Main story II
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そして、次の日。
なつは時間の10分前に、駅前についていた。
『お待たせ!ごめんね遅くなって。』
轟「いや、俺も今来たところだから。」
なつの服装は、白とオレンジのグラデーションの膝下まであるワンピースでとても涼しげ。
轟はなつをじっと見ていた。
轟「私服。初めて見た。」
『確かに、休日に会うの初めてだね。』
轟「ああ。可愛いな。」
『かっ!!!!!?』
轟「…顔赤いぞ。熱か?」
『違うよ!』
轟「熱中症か?」
『ちっ違うよ!!お花!早く買いに行こ!』
轟「…けど、なつがしんどいなら別日でも…」
『大丈夫だから!行こっ!』
無意識に真面目に聞いている轟をみて、なつは恥ずかしいのを隠すため、先々と歩いた。
『本当に私が選んでもいいの?』
轟「ああ。なつに選んで欲しい。」
選んだのは、オレンジのガーベラとピンクのカーネーションで作って貰ったプリザードフラワー。
轟「…なつはその花が好きなのか?」
『お花は何でも好きだよ。けど、コレは花言葉が…』
轟「花言葉か。どう言う意味なんだ?」
『ガーベラは希望や前進。ピンクのカーネーションは愛。焦凍くんの家族みんなが希望を持って愛に包まれるように、前進しますようにって……言葉にするとちょっと恥ずかしいね。』
轟「いや、ありがとう。」
轟は恥ずかしそうに笑うなつをみて、優しく微笑んだ。
白くて大きな病院に着くと、待合ロビーは会計などを待っている患者たちで混雑している。
轟はそんな光景を横目に、エレベーターに乗りこんだ。なつも轟を追ってエレベーターに乗り込む。
上昇する階数の表示を見ながら、なつは緊張してると、轟は口を開いた。
轟「緊張してんのか?」
『えっ…うん。』
轟「俺も、初めて来た時は緊張した。ドア開ける時、手が震えてて初めて緊張してる事に気づいた。」
轟が初めて病院に来たのは体育祭の後。
どれだけの思いがあるのか、想像もつかないくらいたくさんの思いを募らせてたんだろう。
なつは頷くと、轟はまた口を開く。
轟「けど、もう大丈夫だから。」
軽い音とともにエレベーターのドアが開く。
病院に着くと、轟は部屋の前に来て、軽く息を吐いてからドアを開けた。
轟「....お母さん。」
冷「焦凍?」
窓辺に座っていた轟の母親が振り返る。
格子の嵌められた窓を背負ってやわらかな笑みを浮かべた瞳が、わずかに見開かれた。
『はじめまして。私、轟くんの同じクラスの友達の月下、』
冷「あなた、もしかしてなつさん?」
『はいっ』
なつが驚いていると冷は嬉しそうに微笑んだ。
轟「母さん、これ。なつが選んでくれた。」
冷「まぁ、可愛いお花。凄く嬉しいわ。よかったら、座って。なつさんも。」
そう言って、椅子を差し出すとなつと轟は、すすめられた椅子に腰を下ろした。
冷は嬉しそうになつを見る。
なつは、とてもむず痒くなっていた。
冷「焦凍から、なつさんの話はよく聞いてたの。こんなに可愛い子とお友達なんて、焦凍も隅におけないわね。ふふっ」
『かっ、可愛いだなんてそんなっ』
轟「ああ。なつは可愛いと思う。」
『焦凍!?』
冷「あらっ。」
轟は恥じることも無く、そう答える。
そんなことを言う息子に、冷は嬉しそうに目を細めた。
冷「なつさん、焦凍は学校ではどんな感じなの?」
…辛かったこととも目を背けず、辛い思いをしてきたからこそ、普通よりも人の表情の変化に気づきやすい。
『……とても強くて、優しいです。皆んなからも頼りにされていて、少し天然な所もあって…私も、焦凍君には何度も助けられました。』
真剣に言葉を繋げるなつに、冷はまた幸せそうに優しく頷く。
それからは、冷となつが話し、時々轟が答える。時間はあっという間に過ぎて行った。
冷「なつさん、これからも焦凍の事よろしくね。」
『はい。』
轟「じゃあ、母さん。また来るよ。」
冷「あっ、焦凍。─────」
轟「?分かった。」
何やら二人が話した後、なつ達は病院を出た。
─────
八百万に連絡したら、死柄木弔が出現したらしく、被害はゼロだが一時的にショッピングモールが閉鎖し、解散したらしい。
こちらも解散しようかと言うと、轟が家まで送ると言い、二人は一緒に歩いていた。
『お母さん、とても優しい人だね。焦凍君に似てる。』
轟「そうか。……ありがとうな。」
『ん?』
轟「母さん、嬉しそうだった。」
轟の表情はあまり変わらないが、どこも無く嬉しそうに見える。
割と早く家に着き、轟は帰って行った。