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※この物語は、みつき様のみお持ち帰り可能作品です。
爆豪「チッ…」
何度目の舌打ちだろうか。
この狭い箱の中、不機嫌な彼に目をやった。
私は厄介な個性を持って産まれた。
個性は“フェロモン”。
言葉の通り、フェロモンを放ち異性を誘惑する。
普段からついていない私は、今現在人生最大のピンチに陥っている。
時は遡り、2時間前。
休日にデパートで買い物をしていると、痴漢の被害に遭ってしまい、助けてもらった爆豪勝己君とエレベーターに乗ったことから始まった。
『あの、爆豪勝己君だよね?』
爆豪「ああ!?だったら何だ。」
『さっきはありがとう。私、個性がまだうまくコントロールできなくて…』
爆豪「ああ!?んなもん同じ目に遭いたくなかったらさっさと個性使いこなせや!雑魚が!」
『あはは、そうだよね〜…』
彼は素行や言葉が悪い事は雄英体育祭を見て薄々感じていたけど、初対面でまさかここまで言われるとは…助けてもらった事には間違いないし、彼のいうことも最も。
だけどそんなキツく言わなくて良くない?
ムゥと膨れて爆豪勝己君を盗み見ると、目を釣り上げているが少し頬が赤くなっている。
爆豪「ダァッ!!その個性、しまえや!」
『ええっ…私だって治めたいけど、コントロールできないんだってば…』
爆豪「チッ!クソがァ!!」
爆豪勝己君がBOMB!と掌を一度爆発させたその時。
ガコンッ!と大きな衝撃音が鳴り、エレベーターが止まった。電気も消え、何も見えなくなっている。
爆豪「停電か、クソ。」
『えっ、なに…地震!?雷!?』
爆豪「ウッセェ!落ち着けや!」
それから直ぐに、パッと明かりがさしたと思うと、爆豪勝己君は懐中電灯を持っていた。
『あっ、さすが雄英生…準備いいね…』
爆豪「バカかよ。非常用の懐中電灯に決まってんだろ。エレベーター乗ったらまず備え付けられてっか確かめんだろ。」
爆豪勝己君はさも当然のように言ってるけど、私はそんなの習ってない。同じ高校一年生なのに、知らないなんて…いや、私は普通の学校だからそういうのは教えられていないだけだよきっと。
爆豪勝己君は、行き先ボタンを全て押すも反応はしない。非常用インターホンで消防署と連絡を取るも、ヴィランが暴れ、道が割れていて辿り着くのは時間がかかるとの事だった。
爆豪「チッ」
同い年なんだから、私もしっかりしなくちゃ。
そう思うも、もし見つからなかったらどうしようと不安が募り、上手く呼吸が行えなくなっていた。
爆豪「おい…」
『…』
ダメだ、息ってどうやって吸ってたっけ…やばい、頭がふわふわして…
爆豪「おい!」
爆豪勝己君は、ナイロン袋に穴を開けると私の口に当ててきた。
爆豪「ゆっくり吸えや。」
私がゆっくりと息を吸うと、今度は「ゆっくり吐けや。」と言い、「10…9…8…」とカウントダウンを始めた。彼は私の背中を優しく撫でてくれている。
何度かそれを繰り返し、視界がはっきりと戻ってくると、いつの間にか非常用電源がついており、爆豪勝己君がハッキリと見えるようになっていた。
『ありがとう…迷惑かけてごめんね。』
爆豪「チッ…その辺座ってろや!」
爆豪勝己君は、照れ隠しか顔を逸らしている。
けど、いつ来るかわからないこの状況、とても心細い。
『あのさ…迷惑ついでにお願いなんだけど…』
隣、座っていい?と聞くと、爆豪勝己君は目をものすごく釣り上げて「寝言は寝て死ね!!」と叫んだ。いや、けどほんと怖いんだって…エレベーター下に落っこちたらどうしようとか、助けが来なかったらどうしようって凄い不安なんだって…
『心細いんだもん…怖いし……爆豪勝己君、しっかりしてるから、隣に居てくれると安心…っていうか、さっき背中さすってくれてた時、すごく安心したんだよね…』
