Main story
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
蝉の鳴く日。
いよいよ林間合宿へ出発する為、なつ達は雄英へと集合していた。
相澤「雄英高は一学期を終え、現在、夏休み期間中に入っている。だが、ヒーローを目指す諸君らに安息の日々は訪れない。
この林間合宿で、さらなる高みへ…プルスウルトラを目指してもらう!」
「「「はい!!」」」
『勝己、いよいよだねっ。』
爆豪「あ?そうだな。」
麗日は緑谷に話に行っている。
が、ビュンッ!となつと爆豪の前を過ぎ緑谷から距離を取っていた。
麗日「ん?あっ…あうう……が!合宿だね!合宿合宿……」
麗日が合宿踊りをしていると、芦戸と上鳴もそれに便乗している。
…お茶子ちゃん、ひょっとして出久君の事が好きなのかな…?
なつがそう考えていると、B組側から物間が急に出てきた。
物間「えっ、なになに?!A組補習いるの〜!?つまり期末で赤点取った人がいるって事〜っ!?ええ!?おかしくない?おかしくない!?
A組はB組よりずっと優秀なはずなのに!?あれれれれれ………」
物間は拳道の手刀で倒れた。
拳道「ごめんなー。」
『えっと…』
拳道が物間をバスへ連れて行くと、B組の柳が口を開いた。
柳「物間、怖っ…」
緑谷「あっ、B組の!」
取蔭「体育祭じゃ、何やかんやあったけど、まっ、よろしくね、A組!」
小大「んっ」
小大は頷いている。
拳道「バス乗るよー!」
柳・取蔭「はーい」
B組は拳道の声により、ゾロゾロとバスに乗って行った。
峰田「A組だけじゃなく、B組の女子まで……!より取り見取りかよ…!!!」
切島「お前、ダメだぞ。そろそろ。」
峰田は性欲の権化。脳内セクハラをして涎を垂らしており、切島に冷たく注意されていた。
爆豪「…」
『勝己?』
峰田の姿を見て爆豪はなつの腕を引く。
なつが首を傾げるも、爆豪は腕を放さない。
飯田「A組のバスはこっちだ!席順に並びたまえ!!」
『飯田君、普段以上に張り切ってるね。』
飯田「峰田くん! そっちはB組のバスだぞ。早く席順に並びたまえ!」
飯田に言われた峰田はしぶしぶA組バス乗り場に集まった。
飯田「では、みんな席順で乗りこもう!」
芦戸「えー、席順じゃなくてもいいじゃん。適当に自由に座ろうよー。」
飯田「しかし、席順のほうがスッと座っていけるではないか?」
芦戸「だぁって、せっかくの合宿なのにいつもと同じ席順じゃつまんないじゃん。」
芦戸「芦戸くん、合宿は学校行事なのだから、つまらないとかいう感情は関係ないのでは。」
上鳴「俺も自由に座りてー」
上鳴と芦戸から言われ、飯田は少し考えてから口を開いた。
飯田「では、ここは多数決でーー」
相澤「いいからさっさと乗れ。邪魔だ。」
飯田の言葉を遮った相澤のこの言葉で、A組はさっきまでのモタモタを見せず、さささっとバスに乗りこんでいった。
今回は、車内は左右に二席ずつに分かれている四列シートの典型的な観光バスの造りだ。
爆豪はなつの腕を引いたままバスに乗り込むと、なつに窓際を譲り、峰田の視界から守るように隣に座った。
車内でも皆はどこに座るかザワザワと騒いでいる。
爆豪はなつの腕から手を離すと、自分の右肩を叩いた。
『勝己、どうしたの?』
爆豪「…寝てろや。」
『うん?』
なつは爆豪の肩に頭を置き、目を瞑った。
相澤「どこでもいいからさっさと座れ。」
常闇尾白瀬呂峰田砂藤
月下爆豪 口田障子
蛙吹麗日 耳郎八百万
蒼山轟 緑谷飯田
葉隠芦戸 切島上鳴
相澤
右往左往している車内も、相澤の鶴の一声で収まるも、ささっと座り出す。
だが、バスが進むにつれてまた騒ぎ出した。
切島「音楽流そうぜ!夏っぽいの!チューブだ、チューブ!」
上鳴「バッカ、夏といや、キャロルの夏の終わりだぜ」
切島「終わるのかよ」
