2069 青誕 実りのとき

 責務も重く多忙かつ天邪鬼なあの人が、自分より先に帰宅している。
 さらにはベッドで大人しく寝て待っているなんて、付き合いたての頃には想像もできないほど劇的な変化だ。

 こっちもこっちで勝手に鍵を開けて入り、沸かしてあった風呂に浸かって、用意されていたパジャマを迷いなく身につけている。
 まさに勝手知ったる他人……いや恋人の家。
 しかも、起きれなくなるだろう明日に備え、食事の仕込みまでしている、という用意周到ぶりときている。


「いつまでそこで料理しごとを続けるつもりなんだ」

「すみません、今終わらせました」

 “僕をほったらかして”と詰るような拗ねた口調が可愛くて、狂いそうな手元で火を止めた大男の長身が、振り向く前に余裕なく固まった。

 待ちきれない薪が背中にぴたりとくっついて、しなやかな腕が下腹に巻きついてきたからだ。

「そ、そういえば……寝間着を新調いただいてありがとうございます。温かくて、すごく着心地が良く……」

「うん、ほんとだ……きもちいい……」

 心地良さを享受するように薪が頬を擦り寄せてくる。

「そうですね、薪さん」

 堪らなくなった青木は振り返って、薪の身体をすっぽり腕の中に包み込んで撫で回す。

「あっちで……たくさんモフモフしましょう」

 心地いい綿毛布パジャマに包まれた薪の身体が軽々と浮き、発情した年下男に宥めすかされ簡単にベッドへと崩れて落ちる。


 ああ、やっぱり。

 ふわふわのパジャマ生地も肌の直の触れ合いも、おかしくなるほど気持ちいい。

 外側だけじゃなく、内側も、そして奥も。

「……え、、薪さん……これ……」

「っ……お前のためじゃない……」

 だったら誰のため?なんて考えたら瞬時に暴発してしまうから考えないようにして、昂りを挿入していく。
 堪え性のないのはお互い様。
 待ちきれなくて自分で解してしまった薪の体内は、キツいまま解けて、吸い付くように青木をうけいれる。

 結ばれる快楽はすぐさまキャパを超え、もう溢れ出してるくせに、よがってもっとほしがりつづける。

 もう今日と明日は羞恥さえかなぐり捨てて、年の差がひとつ近づきたてほやほやの青木を味わい尽くすつもりだった。

 たまには端から素直に欲しがって、貪欲に受け容れて、卑猥に蕩けたカラダをさらしながら、涙を浮かべ甘い声で啼きつづけたって、バチは当たらないだろう。

 だってこれが、青木の一等欲しがるプレゼントなのだから。
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