Main story II
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緑谷となつはオールマイトのいる仮眠室へと向かった。
オールマイト「かけたまえ。」
緑谷「(雰囲気、違う…)」
『失礼します。』
オールマイト「いろいろ大変だったな。近くにいてやれず、すまなかった。」
緑谷「そんな…オールマイトが謝る事では…それより、あの…ワン・フォー・オールの話って…」
緑谷はオールマイトの向かいのソファに座った。
オールマイト「君、ヒーロー殺しに血を舐められたと聞いたよ。」
『えっ……そうなの?』
緑谷「あっ…うん。血を取り入れて、体の自由を奪う個性で、それが何か?」
オールマイト「力を渡し時に言ったことを、覚えているかい?」
緑谷はオールマイトの顔真似声真似をした。
緑谷「“食え”」
『(モノマネ……)』
オールマイト「違うっ、そこじゃない。DNAを取り込めるられるなら何でもいいと言ったはずだ。」
緑谷「えっ!じゃあまさかっ……ヒーロー殺しにワン・フォー・オールが!!?」
オールマイト「いや、や…ないよ。君ならそれを憂慮してるかと思ったが…そう。忘れてたのね。
ワン・フォー・オールは、持ち主が渡したいと思った相手にしか譲渡されないんだ。無理やり奪われることはない。無理やり渡すことは出来るがね。イメージすると、こう。」
オールマイトは、義理チョコを無理やり渡されるイメージを話した。
『なぜイメージに………』
オールマイト「特別な個性なのさ。そう。その成り立ちもね。ワン・フォー・オールは元々ある一つの個性から派生したものだ。」
『もともとあった個性?』
オールマイトは頷いた。
オールマイト「その個性の名は、オール・フォー・ワン。他者から個性を奪い、おのがものとし、そしてそれを他者に与えることのできる個性だ。」
緑谷「オール…みんなは、ひとりの…ため…?」
オールマイト「これは超常黎明期、社会がまだ変化に対応しきれてない頃の話になる。
個性の発言により、突如として人間という規格が崩れ去った。たったそれだけで法は意味を失い、文明が歩みを止めた。まさに荒廃…」
緑谷「超常が起きなければ、今頃人類は恒星間旅行を楽しんでただろう。昔の偉い人もそう言ってます…」
オールマイト「そう。そんな根本の時代にあって、いち早く人々をまとめ上げた人物がいた。君達も聞いたことらあるはずだ。
彼は人々から個性を奪い、圧倒的な力によってその勢力を広げていった。計画的に人を動かし、思うままに悪名を積んでいった彼は…瞬く間に悪の支配者として日本に君臨した。」
緑谷「ネットとかでは、ウワサ話をよく見ますけど…創作じゃないんですか?」
『そうですよ。教科書にも載ってないですし……』
オールマイト「裏稼業の所業を教科書には載せんだろうよ。力を持っていると、人は支える場を求めるから…」
緑谷「その話が、ワン・フォー・オールにどう繋がってくるんですか…!?」
オールマイト「オール・フォー・ワンは与える個性でとあると言ったろ。彼は与えることで他者を信頼、あるいは屈服させていったんだ。
ただ、与えられた人の中にはその負荷に耐えられず、物言わぬ人形のようになってしまう物も多かったそうだ。」
緑谷となつはハッとする。
『脳無…みたい……!?』
オールマイト「ああ。まさにそうだ。
一方、与えられた事で個性が変異し、混ざり合うというケースもあったそうだ。彼には無個性の弟がいた。弟は体も小さくひ弱だったが、正義感の強い男だった。兄の所業に心を痛め、争い続ける男だった。
そんな弟に、彼は力をストックするという個性を無理やり与えた。それが優しさゆえか、はたまた屈服させる為かは、今となってはわからない。」
緑谷「まさか…!」
『……!!』
オールマイト「うん。無個性だと思われていた彼は、一応は宿っていたのさ。自身も周りも気付きようのない個性を与えるだけという意味のない個性が…!
力をストックする個性と、与える個性が混ざり合った!これがワン・フォー・オールのオリジンさ。」
緑谷「あっ…」
オールマイト「皮肉な話さ。正義はいつも悪より生まれ出ずる。」
緑谷「ちょっまっ…その成り立ちはよく分かったんですけど、そんな大昔の悪人の話、何で今それが?」
オールマイト「個性を奪える人間だぜ。何でもありさ。成長を止める個性。そういう類を奪い取ったんだろう。
半永久的に生き続けるであろう悪の象徴……
覆しようのない戦力差と、当時の社会情勢。敗北を喫した弟は後世に託すことにしたんだ。
今はかなわずとも、少しずつその力を培っていつか奴を止めうる力になったくれ…と。
そして私の代で、ついに奴を討ち取った!………はずだったのだが……奴は生き延び、ヴィラン連合のブレーンとして再び動き出している。」
オールマイトは窓際に立った。
オールマイト「ワン・フォー・オールは…いわばオール・フォー・ワンを倒す為受け継がれた力。君がいつか奴と…巨悪と対決しなければならない……かもしれん…!酷な話になるが…」
緑谷「頑張ります!オールマイトの頼み、何が何でも応えます!あなたがいてくれれば、僕は何でもできる!できそうな感じですから!」
『私も、聞いたからには出久君を全力でサポートします。』
なつ達は教室に戻って行った。
→番外編【Action for love/63.5話】