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※この物語は、5500番目キリ番様 みそう様のみお持ち帰り可能作品です。
なつside
私の個性は記憶。一度見たものや聞いた事は忘れない。ただそれだけの、いわば没個性。折寺中学校に通っていた頃、周りの友達は皆いろんなヒーロー科の学校を目指している中、私には目指すものはなかった。
爆豪「チッ、また全国一位かよ。」
『ばっ、爆豪君勝手に見ないでよ…』
模試の判定が返ってきて、しまおうとすると落としてしまい、爆豪君に拾われてしまった。
爆豪君は事あるごとに、全く目立たない私とテストや成績を勝負してくる。けど、私は個性のおかげでいつも満点。数学は記憶だけでは無いけど、爆豪君に話しかけて貰える事が嬉しくて、負けないように勉強をしていた。
爆豪「月下も雄英を受けんのか?」
『受けないよ。私の個性じゃ、何の役にも立たないよ。』
爆豪「はっ?ふざけた事言ってんじゃねぇ!月下は───」
爆豪君は何かを言おうとしたが、友人に呼ばれ、教室を出ていった。
─────
爆豪君は雄英高校に見事合格し、雄英体育祭では優勝。ヒーロー科はとても偏差値が高く、レベルも高い学校。そこで優勝なんて本当に彼はすごい。
「あのオールマイトをも超えて、俺はトップヒーローと成り!!必ずや!!高額納税者ランキングに名を刻むのだ!」
そう言っていた爆豪君を見て、その時はずっと好きだった彼を凄いなぁと目で追うだけだったけど、体育祭を見た事をきっかけに、私は傍観者ではなく、この記憶力の個性を生かして彼を近くで支えたいと思っていた。
そしてある休日。
アルバイト先のファミレスに爆豪君と確か雄英体育祭で爆豪君と戦っていた切島君が座席に座っていた。
どうやら勉強を教えているみたい。卒業してからまだ数ヶ月しか経っていないのに、半袖から出ている腕を見ても、ガタイが良くなっている。
美羽「なつちゃん、あの雄英の子と知り合い?」
『あっ、はい。中学が同じでした。何でですか?』
美羽「さっきから、チラチラと見てたからね〜。好きだったの?』
『なっ…!!そ、そそそんな訳な、なないじゃないですか!!!』
同じバイト先の先輩の美羽さんは、悪戯のように舌をペロっと出すと、仕事仕事〜っと鼻歌を歌いながら業務をしにいった。
『もう…』
私も爆豪君ばかり見ててもダメだ。勤務中なんだから、業務に集中しないと。そう思い、ドリンクバーの烏龍茶を補充していると、ドリンクを入れようとしているのだろう。背後に気配を感じた。
『お客様、お待たせいたしました。』
爆豪「なっ…月下……」
振り向くと、驚いた表情の爆豪君が立っている。ドキドキと高鳴る気持ちを落ち着かせ、『爆豪君、久しぶりだね。』と平然を装った。
爆豪「……だ。」
『え?』
爆豪「今日、シフト何時までだっつってんだよ。クソ。」
『20時までだけど… 』
他のお客様達に聞こえないよう、小さな声で聞いてくる爆豪君にそう答えると、「分かった。」と言い、ドリンクを入れると席へと戻っていった。
何で退勤時間聞かれたんだろう…まさか、送ってくれる、なんて事ないよね…?淡い期待と久々に話せた喜びに顔が赤くなり、在庫の確認と称して裏に回っていると、外では何やら爆豪君が店で大騒ぎして追い出されたらしい。
その後は何事もなく、退勤時間を迎えた。
『お先に失礼しま〜す。』
美羽「なつちゃん、今日時計ばっかり見てたね。何かいい事でもあるの?」
『っ!!!』
美羽「いやぁ、青春だねぇ〜若いって羨ましい!」
『かっ、揶揄わないでください!!』
顔の熱を仰いで冷ましながら店を出ると、そこにはやっぱり爆豪君が立っていた。
─────
爆豪side
中学一年の時、張り出された成績表をみて全教科100点のやつがいた。そいつの名は月下なつ。
爆豪「おい、月下って誰だ?」
「月下?爆豪の右の席の奴だよ。」
隣の席の奴くらい覚えろよなー。と言われるが、んなもんモブの事をいちいち覚える訳ねぇだろ!と叫ぶと
「んあ?カツキ、月下の事気になんのか?」
と突拍子もない事を言い出しやがった。
俺はただ、俺よりも上の奴がどんな野郎か気になるだけだ。そう思って翌日から見てみると、さも普通の女だった。
頭が良くてガリ勉ってわけでもなく、誰とでも分け隔てなく愛想を振り撒く、人望もある奴だった。
ぜってぇコイツを超えて俺が一番になってやる。そう思いテストや模試が返却される度に月下の答案を見るも常に満点。
