俺とあなたの5.5日間
4 - M - 3
なぜ、青木を遠ざけられない?
アイツは何度ダメだと言い聞かせても毎晩ベッドに飛び乗ろうとした昔の飼い犬みたいだ。そしてその手は優しく温めてくれた父の手にも似てる。
そうやって僕の記憶を甘かしたり擽ったりしながら、中身を抉じ開けてくるから、ほんとうに性質 が悪い。
隣にいるだけでいつも、はち切れんばかりの嬉しさを全身で伝えてくる大男が可愛い。
僕の不機嫌に心底消沈し、なんとか機嫌をとろうと必死になり、表情が綻ぶと嬉しそうに小躍りする姿に、つい笑顔にされてしまう。
これ以上ない愛しさを込めて握ってくる手を、振り切れなくて寄り添った時点で、気持ちは融解を始めていたのかもしれない。
カラダはもっと顕著だった。
自宅というプライベート空間に踏み込んだ途端に、解 けてしまってた。
それでも、こんなに綺麗な人間を堕落させるに忍びない。
悪ぶって突き放そうとした挙げ句、欲しかった男のカラダだけをこの目に焼き付けたい一心で、裸になれと拙い命令を下す。
聞き入れる義理はない壮大なパワハラ。
なのに何の疑いもなく眼前にさらけ出す純真な若い男の肉体が眩しくて僕は目を細めた。
「脱げない」と音をあげた“最後の一枚”を、代わりに剥がす手の震えが止まらない。
すでにその行為の中毒性に抗うことができなくなっている僕は、熱を滾らせた固い竿を握り、うっとりと先端を口に含む。
「ウッ……」
硬直する青木とアオキ。欲情の匂いと雄の苦味を舌先で味わいながら、僕は有り余る質量で自分の口を塞いでいく。
「こういうこと……決まったお相手と……されてたんですか?」
くだらない問いかけを無視して、裏筋に舌を絡めながら吸い上げ、首を横に振りながら唇で先端のカタチをなぞる。と、大腿筋がビクリと動いて口内の質量と熱がさらに増幅する。
「……名前や顔を覚えてたり……します?」
上擦る声で語られるどうでもいい話を遮るように、僕は激しく首を左右に振りながら、きつく絡めた口唇でアオキを吸い上げ夢中で舌を這わせた。
もういい。
うるさい。
なぜ分からない?
僕が欲しいのは、はじめからお前一人だけなのに――
大きな両手に頬を包まれて結合を解かれた口から本心が零れ落ちた。が、頭の中が真っ白にとろけた僕自身、どんな言葉を放ったのか定かじゃない。
ただ僕の中で何かが崩れた自覚だけはあった。
「あぁん、っ……」
極まった雌みたいな自分の声に驚いて我に返ると、大好物のご褒美を与えられた犬のように上機嫌な青木の渾身のキスで、全身を舐め回されてるところだった。
「よせ……っ、も……はやくっ」
「はやく……何ですか?」
早くも“弱味”を嗅ぎ当てた青木の指先や舌が僕を撫で回し、次々と快感を掘り起こしてくる。
淫らな蜜に溢れる性器が青木の手の内で湿った音を奏で、ぐずぐずに崩された内側を長い指がゆっくり蠢く感覚だけが僕のほとんどを占めていた。
「な……ん、でもない……」
続きを急かす気持ちも、胸元から唇を離して見上げてくる可愛い男の甘ったるい視線に一気に萎える。
先のことなんてどうでもいい。怒涛の愛撫の中に身を投じ、とことん好きにさせてやりたくなって、全身の力を抜いた。
「あ、メガネが曇る……」
僕のカラダから紡がれる淫らな音と零れる湿った喘ぎで充満するベッドサイドのテーブル。
脱いだ衣服の上に長い腕が伸びて、メガネが捨て置かれる。
自らの動作を視線で追う青木の顔に、僕は愛しげに震える手を伸ばした。
「まきさん……」
伸ばした手がキスに捕獲され、腕や肩、首をなぞりながら紅潮した青木の顔が近づいてきて、唇が重なる。
「ん……っ」
甘いのに塩っぱい唇。
しかもボタボタと温い液体が僕の顔に落ちてくる。
「おまえ……」
「スミマセン……涙……とまらなくて」
「なぜ……泣く?」
自分の顔が濡れるのも構わず、僕は青木の顔を撫で回す。
「わかりません。嬉しいような悔しいような……とにかくあなたのことが好きで……すきで……」
顔を濡らすのが青木の涙なのか自分のなのかさえ区別がつかなくなっている。
「俺を思っててくれてたことは嬉しいです……けどもう他の奴に触れさせるなんて絶対無理……」
「っ、そんなこと……」
“当たり前だ。僕だってお前しか要らない” と喉元まで出かかってた本心は、性急な青木の手に身体を裏返されたせいで呑み込まざるをえない。
お前がいつまでも一方通行な原因は、こういう突飛で堪え性が無いとこだぞ!