けど、そんな我儘ばっかり言うのは悪いかな…と思い、膝に頭を埋めると、ドスンっと隣に爆豪勝己君が座ってくれた。
『爆豪勝己君…?嫌じゃ、ないの…?』
爆豪「安心すんだろうが!」
『ありがとう…ごめんね…』
爆豪「テメェは自分の個性抑える事だけ考えとけやァ!!!」
『善処します…』
─────
そして、今に至る。
落ち着いて、個性が少し抑える事が出来ているにしろ、完全に抑える事はできない。それに、パニックになっていた時はどれだけ個性が溢れてただろうか…2時間もこの小さい箱の中…空気が漏れることも無く、私の溢れた個性は行き場がない。
そんな中、私の我儘で隣に座ってくれている彼はどれだけ苦しいだろうか……本当に申し訳ない……
『爆豪勝己君…』
爆豪「ああ!?」
『ごめんね…私がこんな個性だから、辛いよね…』
爆豪「別に辛かねェんだよ!テメェ如きの個性、俺の爆破で相殺したるわァ!!」
『えっ、えと…爆発はやめてね…空気が薄くなっちゃう…』
爆豪「分ァっとるワ!!」
爆豪勝己君は顔が赤いまま、また舌打ちをして外方を向いた。
それから何分経ったか、ガコンッ!とエレベーターが揺れた。
『キャァ!!』
爆豪「っ!!」
オールマイト「私が来たァ!!」
『オールマイト…!』
オールマイト「おっと……コホン。爆豪少年、よく頑張ったね。」
爆豪「チッ」
オールマイトによってエレベーターから脱出すると、“相澤君”と呼ばれたあまり見た事のないヒーローが私をガン見してきていた。
目が見開かれて、髪が逆立っている。
これは個性なのか…なんか怖い……
『えっと……』
オールマイト「君、個性は何だい。」
『……フェロモンです……フェロモンを放ち、異性を誘惑する………』
自分で言って、改めて爆豪勝己君は凄いと思う。
あんな時間誘惑されたら普通襲ってくるよね。いや、襲われたらそれこそ恐怖だけど…
私がオールマイトと相澤さんに説明している時も、爆豪は他所を向いていた。
『あの…私、個性がうまくコントロールできなくて……爆豪勝己君にはとても迷惑をかけました。けど、私がパニックになってる時とかも助けてくれて…私が、襲われても仕方ない状況だったのに……』
一度、雄英高校にまで連れて行かれ、校長先生たちに私が一つ一つ説明していると「玉と一緒にすんなや!」と爆豪勝己君は怒鳴っていた。
玉?なんだそれは……
オールマイト「個性がコントロールできない、か…」
相澤「厄介な個性だな。」
根津「月下さん、君自身の身を守る為にも、個性コントロールはできたほうがいいと思うのさ。」
『はい…』
根津「よって相澤君のもと、ここに編入したら良いのさ!爆豪君も、月下さんの個性コントロールが上達しているか、協力してくれたらいいのさ!」
爆豪「ハ!?何で俺が…!」
爆豪勝己君は、物凄く嫌そうに声を上げる。
確かにそうだ。今日知り合ったばかりの、名前も知らない人間の協力なんて、したくないよね……
『い、いや……あの……けど迷惑をかけてしまうなで……』
根津「大丈夫!彼は抹消ヒーロー、イレイザーヘッドさ!それに、爆豪君も彼の教え子。心配しなくて良いのさ。」
『イレイザーヘッド……あっ!聞いたことある…アングラ系ヒーロー…でも、爆豪勝己君には流石に……』
爆豪「ああ!?テメェに時間作るくらい余裕だワ!」
爆豪勝己君はぶっきらぼうに言ってるけど、これがデフォルトなんだろう。だってもう私は彼の優しさを知ってる。
『ありがとう。ヒーロー。』
なつが微笑むと、爆豪はBOMB!と手を爆発させた。
ついていない人生のお陰で、とても優しい人たちに出会えた。もしかしたら私はついてるのかもしれない。
end
(テメェいい加減フルネームで呼ぶのやめろや!)
(じゃあ爆豪勝己君もちゃんと名前で呼んでよ!)
(テメェがフルネーム呼び辞めたら呼んでやるよ!!)
(爆豪!!)
(呼び捨てやめろやァ!!!)
