バレーと君と
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「いらっしゃいませ」
ドアを開けるとカランカランと懐かしくてどこか心地良いベルの音、
その後に続く人の良さそうな店員さんのいらっしゃいませ、という暖かい声。
ゆっくり話を聞きたいからと、蛍は帰り道にあるカフェへ私を連れてきてくれた。
カフェというよりは、昔ながらの喫茶店という感じでレトロで懐かしい店内。
「映えとかないかもだけど、ここコーヒーはもちろんケーキも美味しいよ」
「あはは!蛍から映えとか出るとか!」
意外な言葉に思わず笑ってしまった私を、蛍はどこか安心した様な顔で見てくる。
「…良かった、笑ってくれて」
「え…?」
「試合中コーチ達と話してる柚奈、何か少し辛そうに見えたから」
!!
私、そんな顔してたんだ。
(「北川第一のみんなにだって信頼はありました」)
あの時思わず出た言葉。
どんな表情をしてその言葉を言っていたのか自分では分からないけど、
…そっか、
そんな顔する程に私は北川第一中バレー部のみんなを、
影山を、金田一を、
英を
今でも大切に思っているんだ。
そして、今だに前に向いて進めずに立ち止まっている自分が
情けなくて。
「…自分がちょっと嫌になっちゃったなー、みたいな」
「どうして?」
軽くネタみたいに笑いながら話す私に、
蛍は真剣な顔で真っ直ぐに私を見てそう聞いてきた。
「柚奈が話したくないなら無理に話さなくていいんだけど、柚奈って本当に話したくない事なら、そんな風に笑ってネタみたいに話さないでしょ?」
蛍の言葉に心臓が大きく脈を打つ。
「蛍って何でも分かるの、何で…?」
「…別に誰の事でも分かる訳じゃないし何でも分かる訳じゃないよ。
ただ柚奈が何かに悩んでるなら話を聞きたいと思うし、それで何か力になれるならなりたいって思うだけ」
「…サラッとかっこいい事言ってくれるよね、ホント、優しいんだから」
そう話す私の言葉は少し、震えてた。
優しさがこんなにもダイレクトにきたの、久しぶりだ。
油断すると、泣いちゃいそうだ。
「…自分でも分かんないんだけど…」
ぽつりぽつり、言葉が口から溢れていく。
小学生までバレーをしてた事、
だけどお兄ちゃんと比べられるのに耐えられなくて選手としてのバレーは辞めた事、
中学からマネージャーを始めた事、
マネージャー自体は大変だけどそれ以上に凄く楽しくてやりがいがあった事、
影山とみんなをちゃんとフォローして支えられなかった後悔が今でもある事、
そして、
お兄ちゃんへの憧れ、
僻み、妬みも、
全部、全部話してた。
今まで誰にも話せなかった
お兄ちゃんに対する醜い感情も、
全部。
ドアを開けるとカランカランと懐かしくてどこか心地良いベルの音、
その後に続く人の良さそうな店員さんのいらっしゃいませ、という暖かい声。
ゆっくり話を聞きたいからと、蛍は帰り道にあるカフェへ私を連れてきてくれた。
カフェというよりは、昔ながらの喫茶店という感じでレトロで懐かしい店内。
「映えとかないかもだけど、ここコーヒーはもちろんケーキも美味しいよ」
「あはは!蛍から映えとか出るとか!」
意外な言葉に思わず笑ってしまった私を、蛍はどこか安心した様な顔で見てくる。
「…良かった、笑ってくれて」
「え…?」
「試合中コーチ達と話してる柚奈、何か少し辛そうに見えたから」
!!
私、そんな顔してたんだ。
(「北川第一のみんなにだって信頼はありました」)
あの時思わず出た言葉。
どんな表情をしてその言葉を言っていたのか自分では分からないけど、
…そっか、
そんな顔する程に私は北川第一中バレー部のみんなを、
影山を、金田一を、
英を
今でも大切に思っているんだ。
そして、今だに前に向いて進めずに立ち止まっている自分が
情けなくて。
「…自分がちょっと嫌になっちゃったなー、みたいな」
「どうして?」
軽くネタみたいに笑いながら話す私に、
蛍は真剣な顔で真っ直ぐに私を見てそう聞いてきた。
「柚奈が話したくないなら無理に話さなくていいんだけど、柚奈って本当に話したくない事なら、そんな風に笑ってネタみたいに話さないでしょ?」
蛍の言葉に心臓が大きく脈を打つ。
「蛍って何でも分かるの、何で…?」
「…別に誰の事でも分かる訳じゃないし何でも分かる訳じゃないよ。
ただ柚奈が何かに悩んでるなら話を聞きたいと思うし、それで何か力になれるならなりたいって思うだけ」
「…サラッとかっこいい事言ってくれるよね、ホント、優しいんだから」
そう話す私の言葉は少し、震えてた。
優しさがこんなにもダイレクトにきたの、久しぶりだ。
油断すると、泣いちゃいそうだ。
「…自分でも分かんないんだけど…」
ぽつりぽつり、言葉が口から溢れていく。
小学生までバレーをしてた事、
だけどお兄ちゃんと比べられるのに耐えられなくて選手としてのバレーは辞めた事、
中学からマネージャーを始めた事、
マネージャー自体は大変だけどそれ以上に凄く楽しくてやりがいがあった事、
影山とみんなをちゃんとフォローして支えられなかった後悔が今でもある事、
そして、
お兄ちゃんへの憧れ、
僻み、妬みも、
全部、全部話してた。
今まで誰にも話せなかった
お兄ちゃんに対する醜い感情も、
全部。