心でそう舌打ちしながらも、巻き込まれ溶けてていく。
すきです、すきなんです……と熱に浮かされたうわ言のように呟く唇が、肩先から肩甲骨をなぞり、背中じゅうに、所有の烙印みたいなキスをたくさん降らせてくる。
ぞくぞく震える腰回り撫で下りてくるにつれ、腹ばいを支える僕の脚がくずれた。
それでも容赦なくつづく青木の熱い口唇の愛撫は、潤んだ窄まりの内側をいやらしく這い回るのをやめない。
「あ青木……ッ……でる……っ、止め……」
思わず絞り出した叫びに反射的に応える大きな手が、僕の股間に回り込んで吐精寸前の僕の鈴口を押さえて掴む。
勢い余って覆い被さる身体は、そのままのめり込むように荒ぶる屹立でもって僕のナカを圧し拓いていく。
「ぁ……いィ……っ……」
「痛い……ですか?」
「ぃ……たくない……っ……」
極まった射精感が一気に後ろの快楽に拐われる。
さっきまでのとろかすような、涙ながらの甘い前戯はあっさり幕を引き、とびきり優しく解されていた後ろの口は、膨大な質量と熱量を捩じ込まれ、淫らな音をたてて前後に擦られながら、とてつもない歓びとともに奥まで貫かれていく。
「あっ……ぁっ………ぁお……きっ……」
「まきさん……っ、まきさん……」
青臭く、余裕ない、雄み丸出しの交わりに溺れて我を失う僕の耳元で、青木が荒い息で懇願した。
「これからは……俺だけにしてください……」と。
なぜ、青木を遠ざけられない?
アイツは何度ダメだと言い聞かせても毎晩ベッドに飛び乗ろうとした昔の飼い犬みたいだ。そしてその手は優しく温めてくれた父の手にも似てる。
そうやって僕の記憶を甘かしたり擽ったりしながら、中身を抉じ開けてくるから、ほんとうに
隣にいるだけでいつも、はち切れんばかりの嬉しさを全身で伝えてくる大男が可愛い。
僕の不機嫌に心底消沈し、なんとか機嫌をとろうと必死になり、表情が綻ぶと嬉しそうに小躍りする姿に、つい笑顔にされてしまう。
これ以上ない愛しさを込めて握ってくる手を、振り切れなくて寄り添った時点で、気持ちは融解を始めていたのかもしれない。
カラダはもっと顕著だった。
自宅というプライベート空間に踏み込んだ途端に、
それでも、こんなに綺麗な人間を堕落させるに忍びない。
悪ぶって突き放そうとした挙げ句、欲しかった男のカラダだけをこの目に焼き付けたい一心で、裸になれと拙い命令を下す。
聞き入れる義理はない壮大なパワハラ。
なのに何の疑いもなく眼前にさらけ出す純真な若い男の肉体が眩しくて僕は目を細めた。
「脱げない」と音をあげた“最後の一枚”を、代わりに剥がす手の震えが止まらない。
すでにその行為の中毒性に抗うことができなくなっている僕は、熱を滾らせた固い竿を握り、うっとりと先端を口に含む。
「ウッ……」
硬直する青木とアオキ。欲情の匂いと雄の苦味を舌先で味わいながら、僕は有り余る質量で自分の口を塞いでいく。
「こういうこと……決まったお相手と……されてたんですか?」
くだらない問いかけを無視して、裏筋に舌を絡めながら吸い上げ、首を横に振りながら唇で先端のカタチをなぞる。と、大腿筋がビクリと動いて口内の質量と熱がさらに増幅する。
「……名前や顔を覚えてたり……します?」
上擦る声で語られるどうでもいい話を遮るように、僕は激しく首を左右に振りながら、きつく絡めた口唇でアオキを吸い上げ夢中で舌を這わせた。
もういい。
うるさい。
なぜ分からない?
