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「…好きだよ、柚奈の事」
そう、蛍から伝えられた瞬間ドクンと大きく心臓が高鳴ったのが分かった。
「いつからとかそんなの分からないけど、気づいたら好きになってた。
…だから正直、国見に嫉妬した」
…蛍の声から緊張が伝わる。
それと同じ位に本当に私を想ってくれているのも分かった。
「取られたくないって思った、柚奈の事。柚奈の隣は僕がいい」
お兄ちゃんに対するコンプレックスで自分の事さえ好きになれていなかった私を、蛍は好きだと言ってくれる。
そんな蛍の気持ちが、凄く嬉しい。
だけど…
「…蛍、私……」
何て言ったらいいんだろう。
ちゃんと言わなきゃ、言葉にして伝えなきゃ、
そう思うのに、上手く言葉に出てこない。
だって、私はまだ…
「…今はまだ返事はいいよ」
「…え?」
「柚奈が今は僕の事考える余裕がないのは分かってる。
だけど、ただ知っててほしかった。
僕が柚奈を好きだって事」
「蛍…」
私を抱きしめる蛍の腕の力が緩くなる。
蛍の顔を見ると、今まで見た事ない位に優しい顔で私を見てくれていて、
胸の奥が痛くなった。
「好きだよ、柚奈の事。
泣いても怒っても。
笑った顔も、全部」
もう一度、今度は目を見てそう言ってくれた。
「…ありがとう、蛍。
蛍の気持ち、凄く、凄く嬉しい」
「…うん」
「…正直、このまま蛍に甘えたら幸せなんだと思う。
だけど私…、
まだ英の事、どこかで考えちゃってるから…」
「…うん」
「…だから、こんな気持ちのままじゃまだ蛍の気持ちに答えられない。
だけど、ちゃんと考えたい。
蛍の事」
「…うん、それが聞けただけで嬉しい」
そう言って蛍は笑ってくれたけど、
少し悲しそうで、また胸が痛んだ。
「…国見とは中学の時につきあってたの?」
「…うん、中学の3年間ずっと同じクラスで部活も一緒で…」
「影山は知ってるの?」
「ううん、チームメイトに変に気を使わせちゃいけないからバレー部の皆にはバレない様にしてたし、影山は知らないと思う」
「そっか。
…ありがとう、話してくれて」
そう話して蛍はゆっくり立ち上がる。
「そろそろ帰ろうか」
そう言って蛍は私の前に手を差し出す。
「…これ位は良くない?」
少し照れた様な顔でそう言う蛍。
「…うん!」
蛍の手を取り、ふたりで歩く。
繋いだ手から蛍の優しさが伝わってきて、
私は泣きたくなった。
蛍の気持ちにすぐに答えられない私に泣く権利なんてないのに。
だけど、ふと見上げた蛍の顔があまりに優しくて、
泣きたい位に苦しくて、
私は必死に涙を耐えた。
そう、蛍から伝えられた瞬間ドクンと大きく心臓が高鳴ったのが分かった。
「いつからとかそんなの分からないけど、気づいたら好きになってた。
…だから正直、国見に嫉妬した」
…蛍の声から緊張が伝わる。
それと同じ位に本当に私を想ってくれているのも分かった。
「取られたくないって思った、柚奈の事。柚奈の隣は僕がいい」
お兄ちゃんに対するコンプレックスで自分の事さえ好きになれていなかった私を、蛍は好きだと言ってくれる。
そんな蛍の気持ちが、凄く嬉しい。
だけど…
「…蛍、私……」
何て言ったらいいんだろう。
ちゃんと言わなきゃ、言葉にして伝えなきゃ、
そう思うのに、上手く言葉に出てこない。
だって、私はまだ…
「…今はまだ返事はいいよ」
「…え?」
「柚奈が今は僕の事考える余裕がないのは分かってる。
だけど、ただ知っててほしかった。
僕が柚奈を好きだって事」
「蛍…」
私を抱きしめる蛍の腕の力が緩くなる。
蛍の顔を見ると、今まで見た事ない位に優しい顔で私を見てくれていて、
胸の奥が痛くなった。
「好きだよ、柚奈の事。
泣いても怒っても。
笑った顔も、全部」
もう一度、今度は目を見てそう言ってくれた。
「…ありがとう、蛍。
蛍の気持ち、凄く、凄く嬉しい」
「…うん」
「…正直、このまま蛍に甘えたら幸せなんだと思う。
だけど私…、
まだ英の事、どこかで考えちゃってるから…」
「…うん」
「…だから、こんな気持ちのままじゃまだ蛍の気持ちに答えられない。
だけど、ちゃんと考えたい。
蛍の事」
「…うん、それが聞けただけで嬉しい」
そう言って蛍は笑ってくれたけど、
少し悲しそうで、また胸が痛んだ。
「…国見とは中学の時につきあってたの?」
「…うん、中学の3年間ずっと同じクラスで部活も一緒で…」
「影山は知ってるの?」
「ううん、チームメイトに変に気を使わせちゃいけないからバレー部の皆にはバレない様にしてたし、影山は知らないと思う」
「そっか。
…ありがとう、話してくれて」
そう話して蛍はゆっくり立ち上がる。
「そろそろ帰ろうか」
そう言って蛍は私の前に手を差し出す。
「…これ位は良くない?」
少し照れた様な顔でそう言う蛍。
「…うん!」
蛍の手を取り、ふたりで歩く。
繋いだ手から蛍の優しさが伝わってきて、
私は泣きたくなった。
蛍の気持ちにすぐに答えられない私に泣く権利なんてないのに。
だけど、ふと見上げた蛍の顔があまりに優しくて、
泣きたい位に苦しくて、
私は必死に涙を耐えた。