Main story I
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マイク「ハイスタートー!!!」
なつはその合図と同時に白眼を開眼し、ヴィランの元へ細胞活性で両足をドーピングし、走った。
マイク「どうしたあ!?合図と同時に出たのは、ガール1人じゃねぇかぁ!!
実戦じゃカウントなんざねえんだよ?!走れ走れぇ!!!賽は投げられてんぞ!?」
なつはもうすでに街中でヴィランを見つけていた。
敵「標的補足…ブッ殺ース!!」
『3P!』
白眼を開眼したままのなつは、ヴィランの脆い部分を見つけ、そこを蹴り攻撃して破壊する。
その後も、なつは同じ要領で倒して行った。
『これで15ポイント…!』
「いてぇ!!」
白眼で見ると、ヴィランと戦って足を負傷し、狙われている学生がいる。
なつは走って蹴り付け、その1Pヴィランを倒した。
『大丈夫!?』
「足が折れて…!」
『!大丈夫!じっとして!』
なつは頭に手を置くと、緑色の光が発生し、みるみる足や傷が癒えていった。
「治ってる!」
『もう大丈夫!お互い頑張ろうね!』
なつはそういうと、白眼で怪我してる人の手当に走った。
ドカン!と0ギミックの巨大ヴィランが現れた。
「わぁ!!逃げろ!!」
ギミックは街を破壊していく。
なつが白眼で見ると、女の子が瓦礫に挟まり怪我していた。
マイク「残り2分を切ったぜぇ!!」
「いてっ…たぁ…!」
『大丈夫、すぐに治すから!』
ドーピング効果はまだある。なつは走って女子の元へ行き、足の怪我を治していく。
「ありがとう!…あっ!」
『私がなんとかするから、逃げてっ…』
女の子が走って逃げたのを見届けると、ドーピング効果がちょうど切れ、なつはその場に倒れた。
マイク「試験終了ー!」
─────
目が覚めると、保健室のベッドで寝ていた。
隣はカーテンに仕切られている。
『!!ここは…』
リカバリーガール「目が覚めたかい?」
『あっ…はい…』
リカバリーガール「演習会場Cはあんた以外誰も怪我してなかったけど、治癒の個性持ってるのかい?」
『えっと…はい…細胞活性化の…』
リカバリーガール「治癒できたとしても、あんたは個性の使いすぎだよ。自分の身のことも考えな。人を治して自分が倒れてちゃ訳ないさね。」
『つい…はは…』
…16ポイントしか稼げなかった……落ちちゃったかも…
リカバリーガール「今日はもうグミ食べて帰りなさい。疲れも溜まってるだろうから、よく眠るんだよ。」
なつはお辞儀をして保健室を出た。
『爆豪君………待っててくれたの?』
爆豪「別に待ってネーわ!!身体は大丈夫なんか!?」
『うん。』
なつと爆豪は帰り道、全く話さない。
『試験、どうだった?』
爆豪「あ?んなもん、完膚なきまでの一位に決まってんだろうが!」
『凄いね…私なんか、16ポイントしかヴィラン倒せなかった…』
爆豪「ハッ!お前のことだ。どーせモブ共を助けてたんだろ。」
『はは、よく分かるね…』
爆豪の言葉になつが苦笑いをしていると、小さな声で「大丈夫だ。」と聞こえてきた。
『え?』
爆豪「俺と同じ高校に来るんだろうが!?」
『うん…』
爆豪「なら余計なこと悩むな!受かってねーと殺す!!」
爆豪は前を見て言うが、なつはその横顔に安心した。
『凄いや…』
爆豪「…」
『爆豪君に言われると、大丈夫って思ってきちゃった…さすが私のヒーローだね!
よし!私は絶対受かる!受かるぞー!」
なつは爆豪の腕にくっつき、笑顔で拳を掲げた。
爆豪「離れろ!歩きずらいワ!」
『えへへ。』
爆豪に言われるも、笑顔でいると、爆豪はため息をつき、諦めた。
───1週間後───
買い物から帰った細雪は、手に封筒を持っていた。
細雪「なつ!来てたわよ!雄英から通知!!」
『えっ!みるみる!』
なつは封筒を受け取り、部屋に入った。
『受かってますように…!』
封筒を破ると中には機械があり、ボタンを押すと画面が投影された。
リカバリーガール「やぁ、入試以来だね。」
『リカバリーガール…!』
リカバリーガール「月下さんの成績は、筆記は一般入試の3位合格。実技ではヴィランポイントが16ポイント。このポイントだと、実技では落ちてるさね。」
『(…だめだった…)』
リカバリーガールは言葉を続ける。
リカバリーガール「だけど、先日の入試、見ていたのは敵Pのみにあらず。レスキューポイントっていうものがあるんだよ。」
『レスキューポイント…』
リカバリーガール「レスキューポイントは審査制。我々雄英が見ていたもう一つの基礎能力。アンタさんは常にライバルであるはずの他の生徒を助けに個性をフル活用していた。
そして、大型ヴィランが出現した時も、怪我した子を助けるために、動きを止めてその子を助けてたね。…人助けを…正しいこと。人救けした人間を排斥するヒーロー科なんて無いさね。よって、月下なつ。
レスキューポイント60P!一般入試第2位の成績だよ。おめでとう。」
『そんな事って…』
リカバリーガール「おいで。ここが、アンタさんのヒーローアカデミアだ!」
『はいっ!』
なつは細雪に伝えると、爆豪の家へ行こうと扉を開けた。
『爆豪君!!』
爆豪「!!」
爆豪もなつの家に向かおうと、ちょうど門の前に立っておりなつは爆豪に飛びついた。爆豪は抱き止める。
『受かったよ!!2位だって!高校でも一緒だ!!爆豪君は一位通過だよね!』
爆豪「とーぜん。」
細雪「あら!かっちゃんいらっしゃい。」
爆豪「!!………ッス。」
爆豪は、急いでなつを離すが、それを見た細雪は優しく微笑んだ。
細雪「光己ともさっき電話したんだけど、今日はウチでご馳走よ!上がってらっしゃい。」
細雪の圧がすごく、爆豪は断れずに家へと上がった。
───晩御飯───
机にはたくさんのご馳走が並んでいる。
細雪「それでは、なつ、かっちゃん!雄英合格おめでとう!」
『ありがとう!』
爆豪「…っス」
光己「勝己もなつちゃんみたいに喜べばいいのにねぇ!可愛くねぇ!」
爆豪「うっセーババア!」
光己「誰がババアだ!テメェ口の悪さ治せや!」
爆豪は光己に文句を言いながらも、美味しそうにご飯を食べているなつを見ていた。
細雪「ほんと仲良しよねぇ。今日なんて、玄関先でハグしてたのよ〜!」
爆豪「ぶっ!!」
光己「お!!!?ついに!!?よくやった勝己!」
勝「なつちゃんが娘になるのも近いのかなぁ。」
白馬「勝己くん!?どう言う事だ!付き合うのは……まぁ、いいが………そういうことするのは場所をわきまえなさい。」
『お父さん、勝己君とはそう言うのじゃないよ?嬉しくて飛びついちゃっただけ。昔からのスキンシップじゃん。ただの幼馴染なのに失礼だよ?』
なつはそう言いながらも、また美味しそうにご飯を食べている。
光己「あんた…見てるだけじゃなくて、なつちゃんが世間からモテる前にモノにしなさいよ」
勝己「チッ」
細雪は、娘に言われショックを受けている白馬を慰めていた。