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にぃに、と呼ばないで-前半戦-
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なんなんだ。あの女は。
いや、別に彼女を否定するわけではないのだが・・・。
もう少し警戒というか、慎重にというか、行動を改めてもいいのではというか。
女の子なんだから、男と二人きりのこの状況をもう少し理解すべきだろう。
珍しく苛つきながらオレはフライパンを振っていた。
今の時代、こんなものなのか・・・?
海外に長くいるとそうなるのか・・・?
分からない、オレには未知の世界だ。
そんなこんな考えを巡らせているうちに焼きそばが完成してしまった。
我ながら良くできている。
なんて現実逃避に走っていると
「秀にぃに、まぁだー?」
現実が(いろんな意味で)降りてきた。
「わぁ、出来てるじゃん!美味しそー!いただきます!!」
そそくさと席について焼きそばを食べる姫。
そんな彼女を横目でちらりと見やり、今日何度目か分からないため息を吐いた・・・。
昼食後。
相変わらず姫はオレの部屋のベッドの上を拠点にしていた。
だいぶ、この感じに慣れてきた自分が怖い。
姫は鼻歌交じりに雑誌を読んでいる。
「私ねー」
姫が唐突に口を開いた。
「ん?」
「私ね、海外長いからこっちに友達いないの」
「そうか、それは寂しいな」
「うん。まぁね。」
でも・・・と姫がこちらをちらりと横目で見た。
「秀にぃにみたいなお兄ちゃん出来たから、すっごく嬉しいよ」
姫は、笑っている。
その笑顔が、なんだか胸に刺さった。
海外が長くて、日本に友達も居なくて。
家族とは常に離ればなれ。
まだ15歳の、少女。
そうか。甘えられる相手が、今まで居なかったのか。
突然増えた家族に甘えたかっただけか。
なにかが、オレの中で溶けていくのを感じた。
今まで苛立っていたのはなんだったんだ。
少し考えれば分かったことだ。
彼女の身になって考えなかったオレが悪いな・・・
罪悪感を感じていると
「ところで、晩ご飯はなんだろ?」
相変わらずの笑顔の姫。
「もう晩ご飯の話か?」
そんな姫の姿に、今日初めて笑った気がする。
美味しいものを作ってやるか、なんて無意識に思考を巡らせてしまった、夏の午後。
後半戦につづく…
いや、別に彼女を否定するわけではないのだが・・・。
もう少し警戒というか、慎重にというか、行動を改めてもいいのではというか。
女の子なんだから、男と二人きりのこの状況をもう少し理解すべきだろう。
珍しく苛つきながらオレはフライパンを振っていた。
今の時代、こんなものなのか・・・?
海外に長くいるとそうなるのか・・・?
分からない、オレには未知の世界だ。
そんなこんな考えを巡らせているうちに焼きそばが完成してしまった。
我ながら良くできている。
なんて現実逃避に走っていると
「秀にぃに、まぁだー?」
現実が(いろんな意味で)降りてきた。
「わぁ、出来てるじゃん!美味しそー!いただきます!!」
そそくさと席について焼きそばを食べる姫。
そんな彼女を横目でちらりと見やり、今日何度目か分からないため息を吐いた・・・。
昼食後。
相変わらず姫はオレの部屋のベッドの上を拠点にしていた。
だいぶ、この感じに慣れてきた自分が怖い。
姫は鼻歌交じりに雑誌を読んでいる。
「私ねー」
姫が唐突に口を開いた。
「ん?」
「私ね、海外長いからこっちに友達いないの」
「そうか、それは寂しいな」
「うん。まぁね。」
でも・・・と姫がこちらをちらりと横目で見た。
「秀にぃにみたいなお兄ちゃん出来たから、すっごく嬉しいよ」
姫は、笑っている。
その笑顔が、なんだか胸に刺さった。
海外が長くて、日本に友達も居なくて。
家族とは常に離ればなれ。
まだ15歳の、少女。
そうか。甘えられる相手が、今まで居なかったのか。
突然増えた家族に甘えたかっただけか。
なにかが、オレの中で溶けていくのを感じた。
今まで苛立っていたのはなんだったんだ。
少し考えれば分かったことだ。
彼女の身になって考えなかったオレが悪いな・・・
罪悪感を感じていると
「ところで、晩ご飯はなんだろ?」
相変わらずの笑顔の姫。
「もう晩ご飯の話か?」
そんな姫の姿に、今日初めて笑った気がする。
美味しいものを作ってやるか、なんて無意識に思考を巡らせてしまった、夏の午後。
後半戦につづく…
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