Story of episode 77.5
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合宿前の7月末
雄英高は夏休みでも訓練を望む生徒に向け、特別講習を行なっている。
今日はその初日。爆豪は特別講習が終わり、なつの家へと出向いていた。
『勝己!お疲れ様、どうだった?』
爆豪「っ……愛なんて………」
『?特別講習で何してきたの…?』
爆豪「うっせー!行くぞ!」
『あっ、うん!』
爆豪は何やら目を吊り上げている。
ズカズカと先に歩いて行く爆豪をなつは追いかけた。
─空港─
切島「おう、爆豪!…と、月下!?」
爆豪「…」
切島はなつを見て驚きを隠せないでいた。
切島「あれっ、何で月下が…」
『?勝己、言ってなかったの?』
爆豪「ああ?…あ。」
どうやら言うのを忘れていたようで、事情を説明すると、切島は男前に「なるほどな!」と笑った。
切島「そんじゃあ、逆に俺の方が邪魔になんねーか?爆豪!」
爆豪「邪魔なわけあるかァ!!」
切島「そっ、そうか!なら、よろしくな!」
『うんっ!よろしくね、切島君!私、飛行機乗るの初めてでワクワクしてたんだぁ!』
なつと切島は爆豪にも話をふりつつ、3人で飛行機に乗り込んだ。
切島「月下!もう雲の上…って寝てんのか?」
爆豪「…」
なつを見ると首を振りこのようにガックンガックンしている。
爆豪はなつの頭を自分の肩に乗せた。
切島「爆g…」
爆豪「…何も言うんじゃねえ。」
爆豪はなつの頭を撫でると、自分も目を瞑った。
─────
切島「見えてきたぜ!一万人以上の科学者達が住む、学術人口都市“I・アイランド”!!」
切島はなつと爆豪に声をかけ、外を見た。
爆豪「うっせー!なつ、起きろや!」
『ん…んん……勝己…おはよ。』
切島「月下!もう着くぜ!」
『わぁっ!楽しみ!』
機内アナウンス「えー、当機は間も無くI・アイランドの着陸体制に入ります。」
ポンっと音が鳴ると、なつ達は着陸の支度をした。
──────────
I・アイランド空港
アナウンス「ただいまより、入国審査を開始します。」
なつ達は、床が自動で動く入国審査へと入って行った。
青いレーザーで自動解析されると、データが画面として出、認証が終わったのか扉が開く。
アナウンス「入国審査が完了しました。
現在、I・アイランドでは様々な研究開発の成果を展示した博覧会、“I・エキスポ”のプレオープン中です。
招待状をお持ちであれば、ぜひお立ち寄りください。」
『わぁ!!』
切島「スッゲェ!!」
『凄いね!早くエキスポ行こ!』
爆豪「その前にホテルに荷物置いて着替えてからだろうがァ!!」
爆豪の言葉になつ達はホテルに向かう。
爆豪「ハァ!?何でだ!」
「申し訳ございません。こちらの招待チケットは3名人組様ですので、客室も一部屋となっております。」
爆豪「ああ!?なつと同室で寝ろってか!?」
『勝己どうしたの?』
切島「いやぁ………」
エントランスで座って待っていると、爆豪の怒鳴り声が聞こえなつはそちらに行くと切島も困った様子だった。
「お部屋ですが、一部屋しかご用意がなく、他のお部屋が全部屋満室でして…」
『別に私同室でも良いよ?』
切島・爆豪「はぁ!?」
『だって、3名1組のチケットなんだよね?よく考えれば確かに一部屋しかないかーって思うんだけど…』
切島「け、けどよ!月下は女子だし…」
『私一人で泊まる方が寂しいから、二人と同じで良いんだけど…せっかくの旅行、楽しもうよ!』
「ここで揉めて、追い出される方が嫌だし!」そう付け足して笑うなつを見て、爆豪は舌打ちをすると宿泊の手続きを済ませた。
──────────
『わぁ〜!!お部屋すっごく広い!ベッド大きい!!』
切島「っ…」
爆豪「おいクソ髪。見んなや。」
スカートのままベッドに寝転ぶなつの太ももがチラチラと見え、切島が目線に困っていると爆豪はなつの首根っこを掴んでベッドからおろした。
爆豪「なつも、やめろや!クソ髪もいんだぞ!」
『あっ…、ごめんね!』
切島「い、いや!俺もごめんな!」
爆豪「さっさと着替えてエキスポ行くぞ。」
なつが慌てて謝罪すると、爆豪はなつを先に脱衣所で着替えさせ、男二人はそのまま部屋で着替えていた。
切島「一般公開前のプレオープンなのに、こんなに人いんだなぁ。」
I・エキスポに多くの人で賑わっていた。
カプセルの中に入り、空遊移動する乗り物や、波をモチーフにした噴水のようなもの。
その噴水が上がると、welcomeという文字が描かれる。
『凄い!ウェルカムだってー!わーっ!あの建物素敵!!』
なつは目をキラキラと光らせていた。
切島「爆豪、ホントに俺邪魔になんねえか?」
爆豪「あ?普通になんねえだろ。」
楽しそうななつをみて微笑んでいる爆豪に切島が言うと、爆豪は顔の緩みを治して答えた。
ドゴオオオオン!!!