3年の時、なんかウラがあんのかと思って聞くと、個性が記憶だと言った。記憶力が人よりもいいと言っても、数学や読解は記憶だけではどうにもならない。確かに努力で勝ち取った1位だ。
ここまで常に努力し続けるんなら、雄英のヒーロー科とまではいかずとも、経営科や普通科に行くべきだろう。
そう思って雄英を受けるのか聞くと、諦めたような、先を見ていない目で自分の個性は何の役にも立たねぇなんざ言いやがる。
その記憶力があれば、弁護士でも警察官でもWEBマーケターでも何でもなれんだろうが。
なんなら俺が将来ヒーロー事務所を立ち上げたら、そこのWEBマーケターとして雇ってやるから来い。そう言おうとしたが、連れに呼ばれていう事も無く卒業した。
そして雄英に入学し、月下とは一切会わなくなった。
クソ髪の勉強を教えるためにファミレスに入ると、中学ん時のツレが懐かしげに話してきやがった。コーラがなくなり、つぎに行こうとすると、なにやら慣れた手つきでドリンクを補充している店員がいる。
『お客様、お待たせいたしました。』
爆豪「なっ…月下……」
まさかこんな所で会うとは思わず、気づいたら何時に終わるかも聞いていた。
その後、ファミレスを出てクソ髪とも解散し、頃合いを見て再度ファミレスに足を運ぶ。足取りは軽く、10分早く着いてしまい、久々に会って何を話すのか考えていた。
『爆豪君!』
爆豪「っ…。そんな大声で呼ばんでも聞こえとるわ!」
『ひ、久しぶりだね。』
爆豪「…」
服装は、フリルのついたノースリーブにスキニー。
腕にはあまり筋肉がなく、細い。風が吹いた時に、ふわっと甘い香りがした。
──────────
なつside
爆豪君はしばらく黙った後、思い出したかのように足を動かした。
声の掛け方、間違えちゃったかな…そう思い、ちらっと横顔を盗みみても、全く怒った様子はない。
中学の時もこうやって横に歩くことなんて一度もなかった…爆豪君、かっこいいな…
爆豪「…」
『っ!!あっ、あのね!私、やりたい事決まったんだ。』
爆豪「んあ?」
見つめ過ぎて、目が合ってしまい顔を逸らして言うと、爆豪君は耳を傾けてくれる。
『私、経営とマーケティングの勉強をしようと思うの。雄英体育祭を見て、こんな凄い人たちのマーケティングをしたいって思ったの。』
爆豪「…」
『こんな風に思えたの、爆豪君のおかげだよ。』
もともと私には何もなかった。爆豪君が、ふざけんじゃねえって言ってくれたおかげで、3年間ずっと私と競ってくれたおかげで、雄英体育祭でトップを目指す爆豪君をみて、こんな風に思えるようになれた。
『だから、ありがとう。』
いろいろな思いを込めてお礼を言うと、爆豪君は目を見開いて、すぐに顔を逸らされた。首まで赤くなっている。その後の沈黙はどこかふわふわとして心地のいいものだった。
─────
爆豪side
月下に見惚れていると、不思議そうに顔を傾げてくる。その仕草でさえもが可愛く思い、自分の気持ちがバレないように足を動かした。
その後は横から視線が刺さるように感じる。
それを見ると、月下は焦ったように、やりたい事決まったと言ってきた。
『私、経営とマーケティングの勉強をしようと思うの。雄英体育祭を見て、こんな凄い人たちのマーケティングをしたいって思ったの。』
爆豪「…」
『こんな風に思えたの、爆豪君のおかげだよ。………だから、ありがとう。』
月下は何かを見据えて、強い目をしている。微笑んだ月下を、とても綺麗だと思った。顔に熱が溜まるのが分かる。
今はまだ授業や訓練で恋愛に構ってる暇はない。だが俺がトップヒーローになったら、必ず月下を迎えに行く。将来隣で笑ってて欲しいのはコイツだけだ。
むず痒い、それでいて幸せな時間を歩いた
ある青春時代の1ページ。
--------------------------------
キリ番5500番目 みそう様へ
・爆豪
☆シチュエーション
両思い
みそう様、お待たせいたしましたァ!
お話お気に召していただけますと幸いです。
両想いって、むず痒いですよね〜、
これから二人がどうなっていくか、続きが描きたくなるような終わり方になっちゃいました。
けど、この先は皆様のご想像にお任せします(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)
この度は、リクエストくださりありがとうございました!
