空回りと焦燥
「じゃあ……いいんですね、挿入しても」
リビングの照明の下で、青木は至極真面目で厳かな顔で、向き合う薪へと問いかけた。
あまりにも真っ直ぐな、一点の曇りもない目で見つめられ、薪は羞恥で耳まで真っ赤に染めながらも、小さく顎を引いて頷くしかない。
「ここで……していいですか」
「えっ、ここで……は」
戸惑ってリビングを見渡す薪に、青木はずいっと距離を詰める。
眼鏡のない青木の目は、視界がぼやけているからこそ野性的な凄みを帯び、薪の姿を余さず食い入るように見つめてくる。
「お風呂上がりの薪さんの身体、本当に綺麗です。もっと見たいので……服を脱いでいただけますか」
「ま、待て、青木、せめて寝室に……」
「駄目です。もう一歩も動けません。早くあなたを摂取しないと、俺、今度こそ本当に死ぬかも」
誠実極まりない口調でとんでもない脅し文句を口にしながら迫ってくる部下に、抗う術はない。
大きな手が伸びてきて、薪が身に纏う薄手のストレッチウェアの裾へと滑り込む。
吸い付くような手のひらが脇腹の肌を撫で上げながら、ゆっくりと生地を捲り上げていく。
柔らかな生地が肩から滑り落ちてソファ脇へと脱ぎ捨てられ、照明の光を浴びて、あのムスクとヴァニラが薪自身の匂いと混じる乳白色の肌が完全に露わになった。
「あぁ、やっぱり……たまらない。薪さん、さっきのあの刺激的なポーズ……床の上で、あんなにしなやかな身体で俺を誘って……」
「誘ってなどいない……っ! あれはただのヨガだ!」
「でも俺のため ですよね。今夜は後ろから……いいですか?」
薪の細い腰をガッシリと掴まえ、背後に回り込んだ青木は、そのまま体重をかけてソファの上へと沈み込む。
ふた周り大きな身体が覆い被さる重みと、限界まで猛り狂う青木自身の 圧倒的な存在感に、薪の身体がびくびくと愛おしげに強張った。
「安心してください。俺、この一週間、あなたの身体に一番負担の少ない前戯の順序を、何百パターンもシミュレーションしてきたんです。本当は、特注の超潤滑で低刺激のローションをネットで注文していたんですが……あいにく今日、ここに持ち合わせていなくて」
「お前は本当に、何をそこまで……っ……」
耳元で囁かれながら、青木の手のひらが、薪の腰を撫で下ろし、太ももの内側の柔らかい皮膚を割り開いていく。
そして長い指が、初夜の晩に「狭すぎて」驚愕した薪の最も秘められた場所へと潜り込む。
薪のナカは狭いが想像していたよりもずっと柔らかく、すでに自身の熱だけで十分に潤っていた。
「……あ、青木……っ、そこ、や……あっ」
「薪さん、すごい。特注のローションなんて必要ないくらい柔らかくて……俺を欲しがってくれてる……」
「黙れ……っ、お前が、妙な予習をしてくるから……っ」
優しく解きほぐすように数を増やして挿し込まれた指が、開かれた脚の奥――密かに熱を孕むスイッチを、正確に探り当てていく。
あの日、リビングの床の上で青木の理性を粉々に打ち砕いた、しなやかな開脚のシルエット。
無自覚に晒されていたあの扇情的な肢体は、すれ違い、思い悩んだ日々の『焦燥』が甘く疼き、一番欲しかった衝動を喉元から絞り出させる。
「もう……、いい……からっ、青木、焦らすな。お前の、それ……で、早く……っ」
「っ……! 薪さん、もう手加減できませんからね」
蠢く指が引き抜かれ、背後から強く抱き直される。
待ち望んだその瞬間。
一週間の禁欲を経て凶悪に猛り狂う青木自身 の塊が、薪の熱い入り口を擦りながら、深く沈み込んでいく。
「あ……っ! あぁ、ぁ……っ!!」
初夜と同じ、ナカの粘膜が擦られ圧し拓かれていく途轍もない質量。けれど、今夜はそこに恐怖や苦痛など微塵もない。
お互いのわだかまりが解け、愛情という無敵の確信を得た薪の内側は、青木の凶器をどこまでも貪欲に、絡め取るように熱く切なく食い締めていく。
「あぁ……最高です、薪さん……っ、狭くて、あったかくて、締め付けられて、俺、どうにくなりそう……っ」
「しぬ……っ、本当に、あおき、頭が、お、かしくなる……っ!」
「死なせません。俺が、俺のすべてをかけて、あなたを……幸せにします」
青木の律動にあわせて薪の柔らかな亜麻色の髪が揺れ、大きな瞳に快感の涙が滲む。
体位を変えて正面から向き合った青木は、抽送を一切緩めることなく、その涙を優しく口づけで吸い上げる。
