夢現のよる

 イブの夜、二人はひと月ぶりにベッドを共にした。
 捜査に追われ飛ぶように過ぎる日々だが、その割に溜まるものは溜まっていて。すきな男にそれを貪り食われて発散しまくるのは、快感極まりないのだが――

「お前のやり方は……最悪だった」

「エッ?すいません。じゃあもう一回ヤルのであなたの好きなやり方教えてください」

 少し渇望が落ち着いたところで始めた説教も、性欲有り余る年下男にはまるで歯が立たない。

「お……いっ、待て……っ」

「待たなくても大丈夫です。もう完全復活してますんで」

「ちがっ……あっ……」

 大きな身体の重みが薪を押し潰しながら、熱を帯び不埒に響く重い水音が身体じゅうを這う。そしてナカを抉じ開け侵食しながら、きもちよくぜんぶを蕩かしていく。

「っ、第……九の……現場はどこだ……」

「MRI……捜査室?」

「……そう……だっ、囮なんか……ッ、ここをっ、やめてからっ、やれっ……アッ……あんッ……」

 お仕置き、という口実で部屋に呼んだのに。抗えない欲望に流され、肌の内も外も青木でいっぱいに満たすのを何より優先してしまう自分の愚かさが嘆かわしい。


「彼女のことはもういいのか?」

「は?今さら誰のことを」

「惚れたり……したんじゃ……」

「まさか、あなたにこんなに夢中なのに」

 体内でまたイキオイを取り戻しているソレが動かぬ証拠。
 「薪さんにしかそういう反応しない」という青木の言葉が真実ならば……いやコイツは馬鹿だが嘘はつかない。
 そしていつも真正面から抱きすくめ、誰も届かない薪の奥を突いてくるのだ。

「雪子さんの存在が特別なのは……薪さんの方じゃないんですか?」

 そうかもしれない。
 鈴木という大きな存在を失くした者同士。
だからこそ雪子の喪失を青木で埋められるのなら、青木を彼女に渡しても良いと思った……?本当に?
 そんな事できるはずないと、知ってたくせに。

 青木は鈴木じゃないことだって、そんなことはじめから知っている。
 カラダがこんな反応するのもアオキだから。
 それは思いの深さじゃなく、種類の違いであることも。


 繋がったまま気づけば再開している性交……もう何度目だろう。

「あ……おき……」

「何ですか?」

「びーえる、って何だ?」

「……え、今それ聞きます?」

 青木の照れたような困った声が何故だか艶めかしく繋がる体内に響いて、キュンとした薪は甘い悲鳴をあげた。
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