管理人 ひまわり
なつside
私の個性は記憶。一度見たものや聞いた事は忘れない。ただそれだけの、いわば没個性。折寺中学校に通っていた頃、周りの友達は皆いろんなヒーロー科の学校を目指している中、私には目指すものはなかった。
爆豪「チッ、また全国一位かよ。」
『ばっ、爆豪君勝手に見ないでよ…』
模試の判定が返ってきて、しまおうとすると落としてしまい、爆豪君に拾われてしまった。
爆豪君は事あるごとに、全く目立たない私とテストや成績を勝負してくる。けど、私は個性のおかげでいつも満点。数学は記憶だけでは無いけど、爆豪君に話しかけて貰える事が嬉しくて、負けないように勉強をしていた。
爆豪「月下も雄英を受けんのか?」
『受けないよ。私の個性じゃ、何の役にも立たないよ。』
爆豪「はっ?ふざけた事言ってんじゃねぇ!月下は───」
爆豪君は何かを言おうとしたが、友人に呼ばれ、教室を出ていった。
─────
爆豪君は雄英高校に見事合格し、雄英体育祭では優勝。ヒーロー科はとても偏差値が高く、レベルも高い学校。そこで優勝なんて本当に彼はすごい。
「あのオールマイトをも超えて、俺はトップヒーローと成り!!必ずや!!高額納税者ランキングに名を刻むのだ!」
そう言っていた爆豪君を見て、その時はずっと好きだった彼を凄いなぁと目で追うだけだったけど、体育祭を見た事をきっかけに、私は傍観者ではなく、この記憶力の個性を生かして彼を近くで支えたいと思っていた。
そしてある休日。
アルバイト先のファミレスに爆豪君と確か雄英体育祭で爆豪君と戦っていた切島君が座席に座っていた。
どうやら勉強を教えているみたい。卒業してからまだ数ヶ月しか経っていないのに、半袖から出ている腕を見ても、ガタイが良くなっている。
美羽「なつちゃん、あの雄英の子と知り合い?」
『あっ、はい。中学が同じでした。何でですか?』
美羽「さっきから、チラチラと見てたからね〜。好きだったの?』
『なっ…!!そ、そそそんな訳な、なないじゃないですか!!!』
同じバイト先の先輩の美羽さんは、悪戯のように舌をペロっと出すと、仕事仕事〜っと鼻歌を歌いながら業務をしにいった。
『もう…』
私も爆豪君ばかり見ててもダメだ。勤務中なんだから、業務に集中しないと。そう思い、ドリンクバーの烏龍茶を補充していると、ドリンクを入れようとしているのだろう。背後に気配を感じた。
『お客様、お待たせいたしました。』
爆豪「なっ…月下……」
振り向くと、驚いた表情の爆豪君が立っている。ドキドキと高鳴る気持ちを落ち着かせ、『爆豪君、久しぶりだね。』と平然を装った。
爆豪「……だ。」
『え?』
爆豪「今日、シフト何時までだっつってんだよ。クソ。」
『20時までだけど… 』
他のお客様達に聞こえないよう、小さな声で聞いてくる爆豪君にそう答えると、「分かった。」と言い、ドリンクを入れると席へと戻っていった。
何で退勤時間聞かれたんだろう…まさか、送ってくれる、なんて事ないよね…?淡い期待と久々に話せた喜びに顔が赤くなり、在庫の確認と称して裏に回っていると、外では何やら爆豪君が店で大騒ぎして追い出されたらしい。
その後は何事もなく、退勤時間を迎えた。
『お先に失礼しま〜す。』
美羽「なつちゃん、今日時計ばっかり見てたね。何かいい事でもあるの?」
『っ!!!』
美羽「いやぁ、青春だねぇ〜若いって羨ましい!」
『かっ、揶揄わないでください!!』
顔の熱を仰いで冷ましながら店を出ると、そこにはやっぱり爆豪君が立っていた。
─────
爆豪side
中学一年の時、張り出された成績表をみて全教科100点のやつがいた。そいつの名は月下なつ。
爆豪「おい、月下って誰だ?」
「月下?爆豪の右の席の奴だよ。」
隣の席の奴くらい覚えろよなー。と言われるが、んなもんモブの事をいちいち覚える訳ねぇだろ!と叫ぶと
「んあ?カツキ、月下の事気になんのか?」
と突拍子もない事を言い出しやがった。
俺はただ、俺よりも上の奴がどんな野郎か気になるだけだ。そう思って翌日から見てみると、さも普通の女だった。
頭が良くてガリ勉ってわけでもなく、誰とでも分け隔てなく愛想を振り撒く、人望もある奴だった。
ぜってぇコイツを超えて俺が一番になってやる。そう思いテストや模試が返却される度に月下の答案を見るも常に満点。