スマホ片手に騒いでいる切島達の隣では、葉隠と芦戸が尻取りをしている。
相澤「お前ら!1時間後に一回バスを停車させる。その後しばらく…」
相澤が振り向くと、小学生のような騒ぎよう。
相澤「ああ…まぁいいか。ワイワイできるのも今のうちだけだ。」
何度注意しても、騒ぎが蘇ってくるのはわかりきっている相澤は諦めて目をつぶった。
梅雨がお茶子に赤く細長い箱を差し出した。
蛙吹「お茶子ちゃん、ポッキー食べる?」
麗日「食べるー!」
蛙吹「なつちゃんも食べる?」
蛙吹と麗日が後ろの席を見ると、ドカンと腰を深くかけて腕を組んでいる爆豪の肩に、なつは頭を置いて眠っていた。
麗日「なつちゃん寝とるね。」
蛙吹「…なつちゃん、かわいいわ。」
カシャ
爆豪「撮んじゃねえ!」
麗日「うぉっ、爆豪君起きてたん!」
蛙吹「大丈夫よ、後で送ってあげるから。」
爆豪「冗談じゃねえ!さっさと寄越せや!」
麗日「欲しいんやね。」
蛙吹「好きね、爆豪ちゃん。」
爆豪「うるせぇ!コイツが起きんだろうが!」
爆豪はなつを起こさないように、声のトーンを落としている。
麗日と蛙吹は彼なりの気遣いに気づき、前を向いてまた二人でお菓子を食べた。
─────
バスが進んで何分だった頃か、青山が車酔いし始めた事をきっかけに車内ではしりとりが始まっていた。
上鳴からスタートで、右回り。
常闇の言った“丑三つ”の“つ”からだ。
麗日「じゃ、なつちゃんは寝ちゃってるから、次は爆豪くん…って、寝てる。」
瀬呂「おーい、爆豪起きろよ~。お前の番だぞ~。」
爆豪「...んあ?」
『ん……なに…?』
瀬呂に揺さぶられ爆豪は目を覚まし、肩から頭が落ちた事でなつも目を覚ました。
瀬呂「お前の番だって、しりとり」
麗日「“つ”だよ。爆豪くん。“つ”!」
寝起きの爆豪は、みんなからの視線を集めて不機嫌そうな顔をした。
爆豪「......あぁ?しりとりだあ?」
麗日「うん、“つ”。」
爆豪は自分を見ている緑谷と目が合い、さらに機嫌を悪くした。
爆豪「つまんねーことしてんじゃねえ! ガキか!!!」
『“か”かぁ…』
爆豪「勝手に繋げてんじゃねぇ!」
『開花!そろそろ向日葵が咲く頃だよね〜。』
爆豪「無視してんじゃねぇ!」
轟「なつは花に詳しいな。」
麗日「花好きやもんね!梅雨ちゃんが『か』といえば、やっぱり……」
蛙吹「カエル…にしようかと思ったけど、カタツムリにするわ。」
麗日「“り”かぁ~…“り”…旅費!」
蛙吹「“ひ”よ、青山ちゃん。具合は…」
青山「うえっぷ…」
青山はまだ青い顔をしてぐったりとしていた。
なつは事情がわからず、麗日に聞くとどうやら鏡の見過ぎで酔ってしまったらしい。
『あっ、なら私治すよ?』
そう言い席を立とうとすると、爆豪がなつの腕を掴んだ。
『?どうかした?』
爆豪「行くな。」
『勝己…?』
青山の隣は轟。直接は聞いてないが、轟がなつに特別な感情を持っていると確信している。
行かせたくないと思い、気づいたら手を掴んでいたのだ。
絞り出すように、なつにしか聞こえないくらいの大きさでそう呟いた爆豪を見て、なつは座った。
その二人の事は皆は知らず、しりとりは続いている。
蛙吹「まだ無理そうね...。それじゃ、先に轟ちゃんに答えてもらおうかしら。」
轟「あぁ…“ひ”だったな…。“ひ”……“ひ”……氷点。」
緑谷「…終わっちゃったよ、轟くん!」
芦戸「ええ~っ、答えたかったのにい!」
轟「あ、わりい。」
芦戸のブーブー言うのも轟が気にする事なく謝罪すると、飯田が仕切り直そうと言い出した。
だが、青山を見ている蛙吹の言葉にしりとりはやめて、クイズにするとの話になっていた。
爆豪「寝れる時に寝とけや。」
林間合宿先に着いたらきっとハードになる。
なつは個性を使うと眠くなる為人一倍睡眠が必要になる。
だからこその爆豪の言葉に、なつはまた爆豪の肩に頭を置いた。