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※この物語は、ゆな様のみお持ち帰り可能作品です。
美沙「今日さ、合コンなんだけど来るはずだった子が風邪ひいて来れなくて…代わりに来てくれない?」
目の前で手を合わせているのは同期の美沙。
最近適齢期に焦り出して合コンをしまくっている。
『合コン?やだよ。』
美沙「ほら!失恋には新しい恋って言うじゃん!ねっ?」
美沙には私が瀬呂君の事が好きだったって話していた。けど夢を叶えてプロヒーローになった彼と、今更どうにかなりたいなんて思ってない。
それに、告白もしてないのに、失恋なんてできる勇気もなかった。
失恋さえできたら、私も次の恋に進めてたのかなぁ…
『あんまり、合コンとか好きじゃないから…』
美沙「そこをなんとか!なつ可愛いから絶対いい人と出会えるって!」
『でも…』
美沙「今度一杯奢るから!ねっ?」
『……』
美沙「もろきゅうも一品つけるから!」
『……。もう、今回だけだよ?』
なつが渋々言うと、美沙はキャッと喜んだ。
別におつまみやお酒が飲みたくてそれに釣られたわけでもない。ただ、美沙は数少ない同期で仲がいいので、顔を立てるためにと思っての事だった。
─────
業務も順調に終わり、なつ達は合コンの会場となるお洒落な居酒屋に足を運んでいた。
みんなが自己紹介をし、それぞれにお酒や食事に箸を通す。なつは相手側の名前なんて頭に入って来ず、話を聞きながらお酒を飲んでいた。
「なつちゃん、楽しんでる?」
『へ?ああ、まぁ…』
「ははっ、見るからにつまらなさそう!こういう所、慣れてないの?」
『まぁ…“苦手”ですね。』
「なつちゃん、面白いね!実は俺も数合わせでさ、もう疲れたから店抜けない?」
そう言ってきた男性は、困った様に眉を顰めた。
あ、やっと帰れるのか。三猿で飲み直そう…
なつが頷くと、男は立ち上がり「すみません!俺となつちゃん、抜けまーす!」と叫んだ。
美沙「えっ!なつ帰っちゃうの?」
『うん。』
「具合悪いみたい。俺も明日早番だし駅まで送っていくよ。」
美沙「なつ、お大事にね。」
『うん。ありがとう。』
美沙には後で謝らないと。そう思って男性の後をついて歩く。
ぼーっと後をついていると、何やら駅とは真逆に向かっているようで、ラブホテルに入ろうとしていた。
『え…駅に、送ってくれるんですよね?』
「駅よりも、こっちの方が手っ取り早く寝れて良くない?」
『いや…手っ取り早いじゃなくて……こういう所はカップルで入るものじゃないかと…』
「え、なつちゃんもそのつもりで一緒に抜けたんじゃないの?」
『そんな訳ないじゃないですか。それに、貴方も明日早番なんですよね?』
なつが言うと、男は呆れた様に頭を掻いた。
「あんなん、抜けるための口実に決まってるだろ?ほら、文句言ってねぇで来ればいいんだよ。だいたい、合コンに来る理由ってスッキリしたい以外の何者でもねぇだろ!?」
『痛っ…いやっ!!放して!!』
瀬呂「あっ、やっぱ月下じゃん!」
『っ!!』
その声に振り返ると、帰宅中なのかヒーローコスチュームではない、私服の瀬呂が居た。
瀬呂「久しぶりだなぁ!何やってんの?」
「なんだテメェ……今俺ら、いいところなんだよね。邪魔しないでくれるかなぁ?」
瀬呂「いいとこ…ね。俺には嫌がってる様に見えるけど?」
瀬呂の言葉になつは大きく頷くと、男性は雑に放した。
「チッ…なんの寸劇だよ!構ってられっか!」
男性が帰っていくと、なつは安心なのか、涙が溢れてきてその場にへたりと座り込んだ。
瀬呂「大丈夫か?」
『こ…わかった……』
瀬呂「つか、なんでこんな状況になってんの?」
『っ……合コンの数合わせでっ…帰りたがってたら、駅まで送るから抜けよって……』
瀬呂「なるほどな〜。(それ、持ち帰る為の口実だよな〜…)」
瀬呂はしゃがみ込み、なつを慰める様に頭を撫でた。
瀬呂「月下さ、合コンとか行ったことねェの?」
『』コクリ
瀬呂「そっか。怖かったな。」
『』コクリ
瀬呂「立てる?送るよ。」
『…大丈夫。一人で帰れるから…』
瀬呂「あー、一応こう見えてもプロヒーローだからさ、さっきの奴みたいな事にはなんねぇし、安心して大丈夫だぜ?」
