Main story II
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
相澤「全員手を止めろ!各列の1番後ろ、答案を集めてもってこい。」
相澤の合図でテストは終わり、芦戸と上鳴はブワッと八百万に飛びついていた。
芦戸「ありがとう!ヤオモモー!」
上鳴「とりあえず全部埋めたぜー!」
三日間の筆記試験はあっという間に終了し、女子達は、八百万の席に集まっていた。
『ええっ!?夏休みの間、長期の外出を控えろ!?』
耳郎「学校側からの要請だって。」
八百万「残念ですわ…両親とベネチアに旅行に行く予定でしたのに…」
麗日「ブルジョアや…!」
芦戸「あ〜あ、せっかくおニューの水着買ったのにぃ。」
………勝己と遊園地旅行行く約束してたのに……
なつと芦戸はものすごく落胆している。
耳郎「仕方ないよ。うちらは一度ヴィラン連合に襲われてるし。」
耳郎が言うと、芦戸は手をバタバタ震わした。
芦戸「それでも遊びたい〜!どっか行きたい〜〜っ!!」
葉隠「だったら!夏休み、学校のプールに集まらないっ?」
葉隠の明るい一言に、皆の顔は明るくなっていく。
蛙吹「そうね!学校のプールだったら、先生も許可してくれると思うわ!」
麗日「いいねぇ!お金もかかんないしぃ!」
芦戸「家に閉じこもってるより、マシかぁ!」
『そうだね!夏らしい事、しよーうっ!』
八百万「でしたら!私が学校側に許可をもらってきますわ!」
女子一同「ヤオモモありがとう〜!」
その日の帰り、爆豪に遊園地のことを話すと、「なもん、許可出たら行きゃあいいだろ。」と言ってくれた事により、なつは楽しみが二つに増えた。
─────
そして、演習試験当日。
技術試験会場中央広場
そこには、雄英高校プロヒーローの先生が全員揃っている。
相澤「それじゃ、演習試験を始めていく。この試験でも、もちろん赤点はある。林間合宿行きたけりゃ、みっともねえヘマはするなよ。」
耳郎「あっ…先生多いな……」
相澤「諸君なら事前に情報を仕入れて、何するか薄々分かってるとは思うが…」
上鳴「入試みてえなロボ無双だろー!?」
芦戸「花火ー!カレー!肝試しー!」
2人が喜んでいると、相澤の捕縛布からモゾモゾと根津が出てきた。
根津「残念!諸事情があって、今回から内容を変更しちゃうのさっ!」
上鳴と芦戸は石化している。
尾白耳郎瀬呂「校長先生!?」
八百万「変更って…」
根津「これからは、対人戦闘活動を見据えた、より実戦に近い教えを重視するのさ!
というわけで、諸君らにはこれから2人1組または3人1組で、ここにいる教室1人と戦闘を行ってもらう!」
「「「えっ!!」」」
麗日「先生方と!?」
相澤「なお、ペアの組と対戦する教師はすでに決定済み。動きの傾向や成績、親密度…諸々を踏まえて、独断で組ませてもらったから発表していくぞ。
まずは、轟と八百万がチームで俺とだ!
そして、緑谷と爆豪と月下がチーム。」
爆豪「デ…!?」
緑谷「かっ…!?」
『っ!!』
…二人とだなんて…!
相澤「…で、相手は…」
緑谷爆豪「うぉっ」
オールマイト「私が…する。」
オールマイトは空から飛び降りてきた。
緑谷爆豪「ううっ…オールマイトが…!!」
『オールマイト先生が……!?』
オールマイト「三人で、協力して勝ちに来いよ。」
爆豪と緑谷は嫌そうにお互いを見る。
なつはその二人を心配そうに見ていた。
─────────
数日前。会議室では会議が行われていた。
根津「ヒーロー殺しステインと、ヴィラン連合のつながりによるヴィランたちの活性化の恐れ…か……」
スナイプ「もちろん、それを未然に防ぐことが最善ですが、学校としては万全を期したい。
これからの社会、現状以上に対ヴィラン戦闘が激化すると考えれば、ロボとの戦闘訓練は実践的ではない。
そもそもロボは、入学試験という場で人に危害を加えるのか、等のクレームを回避するため。」
スナイプの言葉に、相澤は面倒くさそうにしていた。
相澤「無視しときゃいいんだ、そんなもん。言いたいだけなんだから。」
ミッドナイト「そういう訳にもいかないでしょ。」
セメントス「試験の変更理由は分かりましたが、生徒を2人1組や3人1組にし、我々教師と戦わせるというのは…」
13号「ええ。少し酷だと思います。」
プレゼントマイク「俺らがあっさり勝っちまったら、点数もつけられないよ?」
スナイプ「もちろん、その辺りを考慮して教師側にはハンデをつける予定だ。」
相澤「校長。いかがでしょうか?」
相澤が言うと、根津は愛らしい笑顔で答える。
根津「いかがも何も、僕は演習試験の内容変更に賛成してるよ。これ以上生徒達を危険に遭わせないために、我々は何をすれば良いか?
