Main story II
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門の前にはまだ誰も居らず、なつだけだった。
『ふぅ…』
爆豪「ぉ…」
『勝己…』
爆豪「ずっとここに居たのか。」
『ううん、今来た所だよ。勝己は、いつもの精神統一してたんでしょ?』
爆豪「…」
爆豪は何も言わない。それどころか、普段よりもピリピリとした雰囲気が二人の中に漂っていた。
そして、峰田・瀬呂チームのアナウンスが流れた頃、緑谷が走ってくる。
緑谷は一番に爆豪に目を止め、爆豪も一度緑谷を見るとまた扉を見据えた。
爆豪「…」
緑谷「…」
『…』
爆豪「んっ…」
そして、サイレンの音が鳴る。
「緑谷、爆豪、月下チーム演習試験、レディゴー」
爆豪は緑谷を睨み、緑谷が戸惑っていると爆豪は歩き出した。
爆豪が歩き出すと、緑谷は後を追いかける。そしてなつもその後を追いかけた。
緑谷「(言わなくちゃ…かっちゃんとはチームなんだから…!ちゃんと話し合わないと!!)か…かっちゃん!」
緑谷は爆豪の隣へと急ぐ。
緑谷「この試験は、先生がヴィラン役で僕たちがヒーロー役という設定で…つまり、ヴィランの戦闘能力を鑑みて、戦うか逃げるかを選択するわけだけど…僕らの場合、ヴィランはオールマイトでオールマイトと戦うのは危険というか、愚の骨頂だと思うから……って」
爆豪が足を早めると、緑谷はそれを追いかけた。
緑谷「待ってよかっちゃん!」
爆豪「ついてくんな!!」
…やっぱり、この二人は私を見てない…
緑谷は怯んで足を止めるが、歩く爆豪を追いかける。
緑谷「ま…まっすぐ進めば、オールマイトが待ち構えてるはず!!ここは迂回して…」
爆豪「なんで逃げなきゃなんねえんだ!?ぶっ倒した方がいいに決まってんだろうが!!」
緑谷「せ…戦闘は何があっても避けるべきだって…!!」
爆豪「終盤まで翻弄して、疲弊したとこ俺がぶっ潰す!!」
『………』
緑谷は足を止めた。
緑谷「あっ…(やっぱり、どうしてもかっちゃんには苦手意識が……でもそんなこと今は言ってらんない…!!)」
緑谷はまた爆豪を追いかけた。
緑谷「オールマイトをな…何だと思ってんのさ!!いくらハンデがあっても、かっちゃんがオールマイトに勝つなんて…!!」
爆豪「くっ」
緑谷「ああっ!!うっ…!!」
爆豪は右手を後ろに回し、緑谷はそれにあたり倒れ、なつは緑谷に寄り添った。
緑谷「うっ……うっ……」
『出久君っ…ちょっと勝己!』
爆豪「これ以上喋んな……」
『!!………』
爆豪は、むかつき目が見開く。
だが、怒鳴るのを抑えようと言葉を発した。
爆豪「ちょっと調子がいいからって喋んな!ムカつくから…!」
緑谷はなつが見えていないのか、また歩き出した爆豪を追いかける。
緑谷「待ってよかっちゃん!!試験に合格するために僕は言ってるんだよ!?聞いてってかっちゃん!」
爆豪「だぁから!!!てめぇの力なんざ合格に必要ねえっつってんだ!」
緑谷「怒鳴らないでよ!それでいつも会話にならないんだよ!!」
その時、前からものすごい風圧が襲ってきた。
『っ…!!』
爆豪「うっ…」
緑谷「ああっ!!」
街は一瞬にして破壊される。
三人が立ち上がると、奥からオールマイトが歩いて来た。
オールマイト「街への被害なんざクソ喰らえだ!」
『(何っ……!?)』
緑谷「(何だ…何だ…!?)」
爆豪「(何だ……!?……この…)」
三人「(威圧感は…!!)」
オールマイトが足を床にキツく置くと、また街が破壊される。
オールマイト「試験だなどと考えていると痛い目見るぞ。」
三人「ぐっ…」
オールマイト「私はヴィランだ。ヒーローよ…真心込めて!かかって来い!!!」
緑谷「ハッ…!!正面戦闘はマズい…逃げよう!!」
爆豪「俺に指図すんな!」
緑谷は逃げ、爆豪はそう叫ぶ。
