Main story
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
合宿3日目。
午前中の我ーズブートキャンプを終えたなつは昼からは耳郎の隣で指先で岩を殴っていた。
細胞活性でドーピングし、指先を鍛える訓練だが指先からは血が出ている。白眼で辺りを見ていると、補修組は半分寝ながらで動きが鈍くなり、切島君は捕縛布で起き上がらされていた。
何のために汗かいて、何のためにグチグチ言われるか、その原点を常に頭に入れながら向上を目指す。そう相澤先生は言ってる。私の原点…それはやっぱり……
なつが爆豪見やると、途端に顔に熱が集まった。
『!?』
何でだ?今までよりも勝己の格好良さが増してる気がする…
なつは顔を横にブンブン振り、訓練に集中した。
ピクシーボブ「ネコネコネコっ!それよりみんな!今日の晩はね、クラス対抗、肝試しを決行するよー!しっかり訓練した後は、しっかり楽しい事がある!ザ・アメとムチィっ!」
耳郎「怖いのマジやだ…」
『欠席ってできないのかなぁ…』
耳郎となつは怖いのが嫌で項垂れている。
物間君は対抗というところに喜んでいるようにみえる。彼も補習で疲れているだろうに、こういう時は元気そう…ほんと凄い。物間は物間だな…と昨日B組女子達から言われていたのを思い出し、フと笑った。
─────
夕食時
なつが昨日と同様野菜をカットしようとすると、爆豪がなつから調理道具を取り上げてナイロン手袋を渡してきた。
爆豪「テメェ指先ボロボロだろうが!洗いもんでもしとけや!」
『っ!!あっ、ありがとう…ございます…』
爆豪「は?」
なつは爆豪からもらったナイロン袋を受け取ると、そそくさと洗い場に走っていった。
取蔭「ねえ、結局どっちの肉にするか決まってないみたいだけど、月下さんはどっちがいい?今日は男子と女子で鍋分けるみたいなんだよね。」
『んー、私はどっちでも良いかな…牛肉も豚肉もどっちも美味しいし。』
取蔭「だよね、私も。」
女子達で話し合おうと言う葉隠の一言で女子達は集まった。けど、皆がどっちでも良いとなり話が全くまとまらない。
じゃんけんで決めるかとまとまりかけた時、なつは『じゃあさ!豚肉と牛肉、両方を半分こしない?』と提案した。
確かにその方が男子達がみて勝った負けたで揉める事も無いだろうとおもい、同パック数ずつで山分けした。
そして夕食時。
男子は結局どっちが勝ったのかと思い見ると男子達の皿は皆じゃがいもしか乗っていなかった。
麗日「あれっ、デク君も飯田君もなんでお肉ないの?」
それ、ただのじゃがやない?と麗日が聞いていると、昨晩男子達はどちらが豚肉にするかの対決で騒ぎすぎて皆肉抜きと言う残念な事になっていたらしい。
男子と女子で分かれて肉じゃがを作ると言うのもそう言う事だったのかと納得していた。
どうりで女子の肉の量が多い。
麗日「それじゃあパワー付かんよ…」
『…先生!私達の分も、男子達に分けてもいいですか?』
芦戸「そうだね!男子女子で分かれずに、みんなで食べようよ!」
A組もB組も女子達は事情を理解し、皆で食べるという決断に至り、皆が相澤に言うと「好きにしろ。」と許可が降りる。
男子達は泣きながら女子達の作った肉じゃがを食べていた。
─────
晩御飯も食べ終え、風呂を済ませた後。
レクリエーションまではまだ時間がある。夜はまだ少し風が冷たくて心地よくなつは体操座りをしながらぼーっと月を眺めていた。
ご飯の時も、今日はまともに勝己と話せなかった……言葉にする事でこんなにも好きが溢れるんだなぁ…
すると、目の前が暗くなり爆豪の匂いがする。ジャージを頭から雑に被された事になつは気づいた。
爆豪「んな薄着で居んなや。それ着とけ。」
『あっ…勝己…確かに、少し肌寒くなってきたね。』
爆豪「…」
『もしかして、この為にジャージ取りに行ってくれたの?』
爆豪「ハァ!?誰がんな事すっかよ!さっさと着て死ね!」
『ありがとう。』
爆豪「ちげえつってんだろうが!人の話聞けや!」
爆豪は目を釣り上げて言うとドカッと隣に腰掛けた。
隣に座っているだけで何も話してこない。なつはジャージに腕を通し、それを羽織った。爆豪とはサイズが全く違い、大きい。それにまた、男の人となった事に実感が湧き、なつは火照る顔を隠すように俯いた。
それから数分。爆豪は右側に何か重みを感じてそちらを見ると、なつが静かに寝息を立てていた。シャンプーの匂いが爆豪の鼻をくすぐる。
爆豪「(コイツ、今日ずっと様子おかしかったけど気のせいだったのか?)」
少しは自分のことを意識してるのかと思っていたが、この寝る早さ。自分に安心しきっているのは良いことだが、簡単に男の前で寝てしまうなつを心配にもなる。全く。自分がいかに理性を保とうと頑張っているか分かってるのかコイツは…
なつの事をチラッと見ると、ため息しか出ない。爆豪は船を漕いでいるなつを起こさないように、自分の膝の上に寝かせた。
『ん…ふぅ……』
爆豪「!!」
髪を耳にかけるとなつは身じろぎをするが、まだ眠っているようでまた寝息を立てた。
『勝己……大…好き……』
爆豪「!!」
昔の夢を見てるのだろうか。なんて寝言言ってやがんだコイツは…俺の方が好きだワ。バカが……けどきっとなつの好きと俺の好きは違う。期待して関係が悪くなるのだけは何とか避けたい。
爆豪はなつの頭を撫でるとまた空を見上げた。
─────
爆豪「なつ、そろそろ起きろ。」
爆豪の声に目を覚ますと、爆豪が上から見下ろしていた。
どういう状況だ。いや、何故私は勝己の膝の上で寝ている?
頭を巡らせ百面相をしていると、「はよ起き上がれや」と勝己が言い、飛び起きた。
『えっと…起こしてくれてありがとう!』
重かったでしょ?ごめんね!と言うと爆豪はスッと立ち上がり、「もうレクリエーション始まんぞ。」と言うと歩いていった。