Main story I
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夕方
1-A教室
爆豪はずっとイライラで震えていた。
相澤「おつかれー。つーことで、明日明後日は休校だ。体育祭を観戦したプロヒーローから指名などもあるだろうが、それはこっちでまとめて休み明けに発表する。ドキドキしながらしっかり休んでおけ。」
「「「はい!」」」
『勝己!』
イライラしている爆豪になつが話しかけると、教室は静まり皆からの注目が集まった。
爆豪「ああ!?今機嫌悪ぃんだよ!!」
『一緒に帰ろう?』
爆豪「てめぇ人の話聞いてんのか!」
『お母さん達がご馳走作って待ってるって。』
爆豪「要らねえよ!!」
『四川麻婆豆腐もあるよ?』
爆豪「!!」
『帰ろう?』
なつがニコッと笑うと、爆豪は無言で立ち上がり教室を出た。
峰田「おおおおい、緑谷……あいつ爆豪を飼い慣らしてんぞ……なんなんだよあいつ……」
緑谷「昔からあんな感じだよ?なつちゃんはかっちゃんとお隣さんだから、家族ぐるみで仲がいいんだ。」
轟「………」
晩御飯を食べた後、晩酌を始めてしまった大人たちに絡まれないよう、爆豪となつはなつの部屋でくつろいでいた。
『勝己、優勝おめでとう。」
爆豪「ああ!?意味ねえんだよこんなモン!!ゴミなんだよ!!」
爆豪が投げた金メダルをなつはじっとみている。
『けど、今日のおかげで勝己とこうして話せる事ができた…私にはすごく意味のある1日だったよ?』
爆豪「………」
『だから、優勝おめでとう。勝己。』
なつは金メダルを爆豪の首にかける。
『要らないなら、そのメダル、私にちょうだい?』
爆豪「ああ!?これは俺んだ!無理に決まってんだろうが!!」
『えー、さっき要らないって言ってたじゃん。』
爆豪「やめろや!」
『フフッ!よーし、奪ってやる!』
爆豪「バカ!やめろっつって…」
『きゃっ……』
なつが爆豪のネックレスを狙い、揉み合っていると、なつは足を滑らせて後ろに倒れた。
ムニ
『ったたたた………くない…』
爆豪「……はよ、退けや…」
『勝己!ごめん!』
爆豪はなつの下敷きになっており、なつはすぐに爆豪から退いた。
爆豪「……」
爆豪は自分の右手をじっとみている。
『勝己…?』
爆豪「…クソ!!!謝んねーからな!!」
『え、謝るのは私の方…』
爆豪「だぁぁぁぁああ!!!!俺以外の男、絶対部屋に上げんじゃねぇぞ!分かったか!」
『えっ?ていうか、元から勝己以外家に来ないし……』
爆豪「分かったな!!!?」
『う、うん…』
爆豪は首から上を真っ赤にして怒鳴ると、部屋を出ていき、両親は放っておき先に帰って行った。
─────
翌日、昼。
爆豪「死ねー!!!!!!クソ菌がァ!!!」
爆豪宅の洗面所では叫び声が聞こえている。
爆豪は上半身裸でシャカシャカと歯磨きをしていた。
光希「勝己ー!昼に起きて叫ばないでー!」
爆豪「(クソがァァ!!!)」
爆豪は、手に残る感触を消すために、とにかく歯を磨いた。
─────
その後爆豪は、朝食とトレーニングを済ませ、シャワーを浴び部屋に戻った。
『おはよう。今起きたんだってね?』
爆豪「ハッ……何でいる……?」
居るはずのないなつがベッドに座っており、爆豪は目を擦る。
『勝己、歯磨いてたから先に部屋で待っときなって、光己さんが。』
爆豪「だからって勝手に入んなや!!」
爆豪が言うも、なつはさも当たり前のように、ベッドに座り、壁にもたれて爆豪の枕を抱えている。
なつは昔からそうやって寛ぐ癖があった。
『勝己の匂いって、安心するんだよね。』
爆豪「は?」
『ん?』
爆豪「(コイツ、俺の気もしらねぇで…何言ってやがる!!)』
ケロッとしているなつに、爆豪はため息をつくと、ドカッと床に座った。
爆豪「で?何の用だ。」
『あっ、そうそう。じゃじゃーん!』
なつが嬉しそうに見せて来たのは、特賞と書かれた封筒。中身は、某人気ネズミのいる遊園地のチケットだった。
『今朝、商店街の福引で当たったの!』
爆豪「だからなんだよ。」
『1泊2日のペアチケット!勝己!夏休みになったら行こうよ!』
爆豪「はぁ!?何で俺が…」
『体育祭で優勝のお祝い、私何もしてなかったでしょ?…だから、何かできないかな?って思って…そしたら、福引券当たったから、これだ!って思ったの!』
爆豪「泊まりって………どういう事か分かってんのか!!?」
『うん、昔よくお泊まりしたもんね。懐かしいよね、久々だからすっごい楽しみ!』
分かってねぇ…そう思ったが、なつの楽しそうな表情を見ると断れなくなった爆豪は、仕方なく了承した。
『………でね?ここで会えるキャラが、季節によって違うみたいでね?写真撮りたいな!って………』
爆豪「………」
楽しそうに話しているなつの腕を引き、爆豪は自分の胸に収めた。
『かつ、き…?』
爆豪「……」
………ダメだ…私の心臓の音、聞かれちゃうよ……
『………な、仲直りのハグ?そういえば、今回はしてなかったね!」
爆豪「違…」
『ぎゅーーっ!』
なつは自身の気持ちを隠すように、爆豪に抱きつくが、ひっぺがされた。
爆豪「辞めろや!ウゼェ!」
『ええ…昔はよくやったじゃん。』
爆豪「何年前の話だ!バーカ!」
『勝己からハグして来たのに…』
爆豪「してねぇ!」
『り…理不尽…』
爆豪「るせえ!!帰って寝て死ね!!」
爆豪はなつを部屋から追い出した。
爆豪「…あのバカなつ…俺じゃなかったら襲われてんぞ!!」
忘れようとベッドに横になったが、枕にもなつの匂いがついており、またトレーニングをしに走り出した。
─────
一方、家に帰っていたなつは枕を抱きしめていた。
………抱きしめられた時、勝己…昔とは違ってガッチリしてた……こんなの心臓もたないよ……
なつは気持ちを沈めるために、眠りについた。