なつは白眼を開き、構えた。
そしてオールマイトは爆豪に向かってくる。
緑谷「かっちゃん!!」
爆豪「スタングレネード!!」
爆豪はものすごい閃光弾を撃つ。
オールマイトは足を止めて目を塞いだ。
爆豪「かかって来いだと!?オールマイト!!言われねぇでも、はなから…!!」
爆豪がオールマイトにかかっていくも、顔面を鷲掴みにされた。
爆豪「そのつもりだよ!!!」
オールマイト「んっ…」
オールマイトの顔面の前で爆豪は爆発を連打する。
オールマイト「ううっ……痛たたた……」
それでもオールマイトは手を離さない。
オールマイト「普通顔掴まれたら、反射的に引き剥がそうとするもんだ…私をマジで倒す気しか無いようだな…!」
オールマイトは左手で爆豪の右手を掴むと、掴んでいた頭と一緒に地面に叩きつける。
爆豪「ぐっ…!!あっ……かはっ…」
『勝己っ!!』
オールマイト「そんな弱連打じゃ、ちょい痛いだけだがなぁ。そして…」
緑谷「あっ…」
オールマイトは素早く緑谷の背後に行った。
オールマイト「君も君だ、緑谷少年。チームを置いて逃げるのかい?」
緑谷「ああっ…!!(なんでヒーロー殺しを思い出す!?)」
『出久君っ…!!』
緑谷は後ろにジャンプしてオールマイトと距離を取った。
オールマイト「おっと、そいつはよくない。」
爆豪「バッ…どけぇ!!」
緑谷「あっ…かっちゃん…」
オールマイトに向かっていた爆豪と、後ろに飛んだ緑谷はぶつかった。
緑谷「かっちゃん!」
爆豪「どけ……」
緑谷「だから、正面からぶつかって勝てるはずないだろ!!?」
爆豪「喋んな…勝つんだよ………それが………!!ヒーローなんだから……!!」
緑谷「!!」
『っ…』
…だめだ、二人になんて言えば……
緑谷は前を歩く爆豪をまた追いかけ、左腕を掴む。
緑谷「じゃあ尚更ここでの戦闘は…!!」
爆豪「離せ、触んな!!」
……私が見えていない二人に、なんて言えば……
爆豪はそれを振り払った。
オールマイト「とりあえず…!」
爆豪緑谷「あっ」
揉めている2人は上を見る。
オールマイト「逃げたい君には!こいつをプレゼントだ!!」
緑谷は、ガードレールで地面に押し付けられ動けなくされた。
緑谷「うっ!!」
爆豪「チッ…」
爆豪がすかさず攻撃しようとするも、オールマイトはそれよりも早く動き爆豪の腹を殴りとばす。
爆豪「うえっ」
緑谷「かっちゃん!!!」
『勝己!!』
爆豪は呻き声を上げ、動けなくなっていた。
緑谷「うっ……」
爆豪は、苦しくて吐くが、立ちあがろうとしていた。
オールマイトは爆豪に近寄る。
オールマイト「君が苛立っている原因は分かるよ。緑谷少年の急成長だろ?」
爆豪「ハッ…」
爆豪は動きを止めた。
オールマイト「でもさ、レベル1とレベル50の力……成長速度が同じはずがないだろう?もったいないんだ君は。分かるか?分かってんだろ!?
君だってまだ、いくらでも成長出来るんだ!でもそれは力じゃない!」
爆豪「黙れよオールマイト…」
オールマイト「ん?」
爆豪「あのクソの力、借りるくらいなら…負けた方がまだ…マシだぁ…!!」
緑谷「!!」
オールマイト「………」
爆豪は苦しそうに言う。
それまで、どうすべきか悩んでいたなつだが、プチッと何かが切れ、個性をフルに使い飛び出した。
オールマイト「そっか…後悔はないようにな。」
爆豪「クソが……!!!」
オールマイトは拳を握り、爆豪に振りかぶるが、爆豪の頬を殴ったのはなつだった。
爆豪「くっ…」
『負けた方がマシだなんて、勝己が言うなよ!!』
緑谷「!!」
『出久君もぼーっとするな!!!』
なつの言葉に、緑谷は飛ばされた爆豪を抱え、路地裏へと避難した。
オールマイト「まさか、月下少女が来るとは………油断した…んっ…しっかし、重いなぁ………」
オールマイトは自身のおもりをみて、そう呟いた。