瀬呂が困ったように笑うと、なつは焦って声を出した。
『違っ!!……くて…』
瀬呂「ん?」
『こんなボロボロの顔、見られたくない…』
なつは涙でほぼ化粧が取れている。それを隠す様に話していると、瀬呂は笑った。
瀬呂「気にしなくても、月下は昔と変わらず可愛いから大丈夫だって。」
『かっ…!!』
驚きと恥ずかしさのあまりバッと顔を挙げると、瀬呂は優しく微笑んでいた。
瀬呂「ほら、可愛い。」
『っ……。(瀬呂君、なんかチャラくなった…)』
瀬呂「ん?」
『そんな事、簡単に言わない方がいいよ…』
瀬呂「そんな事って?」
『か、可愛い…って……女の子は、勘違いしちゃうよ…?』
瀬呂「あのなぁ、誰にでも言ってると思ってんの?」
呆れた様に言う瀬呂の言葉になつが頷くと、困ったなぁ…と笑った。
瀬呂「瀬呂君は誰にでも可愛いとか言いません。」『でも…』
瀬呂「まぁでも、信じれないよなぁ…」
『ごめん…』
なつが言うと、瀬呂はうーん…と何かを考えたそぶりを見せ、閃いた様にニッと笑顔を見せた。
瀬呂「じゃあさ!飲み直さねぇ?」
『へ?』
瀬呂「今日があんな怖い一日で終わんのもなぁ…って。久々に会えた事だし、飲みなおさねぇ?」
『けど、瀬呂君…仕事は…』
瀬呂「明日は非番だし大丈夫だぜ。」
『でも…ごめん…』
瀬呂「(そうだよなぁ…怖かったんだもんな。)」
こんな格好で、瀬呂君の隣には歩けない。
そう思い、なつが断ると瀬呂はまた優しく微笑み、なつの頭にぽんと手を置いた。
瀬呂「そんな申し訳なさそうな顔すんなって!」
『…明日っ…』
瀬呂「ん?」
『あのっ…今日はダメだけど、明日、改めてお礼させて欲しい…デス…』
私のバカ!何言ってるんだろっ…瀬呂君とお出かけなんて、デートじゃん…私がお礼しなくちゃなのに、瀬呂君は休みたいだろうに…
瀬呂「明日、月下休み?」
『うん…』
瀬呂「じゃあ、明日10時に木椰区ショッピングモールの時計前に集合な?」
『うんっ!』
長年の想いが届くまでは、もう直ぐになりそうです。
end
ゆな様へのお返事は- ̗̀📣100話記念企画- ̗̀📣にて(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)
美沙「今日さ、合コンなんだけど来るはずだった子が風邪ひいて来れなくて…代わりに来てくれない?」
目の前で手を合わせているのは同期の美沙。
最近適齢期に焦り出して合コンをしまくっている。
『合コン?やだよ。』
美沙「ほら!失恋には新しい恋って言うじゃん!ねっ?」
美沙には私が瀬呂君の事が好きだったって話していた。けど夢を叶えてプロヒーローになった彼と、今更どうにかなりたいなんて思ってない。
それに、告白もしてないのに、失恋なんてできる勇気もなかった。
失恋さえできたら、私も次の恋に進めてたのかなぁ…
『あんまり、合コンとか好きじゃないから…』
美沙「そこをなんとか!なつ可愛いから絶対いい人と出会えるって!」
『でも…』
美沙「今度一杯奢るから!ねっ?」
『……』
美沙「もろきゅうも一品つけるから!」
『……。もう、今回だけだよ?』
なつが渋々言うと、美沙はキャッと喜んだ。
別におつまみやお酒が飲みたくてそれに釣られたわけでもない。ただ、美沙は数少ない同期で仲がいいので、顔を立てるためにと思っての事だった。
─────
業務も順調に終わり、なつ達は合コンの会場となるお洒落な居酒屋に足を運んでいた。
みんなが自己紹介をし、それぞれにお酒や食事に箸を通す。なつは相手側の名前なんて頭に入って来ず、話を聞きながらお酒を飲んでいた。
「なつちゃん、楽しんでる?」
『へ?ああ、まぁ…』
「ははっ、見るからにつまらなさそう!こういう所、慣れてないの?」
『まぁ…“苦手”ですね。』
「なつちゃん、面白いね!実は俺も数合わせでさ、もう疲れたから店抜けない?」
そう言ってきた男性は、困った様に眉を顰めた。
あ、やっと帰れるのか。三猿で飲み直そう…
なつが頷くと、男は立ち上がり「すみません!俺となつちゃん、抜けまーす!」と叫んだ。
美沙「えっ!なつ帰っちゃうの?」
『うん。』
「具合悪いみたい。俺も明日早番だし駅まで送っていくよ。」
美沙「なつ、お大事にね。」
『うん。ありがとう。』