みつき様へのお返事は- ̗̀📣100話記念企画- ̗̀📣にて(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)
爆豪「チッ…」
何度目の舌打ちだろうか。
この狭い箱の中、不機嫌な彼に目をやった。
私は厄介な個性を持って産まれた。
個性は“フェロモン”。
言葉の通り、フェロモンを放ち異性を誘惑する。
普段からついていない私は、今現在人生最大のピンチに陥っている。
時は遡り、2時間前。
休日にデパートで買い物をしていると、痴漢の被害に遭ってしまい、助けてもらった爆豪勝己君とエレベーターに乗ったことから始まった。
『あの、爆豪勝己君だよね?』
爆豪「ああ!?だったら何だ。」
『さっきはありがとう。私、個性がまだうまくコントロールできなくて…』
爆豪「ああ!?んなもん同じ目に遭いたくなかったらさっさと個性使いこなせや!雑魚が!」
『あはは、そうだよね〜…』
彼は素行や言葉が悪い事は雄英体育祭を見て薄々感じていたけど、初対面でまさかここまで言われるとは…助けてもらった事には間違いないし、彼のいうことも最も。
だけどそんなキツく言わなくて良くない?
ムゥと膨れて爆豪勝己君を盗み見ると、目を釣り上げているが少し頬が赤くなっている。
爆豪「ダァッ!!その個性、しまえや!」
『ええっ…私だって治めたいけど、コントロールできないんだってば…』
爆豪「チッ!クソがァ!!」
爆豪勝己君がBOMB!と掌を一度爆発させたその時。
ガコンッ!と大きな衝撃音が鳴り、エレベーターが止まった。電気も消え、何も見えなくなっている。
爆豪「停電か、クソ。」
『えっ、なに…地震!?雷!?』
爆豪「ウッセェ!落ち着けや!」
それから直ぐに、パッと明かりがさしたと思うと、爆豪勝己君は懐中電灯を持っていた。
『あっ、さすが雄英生…準備いいね…』
爆豪「バカかよ。非常用の懐中電灯に決まってんだろ。エレベーター乗ったらまず備え付けられてっか確かめんだろ。」
爆豪勝己君はさも当然のように言ってるけど、私はそんなの習ってない。同じ高校一年生なのに、知らないなんて…いや、私は普通の学校だからそういうのは教えられていないだけだよきっと。
爆豪勝己君は、行き先ボタンを全て押すも反応はしない。非常用インターホンで消防署と連絡を取るも、ヴィランが暴れ、道が割れていて辿り着くのは時間がかかるとの事だった。
爆豪「チッ」
同い年なんだから、私もしっかりしなくちゃ。
そう思うも、もし見つからなかったらどうしようと不安が募り、上手く呼吸が行えなくなっていた。
爆豪「おい…」
『…』
ダメだ、息ってどうやって吸ってたっけ…やばい、頭がふわふわして…
爆豪「おい!」
爆豪勝己君は、ナイロン袋に穴を開けると私の口に当ててきた。
爆豪「ゆっくり吸えや。」
私がゆっくりと息を吸うと、今度は「ゆっくり吐けや。」と言い、「10…9…8…」とカウントダウンを始めた。彼は私の背中を優しく撫でてくれている。
何度かそれを繰り返し、視界がはっきりと戻ってくると、いつの間にか非常用電源がついており、爆豪勝己君がハッキリと見えるようになっていた。
『ありがとう…迷惑かけてごめんね。』
爆豪「チッ…その辺座ってろや!」
爆豪勝己君は、照れ隠しか顔を逸らしている。
けど、いつ来るかわからないこの状況、とても心細い。
『あのさ…迷惑ついでにお願いなんだけど…』
隣、座っていい?と聞くと、爆豪勝己君は目をものすごく釣り上げて「寝言は寝て死ね!!」と叫んだ。いや、けどほんと怖いんだって…エレベーター下に落っこちたらどうしようとか、助けが来なかったらどうしようって凄い不安なんだって…
『心細いんだもん…怖いし……爆豪勝己君、しっかりしてるから、隣に居てくれると安心…っていうか、さっき背中さすってくれてた時、すごく安心したんだよね…』
けど、そんな我儘ばっかり言うのは悪いかな…と思い、膝に頭を埋めると、ドスンっと隣に爆豪勝己君が座ってくれた。
