「それ、ZIPの代わりに僕がいきたい！」

「えっ？光くん、話きいてた？ZIPは“みならい”で行くんだよ？たぶんまた犬になる。同情してくれるのは嬉しいけど、光くんは自分のことちゃんと考えなくちゃ駄目だよ！」


“みならい”のタマシイを送り出す権限を一任されている平井くんも、その申し出にはさすがに反対した。

それでも僕は引き下がらなかった。


「犬で十分だよ。それでも逢いたい人がいるんだ。お願い平井くん。僕をZIPの代わりに下界に送って！」


そうして僕は、平井くんのしぶしぶの承諾をもらって下界へと送り出された。
僕が天使を降りても候補生は山ほどいるから大丈夫。



ねぇ、青木さん…………そして薪さん。


僕はあなたたちに逢いたくて下界に降ります。

こんな姿だけど、可愛がってね―――