『なにっ!?』
切島「なんかあっちで音がしたな。行ってみようぜ!」
3人が衝撃音の元に向かうと、ヴィラン・アタックというアトラクションが繰り広げられていた。
切島「楽しそうだな!やってみようぜ、爆豪!」
爆豪「俺が一番だ。」
『私もやりたい!』
じゃんけんの結果、なつ→切島→爆豪での体験となった。
『よしっ、1位狙うぞ!』
司会者「それでは、ヴィラン・アタック…レディゴー!」
『白眼!』
なつは白眼でヴィランロボを捕捉すると、地中に伸ばしていた髪でヴィランを一斉追撃した。
司会者「見た目によらず、すごい…!クリアタイム19秒、トップです!!」
『やったぁ!』
爆豪「ケッ。俺ならもっと行ける。」
切島「その新技、スゲェよなぁ!よっしゃ、次は俺だな。負けねえぜ!」
司会者「それでは、ヴィラン・アタック…レディゴー!」
切島は個性を硬化させ、次々にヴィランを殴り倒し、衝撃音と共に煙が立ち込める。
司会者「クリアタイム33秒!第8位です!」
切島「クソー!もっかいやりてえ!!」
爆豪「ハッ!次は俺だァ!よく見とけや!」
司会者「さあ、次なるチャレンジャーは?」
爆豪は自信満々に歩いていく。
司会者「それでは、ヴィラン・アタック…レディゴー!」
爆豪は一気に爆破で飛び次々に破壊していった。
爆豪「ええい!はっだっふっ…ふっ…死ねぇっ!!」
司会者「これはすごい…!クリアタイム15秒、トップです!!」
観客たちは歓声をあびせた。
爆豪「フンっ」
爆豪がドヤ顔で歩くと切島が何かに気づく。
切島「あれ、あそこにいるの緑谷じゃね?」
爆豪「ん?」
『へ?…あっ、ホントだ!!出久くーん!!』
爆豪が見上げると、「あっ…ハハハハハ…」と緑谷は苦笑いしており、爆豪がジャンプして手摺に飛びつくと、「うわっ!」と声をあげていた。
爆豪「何でてめえがここにいるんだァ!!?」
緑谷「やっ、やめようよかっちゃん…!人が見てるから…!」
爆豪「だから何だっつんだ!!」
飯田は緑谷を庇って間にはいる。
飯田「やめたまえ!爆豪君!」
爆豪「てめえに用はねえんだよ!!こんな所でまで委員長面すんじゃねぇ!」
飯田「委員長はどこでも委員長だ!」
爆豪は怒鳴っている。
メリッサ「あの子どうして怒ってるの?」
耳郎「いつもの事です。」
麗日「男の因縁ってやつです。」
その声になつがそちらを向くと、八百万と麗日、耳郎そして知らない女の子が居た。
麗日「切島君もエキスポへ招待受けたん?」
切島「いや、招待されたのは雄英体育祭で優勝した爆豪。俺はその付き添い。」
麗日「えっ!爆豪君てなつちゃん誘ったんやなかったっけ?てっきりデートかと…」
『だから言ってたじゃん!デートじゃないって!』
麗日「いやぁ、照れ隠しかと思っとった!」
麗日は失敬失敬と笑っている。
切島「何?これからみんなであれ、挑戦すんの?」
爆豪「やるだけムダだ!俺の方が上に決まってんだからな。」
緑谷「うん、そうだね。うん。」
麗日「でも、やってみなきゃ分からないんじゃないかな?」
緑谷「うん、そうだね。……って…」
爆豪は柵を乗り越える。
爆豪「だったら早よ出て惨めな結果出してこいや!!クソナードがァ!!!」
緑谷「は、はい!」
緑谷は下に降りた。
司会者「さて、飛び入りで参加してくれたチャレンジャー!一体どんな記録を出してくれるのでしょうか!?」
緑谷「(やると決めたからには……ワン・フォー・オール、フルカウル!)」
司会者「ヴィランアタック、レディゴー!」
メリッサ「あっ…」
緑谷は合図とともに走り出し、素早く岩を上った。
緑谷「(腕を痛めないように、5%の力で…!!)」
緑谷は次々とヴィランを倒していく。
司会者「これもすごい!!16秒!第2位です!!」
メリッサ「(すごい瞬発力……それに破壊力……まるでマイトおじ様みたい……でも……)」
戻ってきた緑谷に、麗日と飯田は話しかける。
麗日「ん〜っ!惜しい!!」
飯田「さすがだな。緑谷くん。」
緑谷「まさか、かっちゃんの記録にここまで迫れるなんて…!」
爆豪「だぁっ!!クソありえねえ!もっかい突き放したらぁ!!!」
地響きがなり、二人はそちらを見ると轟が氷結を繰り出していた。
司会者「ひゃ〜っ!!すごいすごいすごい!!じゅ…14秒!!!現在トップに踊り出ました!!」
『轟君!』
メリッサ「彼もクラスメイト?」
八百万「はい。」
メリッサ「みんなすごいわね!さすがヒーローの卵!」
メリッサが言うと、女子達は嬉しそうに微笑んだ。