『爆豪勝己君…?嫌じゃ、ないの…?』
爆豪「安心すんだろうが!」
『ありがとう…ごめんね…』
爆豪「テメェは自分の個性抑える事だけ考えとけやァ!!!」
『善処します…』
─────
そして、今に至る。
落ち着いて、個性が少し抑える事が出来ているにしろ、完全に抑える事はできない。それに、パニックになっていた時はどれだけ個性が溢れてただろうか…2時間もこの小さい箱の中…空気が漏れることも無く、私の溢れた個性は行き場がない。
そんな中、私の我儘で隣に座ってくれている彼はどれだけ苦しいだろうか……本当に申し訳ない……
『爆豪勝己君…』
爆豪「ああ!?」
『ごめんね…私がこんな個性だから、辛いよね…』
爆豪「別に辛かねェんだよ!テメェ如きの個性、俺の爆破で相殺したるわァ!!」
『えっ、えと…爆発はやめてね…空気が薄くなっちゃう…』
爆豪「分ァっとるワ!!」
爆豪勝己君は顔が赤いまま、また舌打ちをして外方を向いた。
それから何分経ったか、ガコンッ!とエレベーターが揺れた。
『キャァ!!』
爆豪「っ!!」
オールマイト「私が来たァ!!」
『オールマイト…!』
オールマイト「おっと……コホン。爆豪少年、よく頑張ったね。」
爆豪「チッ」
オールマイトによってエレベーターから脱出すると、“相澤君”と呼ばれたあまり見た事のないヒーローが私をガン見してきていた。
目が見開かれて、髪が逆立っている。
これは個性なのか…なんか怖い……
『えっと……』
オールマイト「君、個性は何だい。」
『……フェロモンです……フェロモンを放ち、異性を誘惑する………』
自分で言って、改めて爆豪勝己君は凄いと思う。
あんな時間誘惑されたら普通襲ってくるよね。いや、襲われたらそれこそ恐怖だけど…
私がオールマイトと相澤さんに説明している時も、爆豪は他所を向いていた。
『あの…私、個性がうまくコントロールできなくて……爆豪勝己君にはとても迷惑をかけました。けど、私がパニックになってる時とかも助けてくれて…私が、襲われても仕方ない状況だったのに……』
一度、雄英高校にまで連れて行かれ、校長先生たちに私が一つ一つ説明していると「玉と一緒にすんなや!」と爆豪勝己君は怒鳴っていた。
玉?なんだそれは……
オールマイト「個性がコントロールできない、か…」
相澤「厄介な個性だな。」
根津「月下さん、君自身の身を守る為にも、個性コントロールはできたほうがいいと思うのさ。」
『はい…』
根津「よって相澤君のもと、ここに編入したら良いのさ!爆豪君も、月下さんの個性コントロールが上達しているか、協力してくれたらいいのさ!」
爆豪「ハ!?何で俺が…!」
爆豪勝己君は、物凄く嫌そうに声を上げる。
確かにそうだ。今日知り合ったばかりの、名前も知らない人間の協力なんて、したくないよね……
『い、いや……あの……けど迷惑をかけてしまうなで……』
根津「大丈夫!彼は抹消ヒーロー、イレイザーヘッドさ!それに、爆豪君も彼の教え子。心配しなくて良いのさ。」
『イレイザーヘッド……あっ!聞いたことある…アングラ系ヒーロー…でも、爆豪勝己君には流石に……』
爆豪「ああ!?テメェに時間作るくらい余裕だワ!」
爆豪勝己君はぶっきらぼうに言ってるけど、これがデフォルトなんだろう。だってもう私は彼の優しさを知ってる。
『ありがとう。ヒーロー。』
なつが微笑むと、爆豪はBOMB!と手を爆発させた。
ついていない人生のお陰で、とても優しい人たちに出会えた。もしかしたら私はついてるのかもしれない。
end
(テメェいい加減フルネームで呼ぶのやめろや!)
(じゃあ爆豪勝己君もちゃんと名前で呼んでよ!)
(テメェがフルネーム呼び辞めたら呼んでやるよ!!)
(爆豪!!)
(呼び捨てやめろやァ!!!)
みつき様へのお返事は- ̗̀📣100話記念企画- ̗̀📣にて(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)