答えは簡単。生徒自身に強くなってもらうことさ。」
ミッドナイト「ですね。」
13号「異論はありません。」
相澤「では、組の采配についてですが、まずは轟。
ひと通り申し分ないが、全体的に力押しのきらいがあります。そして、八百万は万能ですが、咄嗟の判断力や応用力に欠ける。よって、俺が個性を消し接近戦闘で弱みをつきます。」
「「「異議なし!」」」
相澤「次に緑谷と爆豪、そして月下ですが、オールマイトさん。頼みます。」
オールマイト「ん?」
相澤「この3人に関しては、能力や成績で組んでいません。ひとえに、仲の悪さ。そして月下はその二人の関係に遠慮している節がある。
緑谷の事がお気に入りなんでしょ?うまく誘導しといてくださいね。」
─────
オールマイト「(相澤君。よく見てるよ君…)」
根津「それじゃ!組み合わせと対戦する教師を一気に発表するよ!」
セメントスvs切島・砂藤
エクトプラズムvs蛙吹・常闇
パワーローダーvs飯田・尾白
相澤vs轟・八百万
13号vs青山・麗日
根津vs芦戸・上鳴
プレゼントマイクvs口田・耳郎
スナイプvs障子・葉隠
ミッドナイトvs瀬呂・峰田
オールマイトvs爆豪・緑谷・月下
根津「試験の制限時間は30分!君たちの目的は、このハンドカフスを教師にかけるorどちらか1人がステージから脱出する事さ!」
上鳴「先生を捕えるか脱出するか…なんか戦闘訓練と似てんな…」
芦戸「ホントに逃げても良いんですか?」
根津「うん!」
プレゼントマイク「とはいえ!戦闘訓練とは訳が違うからなぁ、相手は超〜〜〜格上!」
耳郎「格…上……イメージないんすけど…」
プレゼントマイク「ダミット!ヘイガール!ウォッチャ ユア マウス ハァン!!!?」
耳郎が苦笑いで言うと、口田は焦って否定するように手を振る。
13号「今回は極めて実戦に近い状況での試験。僕らをヴィランそのものだと考えてください。」
スナイプ「会敵したと仮定し、そこで戦い勝てるならそれで良し。だが…」
相澤「実力差が大きすぎる場合、逃げて応援を呼んだ方が賢明。轟、飯田、緑谷。お前らはよく分かってるはずだ。」
相澤の言葉に、名を言われた3人はビクッと肩を震わした。
轟「……」
飯田「もう…間違えない。この試験をクリアして、それを証明してみせる。」
緑谷「戦って勝つか、逃げて勝つか…」
オールマイト「そう!君らの判断力が試される!けどこんなルール、逃げの一択じゃね?……って思っちゃいますよねー。
そこで私たち、サポート科にこんなの作った貰いましたー!超圧縮おもり〜っ!」
オールマイトは、通販番組や、国民的アニメの猫型ロボットのモノマネをしながら、超圧縮おもりを出した。
オールマイト「体重の約半分の重量を装着する。ハンデってやつさ。古典だが、動きづらいし、体力は削られる。あっヤッバ…思ったより重っ……」
先生達は皆おもりをつけた。
オールマイト「因みに!デザインはコンペで発目少女のが採用されたぞ!」
緑谷「発目さん!!」
爆豪「戦闘を視野に入れさせるためか…ナメてんな。」
『………』
爆豪が言うと、緑谷は爆豪を見る。
オールマイトは笑った後、キリッとさせた。
オールマイト「どうかな?」
相澤「よし、チーム毎に用意したステージで一戦目から順番に演習試験を始める。砂藤切島、用意しろ!」
砂藤切島「はい!」
相澤「出番がまだのものは、試験を見学するなりチームで作戦を相談するなり、好きにしろ。以上だ。」
そう言うと、先生達は皆建物へと入っていった。
飯田「尾白君、俺たちの個性で出来ることを確認しておきたいのだが…」
尾白「もちろん!」
蛙吹「常闇ちゃん、作戦会議しましょ。」
常闇「御意。」
峰田「問題はミッドナイト先生をどうひん剥くかだよなー!」
瀬呂「違うだろクソかよ…」
生徒達も各々話しながら、建物に入っていく。
青山「アハハッ…アハハッ…」
青山は扉に映った自分を見てポーズをたくさんとっている。
緑谷「っ…」
『……』
緑谷は爆豪に声をかけようとしたが、爆豪は無視して歩いていき、緑谷は諦めて建物へと入っていった。
───────────
緑谷も爆豪も建物に入った後、なつは一人で待合室にいた。
「砂藤・切島チーム。演習試験。レディーゴー。」
そして、アナウンスが響き渡った。
…この試験は、逃げるよりも捕まえた方が点数が高いはず……
オールマイト先生相手でも、勝己は挑んで勝ちたい人。
出久君はオールマイト先生には敵わないって思いすぎてるから…きっと逃げの一手。
また、喧嘩になるんだろうな……
『ハァ…』
…3人だったら、2人が引き付けている間に1人がゴールを目指せば行けるはず…だけど…相手はオールマイト先生…勝己も出久君も小さい頃から憧れていた………
『どうすれば、いいの…』
なつは頭を抱えていた。