Main story I
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相澤「さて、全員のヒーロー名が決まったところで、話を職場体験に戻す。期間は1週間。
肝心の職場だが、指名のあった者は個別にリストを渡すからその中から自分で選択しろ。
指名のなかった者は、あらかじめこちらからオファーした全国の受け入れ可の事務所40件。この中から選んでもらう。
それぞれ、活動地域や得意ジャンルが異なる。」
ミッドナイト「たとえば13号なら、対ヴィランより、事故災害の人命救助中心…とかね。」
相澤「よく考えて選べよ。」
「「「はい!」」」
切島「俺は都市部での大凶悪犯罪!」
蛙吹「私は水難に関わるところが良いわ。あるかしら?」
皆それぞれの行きたいところをはなしている。
相澤「今週末までに提出しろよ。」
ミッドナイトは、手を振り教室を出て行った。
瀬呂「あと2日しかねえの!?」
相澤「効率的に判断しろ。以上だ。」
轟の指名を見ていると、エンデヴァーヒーロー事務所と記載があり、じっとそれを見ていた。
『轟君、どこ行くか決めた?』
轟「ん?ああ。」
『…』
轟「………ちょっと、いいか?」
『えっ?』
何か言いたそうにしていた轟の言葉を待つと、轟はなつを教室から連れ出す。
芦戸「ええっ!?轟、どうしたんだろ!!」
切島「爆豪!月下付いてったけど、良いのか?」
爆豪「あ゛あ゛!?関係ねェワ!!」
瀬呂「とか言いながらも、すっげえ貧乏ゆすり!」
爆豪「してねェワ!死ね!カス!!」
教室で騒ぎになっていることもつゆ知らず、なつと轟は人気の少ない廊下へと来た。
轟「今朝、母さんと話してきただたっただろ…」
『うん。』
轟「一昨日、今までのことを…自分の今のことを全部話した。」
『お母さんは、なんて…?』
轟「……泣いて謝り、驚くほどあっさりと、笑って許してくれた。…俺が何にも囚われず突き進むことが、幸せであり救いになると言ってくれた。」
『…轟君に似て、優しいお母さんなんだね。』
轟「月下には、何故だか聞いてほしいって思った…。家の事情に巻き込むのもって思ったけど、月下には、聞いてほしいと思ったんだ。」
轟は、自分の手のひらを見ている。
轟「職場体験も、以前のままの俺だったら、親父の事務所を選ぶなんてことは絶対なかった。許したわけじゃないし、許す気もない。ただ、やつがNo.2と言われている事実を、この目と体で体験し、受け入れようと思う。」
…轟君はきっと、許す準備をしているんだ…
なつが思っていると、轟はなつの目をじっと見てきた。
轟「…月下、見ていてほしい。」
『え?』
轟「この間、言葉をかけてくれたみたいに…俺を見ていてほしい。」
『?うん。見てるよ。轟君や、皆んなが立派なヒーローになるのを私は皆んなの隣でしっかり見てる。』
轟「…それ。」
『へ?』
轟「焦凍…そう呼んでほしい。」
『?別に良いけど、良いの?』
轟「ああ。なつとは仲のいい友達だからな。」
轟が言うと、なつはニッコリ微笑んだ。
─────
教室に戻ると、皆からの注目が凄かった。
芦戸「なんの話ししてたんー!?」
『へ?普通の話だけど…』
轟「ああ。俺がなつに聞いてほしい事を、聞いてもらっていた。」
「「名前呼び!!?」」」
その途端、爆発音がなり、爆豪が轟の胸ぐらを掴んでいた。
爆豪「テメェ舐めプ野郎…どういう要件だ!!?説明しろや!!」
轟「爆豪。お前もなつの事名前で呼んでるだろ。」
爆豪「あ゛あ゛!?俺は今関係ねェだろうが!!」
轟「じゃあ俺も関係ねぇだろ。」
『勝己…なに急に焦凍に喧嘩ふっかけてるの?』
なつがそう言うと爆豪は余計に目を釣り上げて轟を見る。
爆豪「なつもなに呼び捨てしとんじゃコラ!!」
『えっ、友達だからそう呼んでほしいって…』
轟「ああ。爆豪や緑谷には名前呼びなのに、俺は違うのは………………
……………なんか、嫌だ。」
爆豪「…………。ハァ!!!!?」
轟「なつとは、仲のいい友達だからな、俺も。」
「「「「「(違えだろ!!!?)」」」」」
轟がそう言うと、なつと轟以外のものは皆ポカーンとしていた。
轟はなつを振り向く。
轟「俺たち、仲良いよな。」
『そうだよね、焦凍は雄英での友達第一号だし。』
轟はなつの言葉を聞くと、満足したのか希望体験先にエンデヴァー事務所と書き、職員室へ持って行った。
上鳴「爆豪、こりゃ流石に同情するわ。」
瀬呂「轟もだけど、月下も相当鈍いんだなぁ。」
上鳴「轟相手だと、勝ち目ねぇぞ爆豪。轟は無駄にイケメンだしなぁ!」
爆豪「あ゛!?てめぇら黙れや!!」
爆豪はイライラを抑えるべく、座席に座った。
『あっ、そんなことよりさ!皆どのプロ事務所に行くか決めた〜?』
なつが聞くと、峰田がノリノリで振り向いた。
峰田「おいらはMt.レディ!」
蛙吹「峰田ちゃん、やらしい事考えてるわね。」
峰田「違うし!」
尾白「芦戸もいいとこまで行ったのに、指名ないのは変だよな。」
芦戸「それ〜ッ」
芦戸は、項垂れていた。
麗日「デク君はもう決めた?」
緑谷「まずこの40名の受け入れヒーローらの得意な活動条件を調べて系統別に分けた後…」
緑谷はブツブツ言ってる。
「「「(芸かよもはや!)」」」
緑谷「あっ、ごめん!夢中になっちゃって…」
蛙吹「相当悩んでるわね、緑谷ちゃん…」
麗日「実は私、もう決めてるよ!」
芦戸「ほんとにー!?」
尾白「どこー?」
麗日「バトルヒーローガンヘッドの事務所!」
『ガンヘッド!!?』
麗日が言うと、緑谷はとてもびっくりしている。
緑谷「えっ…ガンヘッドって、ゴリッゴリの武闘派じゃん!麗日さんがそこに!?」
麗日「うん!指名来てた!」
緑谷「そうなんだ、僕はてっきり13号先生のようなヒーローを目指してるのかと…」
緑谷が言うと、麗日は少し微笑んだ。
麗日「最終的にはね。でも、こないだの体育祭で爆豪君と戦って思ったんだ。強くなればそんだけ可能性が広がる。やりたい方だけ向いてても、見聞狭まる…と!」
緑谷「なるほど…」
『見聞狭まる…か……』
麗日「それよりさっきから気になってんだけど…震えてるね…」
緑谷は小刻みに震えていた。
緑谷「あっ、これ…空気椅子。」
麗日「空気椅子!!?まさか、授業中ずっと?」
芦戸「そんなバカな!!」
峰田「空気椅子とか古くねえか!?」
峰田が言うと、武闘派の尾城は珍しく声を荒げた。
尾白「何言ってるんだ!空気椅子は、筋肉の等尺性収縮を応用した、動けない状態でも気軽にできるトレーニングだよ!」
爆豪は、自分の後ろで騒がれ、怒りで震えていた。
爆豪「ん…うるせえ………」