ちらり、と秀くんを上目で見る。
相変わらず、キレイすぎるお顔立ちだ。

ーーーーこの人と、私はお付き合いしているわけかぁ…

なんだか不思議な感じだ。
『お付き合い中』という事実に、実感はまだあまりなく…
同じ高校、同じクラス、仲の良いお友達期間が長かったせいもあり、
いざ｢今日から恋人ですよ｣となると…。

秀くんの事は好きだよ、もちろん。

頭はいいし、優しくて、穏やかで、
皆からの信頼も厚いし…
秀くんのことをキライだとか、
悪く言う人を見たこともなければ聞いたこともない。
同い年ながら、憧れ、尊敬と好意を持っていた私としては
あの告白は、嬉しかったな…。

｢##NAME1##｣

なんてぼんやり考えてたら名前を呼ばれてドキリとした。

ーーーーもしかして、見ていたの、バレバレ？

｢な、なぁに？｣

ーーーー笑顔がひきつってしまう…

ーーーーき、緊張するー…!!

｢こっち、おいで｣

微笑み、手招く彼。

｢う、うん…｣

言われるがまま、秀くんの隣に座ってみる。

ーーーーあぁ、なんだかいいにおいがするっ!!

秀くんは何故かバラのいいにおいがするのだが、
香水はつけていないと言う。