3年の時、なんかウラがあんのかと思って聞くと、個性が記憶だと言った。記憶力が人よりもいいと言っても、数学や読解は記憶だけではどうにもならない。確かに努力で勝ち取った1位だ。
ここまで常に努力し続けるんなら、雄英のヒーロー科とまではいかずとも、経営科や普通科に行くべきだろう。
そう思って雄英を受けるのか聞くと、諦めたような、先を見ていない目で自分の個性は何の役にも立たねぇなんざ言いやがる。
その記憶力があれば、弁護士でも警察官でもWEBマーケターでも何でもなれんだろうが。
なんなら俺が将来ヒーロー事務所を立ち上げたら、そこのWEBマーケターとして雇ってやるから来い。そう言おうとしたが、連れに呼ばれていう事も無く卒業した。
そして雄英に入学し、月下とは一切会わなくなった。
クソ髪の勉強を教えるためにファミレスに入ると、中学ん時のツレが懐かしげに話してきやがった。コーラがなくなり、つぎに行こうとすると、なにやら慣れた手つきでドリンクを補充している店員がいる。
『お客様、お待たせいたしました。』
爆豪「なっ…月下……」
まさかこんな所で会うとは思わず、気づいたら何時に終わるかも聞いていた。
その後、ファミレスを出てクソ髪とも解散し、頃合いを見て再度ファミレスに足を運ぶ。足取りは軽く、10分早く着いてしまい、久々に会って何を話すのか考えていた。
『爆豪君!』
爆豪「っ…。そんな大声で呼ばんでも聞こえとるわ!」
『ひ、久しぶりだね。』
爆豪「…」
服装は、フリルのついたノースリーブにスキニー。
腕にはあまり筋肉がなく、細い。風が吹いた時に、ふわっと甘い香りがした。
──────────
なつside
爆豪君はしばらく黙った後、思い出したかのように足を動かした。
声の掛け方、間違えちゃったかな…そう思い、ちらっと横顔を盗みみても、全く怒った様子はない。
中学の時もこうやって横に歩くことなんて一度もなかった…爆豪君、かっこいいな…
爆豪「…」
『っ!!あっ、あのね!私、やりたい事決まったんだ。』
爆豪「んあ?」
見つめ過ぎて、目が合ってしまい顔を逸らして言うと、爆豪君は耳を傾けてくれる。
『私、経営とマーケティングの勉強をしようと思うの。雄英体育祭を見て、こんな凄い人たちのマーケティングをしたいって思ったの。』
爆豪「…」
『こんな風に思えたの、爆豪君のおかげだよ。』
もともと私には何もなかった。爆豪君が、ふざけんじゃねえって言ってくれたおかげで、3年間ずっと私と競ってくれたおかげで、雄英体育祭でトップを目指す爆豪君をみて、こんな風に思えるようになれた。
『だから、ありがとう。』
いろいろな思いを込めてお礼を言うと、爆豪君は目を見開いて、すぐに顔を逸らされた。首まで赤くなっている。その後の沈黙はどこかふわふわとして心地のいいものだった。
─────
爆豪side
月下に見惚れていると、不思議そうに顔を傾げてくる。その仕草でさえもが可愛く思い、自分の気持ちがバレないように足を動かした。
その後は横から視線が刺さるように感じる。
それを見ると、月下は焦ったように、やりたい事決まったと言ってきた。
『私、経営とマーケティングの勉強をしようと思うの。雄英体育祭を見て、こんな凄い人たちのマーケティングをしたいって思ったの。』
爆豪「…」
『こんな風に思えたの、爆豪君のおかげだよ。………だから、ありがとう。』
月下は何かを見据えて、強い目をしている。微笑んだ月下を、とても綺麗だと思った。顔に熱が溜まるのが分かる。
今はまだ授業や訓練で恋愛に構ってる暇はない。だが俺がトップヒーローになったら、必ず月下を迎えに行く。将来隣で笑ってて欲しいのはコイツだけだ。
むず痒い、それでいて幸せな時間を歩いた
ある青春時代の1ページ。
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キリ番5500番目 みそう様へ
・爆豪
☆シチュエーション
両思い
みそう様、お待たせいたしましたァ!
お話お気に召していただけますと幸いです。
両想いって、むず痒いですよね〜、
これから二人がどうなっていくか、続きが描きたくなるような終わり方になっちゃいました。
けど、この先は皆様のご想像にお任せします(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)
この度は、リクエストくださりありがとうございました!
管理人 ひまわり