし」
今日二度目の激しい衝撃が頭を直撃する。
そりゃ付き合ってたふたりだ、キス位してても不思議じゃない。
それでもそれを改めて聞かされるとショックを隠せない。
「やめてよ、英…!」
絞り出す様な声でそう言った柚奈。
涙でぐしゃぐしゃに濡れた顔が柚奈の悲しみや苦しさを表している様で僕は国見の襟から手を離して柚奈の顔に流れる涙を持っていたタオルで拭う。
「大丈夫だから、落ち着いて…」
何が大丈夫なのか僕も分からないけれど、嗚咽交じりに泣いている柚奈を安心させたくてそう言っていた。
そんな僕に柚奈は驚いた顔をして、
小さな声でポツリと、
「…ごめんね、蛍」
そう言ってタオルで顔を覆った。