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にぃに、と呼ばないで-前半戦-
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「えっと、改めまして娘の姫だ。
姫は海外の中学に通っていて、今日のために日本へ帰ってきてもらった。今はちょうど夏休み中だし、その期間は日本に居る予定で・・・
兄妹になるわけだから、仲良くしてやってほしい」
姫も一緒の席について畑中氏から紹介を受ける。
その表情はとても楽しそうだ。
・・・なにがそんなに楽しいんだ・・・
「秀にぃに、どうしたの?浮かない顔しちゃって」
笑顔をキープしたまま首をかしげる姫。
「それで、秀一君がよければ、なんだが・・・」
い、嫌な予感がする・・・
「夏休み期間中、姫を君の家に置いてもらえないだろうか?」
食事会から数日後。
南野家・秀一の部屋。
彼は頭を抱えていた。
息子が居ることは、知っていた。
彼はいい子だし、オレのことを慕ってくれている。
問題ない。
問題ないはずだった。
娘・・・?
一緒に暮らす・・・?
いやまず、娘が居るだなんて聞いていない・・・。
オレ、こう見えて男なんですけどね、おとうさん・・・?
(こう見えて、だなんて自分で言って悲しくなる)
オレのことを信頼しての行動だとは重々承知だ。
その気持ちを踏みにじるつもりはない。
が・・・
娘を(婚約者の息子とはいえ)男と一つ屋根の下二人きりにするのは、ちょっと、いやかなり間違ってないか・・・?
はぁ、と深くため息をついた。
夏休み終了まであと少し。
畑中氏と母さんは旅行中、秀一君は部活の合宿中だ。
そして、当事者、姫は・・・
「秀にぃに、お腹すいたー」
オレの部屋で思いきりくつろいでいた・・・。
ベッドに横になって雑誌を広げ足を交互にぱたぱたさせている。
なぜ・・・
なぜそんなにリラックス出来るんだ、お前は・・・。
オレに「そんな気」はない。
畑中氏と母さんの信頼を裏切るような、そんなバカなまねはしない。
が、彼女は警戒はするべきではないのか?
数日前に会ったばかりの男と一つ屋根の下二人きりだぞ。
オレがどんな男かも知らないのに・・・
「秀にぃにってばー。なんか食べようよー」
タンクトップ一枚と短パン姿でウロウロされても困るのだが・・・。
いつもこんな感じなんだろうか・・・。
これは、普通、なのか?
オレが遅れているだけか?
なんだかもう分からなくなってきた。
誰か助けてくれ・・・なんて弱音を吐いている場合ではない。
「姫さん」
「姫って呼んでよー」
堅苦しいのは無しよ、と笑顔の姫。
「姫、なんともないのか?」
我ながらストレートな質問だ。
さあ、どう返す。
「なにが?お腹すいたって言ってるじゃん。何か食べたい」
だめだ、話にならない。
「食べたい食べたい」を繰り返す姫にいい加減疲れた。
「分かった分かった。何か作るから」
もうこっちが折れるのが早い。
「わーい、よろしく、秀にぃに」
はぁぁ、とさっきより深い深いため息を吐いて、オレは一階の台所へ降りた。
姫は海外の中学に通っていて、今日のために日本へ帰ってきてもらった。今はちょうど夏休み中だし、その期間は日本に居る予定で・・・
兄妹になるわけだから、仲良くしてやってほしい」
姫も一緒の席について畑中氏から紹介を受ける。
その表情はとても楽しそうだ。
・・・なにがそんなに楽しいんだ・・・
「秀にぃに、どうしたの?浮かない顔しちゃって」
笑顔をキープしたまま首をかしげる姫。
「それで、秀一君がよければ、なんだが・・・」
い、嫌な予感がする・・・
「夏休み期間中、姫を君の家に置いてもらえないだろうか?」
食事会から数日後。
南野家・秀一の部屋。
彼は頭を抱えていた。
息子が居ることは、知っていた。
彼はいい子だし、オレのことを慕ってくれている。
問題ない。
問題ないはずだった。
娘・・・?
一緒に暮らす・・・?
いやまず、娘が居るだなんて聞いていない・・・。
オレ、こう見えて男なんですけどね、おとうさん・・・?
(こう見えて、だなんて自分で言って悲しくなる)
オレのことを信頼しての行動だとは重々承知だ。
その気持ちを踏みにじるつもりはない。
が・・・
娘を(婚約者の息子とはいえ)男と一つ屋根の下二人きりにするのは、ちょっと、いやかなり間違ってないか・・・?
はぁ、と深くため息をついた。
夏休み終了まであと少し。
畑中氏と母さんは旅行中、秀一君は部活の合宿中だ。
そして、当事者、姫は・・・
「秀にぃに、お腹すいたー」
オレの部屋で思いきりくつろいでいた・・・。
ベッドに横になって雑誌を広げ足を交互にぱたぱたさせている。
なぜ・・・
なぜそんなにリラックス出来るんだ、お前は・・・。
オレに「そんな気」はない。
畑中氏と母さんの信頼を裏切るような、そんなバカなまねはしない。
が、彼女は警戒はするべきではないのか?
数日前に会ったばかりの男と一つ屋根の下二人きりだぞ。
オレがどんな男かも知らないのに・・・
「秀にぃにってばー。なんか食べようよー」
タンクトップ一枚と短パン姿でウロウロされても困るのだが・・・。
いつもこんな感じなんだろうか・・・。
これは、普通、なのか?
オレが遅れているだけか?
なんだかもう分からなくなってきた。
誰か助けてくれ・・・なんて弱音を吐いている場合ではない。
「姫さん」
「姫って呼んでよー」
堅苦しいのは無しよ、と笑顔の姫。
「姫、なんともないのか?」
我ながらストレートな質問だ。
さあ、どう返す。
「なにが?お腹すいたって言ってるじゃん。何か食べたい」
だめだ、話にならない。
「食べたい食べたい」を繰り返す姫にいい加減疲れた。
「分かった分かった。何か作るから」
もうこっちが折れるのが早い。
「わーい、よろしく、秀にぃに」
はぁぁ、とさっきより深い深いため息を吐いて、オレは一階の台所へ降りた。