美沙には後で謝らないと。そう思って男性の後をついて歩く。
ぼーっと後をついていると、何やら駅とは真逆に向かっているようで、ラブホテルに入ろうとしていた。
『え…駅に、送ってくれるんですよね?』
「駅よりも、こっちの方が手っ取り早く寝れて良くない?」
『いや…手っ取り早いじゃなくて……こういう所はカップルで入るものじゃないかと…』
「え、なつちゃんもそのつもりで一緒に抜けたんじゃないの?」
『そんな訳ないじゃないですか。それに、貴方も明日早番なんですよね?』
なつが言うと、男は呆れた様に頭を掻いた。
「あんなん、抜けるための口実に決まってるだろ?ほら、文句言ってねぇで来ればいいんだよ。だいたい、合コンに来る理由ってスッキリしたい以外の何者でもねぇだろ!?」
『痛っ…いやっ!!放して!!』
瀬呂「あっ、やっぱ月下じゃん!」
『っ!!』
その声に振り返ると、帰宅中なのかヒーローコスチュームではない、私服の瀬呂が居た。
瀬呂「久しぶりだなぁ!何やってんの?」
「なんだテメェ……今俺ら、いいところなんだよね。邪魔しないでくれるかなぁ?」
瀬呂「いいとこ…ね。俺には嫌がってる様に見えるけど?」
瀬呂の言葉になつは大きく頷くと、男性は雑に放した。
「チッ…なんの寸劇だよ!構ってられっか!」
男性が帰っていくと、なつは安心なのか、涙が溢れてきてその場にへたりと座り込んだ。
瀬呂「大丈夫か?」
『こ…わかった……』
瀬呂「つか、なんでこんな状況になってんの?」
『っ……合コンの数合わせでっ…帰りたがってたら、駅まで送るから抜けよって……』
瀬呂「なるほどな〜。(それ、持ち帰る為の口実だよな〜…)」
瀬呂はしゃがみ込み、なつを慰める様に頭を撫でた。
瀬呂「月下さ、合コンとか行ったことねェの?」
『』コクリ
瀬呂「そっか。怖かったな。」
『』コクリ
瀬呂「立てる?送るよ。」
『…大丈夫。一人で帰れるから…』
瀬呂「あー、一応こう見えてもプロヒーローだからさ、さっきの奴みたいな事にはなんねぇし、安心して大丈夫だぜ?」
瀬呂が困ったように笑うと、なつは焦って声を出した。
『違っ!!……くて…』
瀬呂「ん?」
『こんなボロボロの顔、見られたくない…』
なつは涙でほぼ化粧が取れている。それを隠す様に話していると、瀬呂は笑った。
瀬呂「気にしなくても、月下は昔と変わらず可愛いから大丈夫だって。」
『かっ…!!』
驚きと恥ずかしさのあまりバッと顔を挙げると、瀬呂は優しく微笑んでいた。
瀬呂「ほら、可愛い。」
『っ……。(瀬呂君、なんかチャラくなった…)』
瀬呂「ん?」
『そんな事、簡単に言わない方がいいよ…』
瀬呂「そんな事って?」
『か、可愛い…って……女の子は、勘違いしちゃうよ…?』
瀬呂「あのなぁ、誰にでも言ってると思ってんの?」
呆れた様に言う瀬呂の言葉になつが頷くと、困ったなぁ…と笑った。
瀬呂「瀬呂君は誰にでも可愛いとか言いません。」『でも…』
瀬呂「まぁでも、信じれないよなぁ…」
『ごめん…』
なつが言うと、瀬呂はうーん…と何かを考えたそぶりを見せ、閃いた様にニッと笑顔を見せた。
瀬呂「じゃあさ!飲み直さねぇ?」
『へ?』
瀬呂「今日があんな怖い一日で終わんのもなぁ…って。久々に会えた事だし、飲みなおさねぇ?」
『けど、瀬呂君…仕事は…』
瀬呂「明日は非番だし大丈夫だぜ。」
『でも…ごめん…』
瀬呂「(そうだよなぁ…怖かったんだもんな。)」
こんな格好で、瀬呂君の隣には歩けない。
そう思い、なつが断ると瀬呂はまた優しく微笑み、なつの頭にぽんと手を置いた。
瀬呂「そんな申し訳なさそうな顔すんなって!」
『…明日っ…』
瀬呂「ん?」
『あのっ…今日はダメだけど、明日、改めてお礼させて欲しい…デス…』
私のバカ!何言ってるんだろっ…瀬呂君とお出かけなんて、デートじゃん…私がお礼しなくちゃなのに、瀬呂君は休みたいだろうに…
瀬呂「明日、月下休み?」
『うん…』
瀬呂「じゃあ、明日10時に木椰区ショッピングモールの時計前に集合な?」
『うんっ!』
長年の想いが届くまでは、もう直ぐになりそうです。
end
ゆな様へのお返事は- ̗̀📣100話記念企画- ̗̀📣にて(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)