お互いの心を縛り付けていた鎖は、直に結び合う身体の熱で、溶け合ううちに消えていた。
リビングの照明の下で、青木は至極真面目で厳かな顔で、向き合う薪へと問いかけた。
あまりにも真っ直ぐな、一点の曇りもない目で見つめられ、薪は羞恥で耳まで真っ赤に染めながらも、小さく顎を引いて頷くしかない。
「ここで……していいですか」
「えっ、ここで……は」
戸惑ってリビングを見渡す薪に、青木はずいっと距離を詰める。
眼鏡のない青木の目は、視界がぼやけているからこそ野性的な凄みを帯び、薪の姿を余さず食い入るように見つめてくる。
「お風呂上がりの薪さんの身体、本当に綺麗です。もっと見たいので……服を脱いでいただけますか」
「ま、待て、青木、せめて寝室に……」
「駄目です。もう一歩も動けません。早くあなたを摂取しないと、俺、今度こそ本当に死ぬかも」
誠実極まりない口調でとんでもない脅し文句を口にしながら迫ってくる部下に、抗う術はない。
大きな手が伸びてきて、薪が身に纏う薄手のストレッチウェアの裾へと滑り込む。
吸い付くような手のひらが脇腹の肌を撫で上げながら、ゆっくりと生地を捲り上げていく。
柔らかな生地が肩から滑り落ちてソファ脇へと脱ぎ捨てられ、照明の光を浴びて、あのムスクとヴァニラが薪自身の匂いと混じる乳白色の肌が完全に露わになった。
「あぁ、やっぱり……たまらない。薪さん、さっきのあの刺激的なポーズ……床の上で、あんなにしなやかな身体で俺を誘って……」
「誘ってなどいない……っ! あれはただのヨガだ!」
「でも
薪の細い腰をガッシリと掴まえ、背後に回り込んだ青木は、そのまま体重をかけてソファの上へと沈み込む。
ふた周り大きな身体が覆い被さる重みと、限界まで猛り狂う青木
「安心してください。俺、この一週間、あなたの身体に一番負担の少ない前戯の順序を、何百パターンもシミュレーションしてきたんです。本当は、特注の超潤滑で低刺激のローションをネットで注文していたんですが……あいにく今日、ここに持ち合わせていなくて」
「お前は本当に、何をそこまで……っ……」
耳元で囁かれながら、青木の手のひらが、薪の腰を撫で下ろし、太ももの内側の柔らかい皮膚を割り開いていく。
そして長い指が、初夜の晩に「狭すぎて」驚愕した薪の最も秘められた場所へと潜り込む。
薪のナカは狭いが想像していたよりもずっと柔らかく、すでに自身の熱だけで十分に潤っていた。
「……あ、青木……っ、そこ、や……あっ」
「薪さん、すごい。特注のローションなんて必要ないくらい柔らかくて……俺を欲しがってくれてる……」
「黙れ……っ、お前が、妙な予習をしてくるから……っ」
優しく解きほぐすように数を増やして挿し込まれた指が、開かれた脚の奥――密かに熱を孕むスイッチを、正確に探り当てていく。
あの日、リビングの床の上で青木の理性を粉々に打ち砕いた、しなやかな開脚のシルエット。
無自覚に晒されていたあの扇情的な肢体は、すれ違い、思い悩んだ日々の『焦燥』が甘く疼き、一番欲しかった衝動を喉元から絞り出させる。
「もう……、いい……からっ、青木、焦らすな。お前の、それ……で、早く……っ」
「っ……! 薪さん、もう手加減できませんからね」
蠢く指が引き抜かれ、背後から強く抱き直される。
待ち望んだその瞬間。
一週間の禁欲を経て凶悪に猛り狂う青木
「あ……っ! あぁ、ぁ……っ!!」
初夜と同じ、ナカの粘膜が擦られ圧し拓かれていく途轍もない質量。けれど、今夜はそこに恐怖や苦痛など微塵もない。
お互いのわだかまりが解け、愛情という無敵の確信を得た薪の内側は、青木の凶器をどこまでも貪欲に、絡め取るように熱く切なく食い締めていく。
「あぁ……最高です、薪さん……っ、狭くて、あったかくて、締め付けられて、俺、どうにくなりそう……っ」
「しぬ……っ、本当に、あおき、頭が、お、かしくなる……っ!」
「死なせません。俺が、俺のすべてをかけて、あなたを……幸せにします」
青木の律動にあわせて薪の柔らかな亜麻色の髪が揺れ、大きな瞳に快感の涙が滲む。
体位を変えて正面から向き合った青木は、抽送を一切緩めることなく、その涙を優しく口づけで吸い上げる。
お互いの心を縛り付けていた鎖は、直に結び合う身体の熱で、溶け合ううちに消えていた。