僕が欲しいのは、はじめからお前一人だけなのに――
大きな両手に頬を包まれて結合を解かれた口から本心が零れ落ちた。が、頭の中が真っ白にとろけた僕自身、どんな言葉を放ったのか定かじゃない。
ただ僕の中で何かが崩れた自覚だけはあった。
「あぁん、っ……」
極まった雌みたいな自分の声に驚いて我に返ると、大好物のご褒美を与えられた犬のように上機嫌な青木の渾身のキスで、全身を舐め回されてるところだった。
「よせ……っ、も……はやくっ」
「はやく……何ですか?」
早くも“弱味”を嗅ぎ当てた青木の指先や舌が僕を撫で回し、次々と快感を掘り起こしてくる。
淫らな蜜に溢れる性器が青木の手の内で湿った音を奏で、ぐずぐずに崩された内側を長い指がゆっくり蠢く感覚だけが僕のほとんどを占めていた。
「な……ん、でもない……」
続きを急かす気持ちも、胸元から唇を離して見上げてくる可愛い男の甘ったるい視線に一気に萎える。
先のことなんてどうでもいい。怒涛の愛撫の中に身を投じ、とことん好きにさせてやりたくなって、全身の力を抜いた。
「あ、メガネが曇る……」
僕のカラダから紡がれる淫らな音と零れる湿った喘ぎで充満するベッドサイドのテーブル。
脱いだ衣服の上に長い腕が伸びて、メガネが捨て置かれる。
自らの動作を視線で追う青木の顔に、僕は愛しげに震える手を伸ばした。
「まきさん……」
伸ばした手がキスに捕獲され、腕や肩、首をなぞりながら紅潮した青木の顔が近づいてきて、唇が重なる。
「ん……っ」
甘いのに塩っぱい唇。
しかもボタボタと温い液体が僕の顔に落ちてくる。
「おまえ……」
「スミマセン……涙……とまらなくて」
「なぜ……泣く?」
自分の顔が濡れるのも構わず、僕は青木の顔を撫で回す。
「わかりません。嬉しいような悔しいような……とにかくあなたのことが好きで……すきで……」
顔を濡らすのが青木の涙なのか自分のなのかさえ区別がつかなくなっている。
「俺を思っててくれてたことは嬉しいです……けどもう他の奴に触れさせるなんて絶対無理……」
「っ、そんなこと……」
“当たり前だ。僕だってお前しか要らない” と喉元まで出かかってた本心は、性急な青木の手に身体を裏返されたせいで呑み込まざるをえない。
お前がいつまでも一方通行な原因は、こういう突飛で堪え性が無いとこだぞ!
心でそう舌打ちしながらも、巻き込まれ溶けてていく。
すきです、すきなんです……と熱に浮かされたうわ言のように呟く唇が、肩先から肩甲骨をなぞり、背中じゅうに、所有の烙印みたいなキスをたくさん降らせてくる。
ぞくぞく震える腰回り撫で下りてくるにつれ、腹ばいを支える僕の脚がくずれた。
それでも容赦なくつづく青木の熱い口唇の愛撫は、潤んだ窄まりの内側をいやらしく這い回るのをやめない。
「あ青木……ッ……でる……っ、止め……」
思わず絞り出した叫びに反射的に応える大きな手が、僕の股間に回り込んで吐精寸前の僕の鈴口を押さえて掴む。
勢い余って覆い被さる身体は、そのままのめり込むように荒ぶる屹立でもって僕のナカを圧し拓いていく。
「ぁ……いィ……っ……」
「痛い……ですか?」
「ぃ……たくない……っ……」
極まった射精感が一気に後ろの快楽に拐われる。
さっきまでのとろかすような、涙ながらの甘い前戯はあっさり幕を引き、とびきり優しく解されていた後ろの口は、膨大な質量と熱量を捩じ込まれ、淫らな音をたてて前後に擦られながら、とてつもない歓びとともに奥まで貫かれていく。
「あっ……ぁっ………ぁお……きっ……」
「まきさん……っ、まきさん……」
青臭く、余裕ない、雄み丸出しの交わりに溺れて我を失う僕の耳元で、青木が荒い息で懇願した。
「これからは……俺だけにしてください……」と。