Main story I
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保健所
『出久君!!』
オールマイト「!!ああっ……びっくりした……」
『出久君!手術って…!』
なつは、保健所に着くと周りを見ませずに、緑谷へと向かっていった。
リカバリーガール「次から次へと………騒がしいねぇ…」
『リカバリーガール………私も、何か…私にできること有りませんか?お手伝いさせてください!!』
緑谷「なつちゃん………」
リカバリーガール「ハァ……」
『あっ………ごめんなさい…私…また余計なお世話を………いても邪魔になるだけでしたよね…』
リカバリーガールのため息に、なつは我に帰り、俯いていると、オールマイトの手がなつの頭に置かれた。
オールマイト「ここにも、居たな。」
『え?』
オールマイト「余計なお世話ってのは、ヒーローの本質でもある。」
『っ!!』
リカバリーガール「ハァ……じゃあ、あんた。白眼でこの子の病態をみてみな。」
緑谷「リカバリーガール………」
リカバリーガール「この子は治癒の個性がある。治療も出来るのに越したことはないからね。みる事も、訓練になるさね。ほら、早くしな。」
『は…はい!』
なつは白眼で緑谷を見た。
『!!……これは……右手の粉砕骨折……しかも、以前と比べ物にならないくらい粉々になってる………破片が間接にあるから、これを摘出しないと…後遺症が残りそう………』
緑谷「!!」
リカバリーガール「まぁ、あらかた正解さね。摘出手術は、よく見ておくこと。」
訓練もしていないものが、人の肉腫に触るのは危険だとの事だ。
なつは、リカバリーガールの治癒を白眼を使い、よく見た。
『!!』
リカバリーガールは、ものすごい速さで緑谷にメスを入れ、破片を全て取り除いて行く。
白眼で目を凝らさないと、全く見えないスピードだった。
リカバリーガール「なつ、私の施術は患者の記憶から消すんだよ。だから、誰にも言うんじゃないよ?」
『はい。分かりました。』
もう、個性を使っても大丈夫。そう言われたのでなつは緑谷の手を持ち、個性を使った。
だが、全ては戻らない。なつはリカバリーガールと変わった。
リカバリーガール「チユ〜〜っ!!とりあえず、歩けるくらいには治癒を進めたよ。」
緑谷「ありがとうございます。………あっ…」
緑谷は自分の変形した右手を見て驚いていた。
リカバリーガール「それは短期間で酷使しまくった報いさね。この子と私、両方が個性使っても、もう元には戻らないよ。」
『ごめん……』
緑谷「ううん!!そんな…」
リカバリーガール「その歪んじまった右手を戒めにするんだね。それから……こういうケガは、今後もう治癒しない。」
オールマイト緑谷「えっ…」
リカバリーガール「こんな破滅的な方法じゃなくて、この子のやれる別な方法を模索しなさい!」
オールマイト「うっ…」
リカバリーガール「もちろん、この子に頼るんじゃないよ!あんたも、治癒しない事!成長の為さね!」
『は、はい…』
3人は、出張所を出て廊下を歩く。
オールマイト「別な方法か……」
『ごめんなさい、私が出来たらよかったんだけど………』
オールマイト「大丈夫。それに、リカバリーガールの言うことも一理ある。月下少女が気にやむ事はないよ。」
オールマイトが言うと、緑谷が口を開いた。
緑谷「オールマイト…」
オールマイト「ん?」
緑谷「雄英の先生になったのは、もともと、後継を探すためだったんですよね?」
オールマイト「ああ。」
緑谷「今回、雄英で本気で全力で挑んで………みんな……譲れない強い思いがあるのを、肌で感じました……それで、僕……」
オールマイト「後継になるべき人間が、他にいるんじゃ…って?」
緑谷「!!……はい。」
緑谷は、ものすごく不安そうにしている。
オールマイトは言葉を続けた。
オールマイト「確かにここは、素晴らしいヒーローの卵たちばかりだ。
ワン・フォー・オールは力の結晶。例えば、轟君が引き継げば、半冷半燃の上、超パワーを持ったスーパーヒーローとなるだろう。」
緑谷「じゃあ」
オールマイト「けどな?私も無個性だったんだぜ?」
緑谷「!!……無個性?オールマイトが……?」
『そうだったんですか……?』
オールマイト「君らの世代ほどじゃないが、珍しい部類だったよ。
私のマスターは個性持ちだったが、それでも、私を信じてワン・フォー・オールを授け、ヒーローとして育て上げてくれた。」
緑谷「そんな話一度も…!」
オールマイト「聞かれなかったからね!聞かれると思ってたのに。」
緑谷「オールマイトも、無個性だった?」
オールマイト「いぇあ。最初はかつての自分と重ねていたよ。しかし、君は私の想像をもう何度も超えてきた。
君にしか導き出せないものがあると、私は思っているぞ。」
優しく見てくるオールマイトをみて、緑谷はぐっと目を瞑った。
緑谷「すみません。」
オールマイト「あと君、まだ体育祭終わってないぞ!しっかり見届けてきな!」
緑谷「はい!」
緑谷が走っていった後、なつはその背中を見ていた。
オールマイト「月下少女、緑谷少年は抱え込みすぎる性格をしている。月下少女も似ているところがあるね。」
『……いえ………はい……』
オールマイト「こんな事を君に頼むのはおかしいかもしれない。だけど、彼が悩む事があれば力になってあげてくれないだろうか?……全ての事情を知る君にだから、頼…」
『オールマイト先生。』
オールマイト「ん?」
『出久君は、大切な幼馴染です。事情を知っていても知らなくても、私は出久君が悩んでいたら、力になりたいです………絶対助ける。』
なつは、オールマイトを見上げてニコッと笑った。
『だから、大丈夫です。』
オールマイト「!!」
出久君〜!待って〜!と走って行くなつをオールマイトはみて微笑んだ。
オールマイト「(緑谷少年も、良い友人を持ったな。月下少女……君は良いヒーローになるよ。)」
──────────
会場では、歓声が響いている。
切島VS爆豪の試合を行なっているようだった。
切島「どらああああ!!」
爆豪「ううううっ!」
切島が殴りかかるも、爆豪はそれを間一髪で避け、脇腹を爆発させる。
プレゼントマイク「カウンター!」
切島「ハッハー!効かねえってての!この爆発さん太郎がー!」
爆豪「んん…(よろけもしねぇ…さすがに硬えだけじゃねえな…)」
B組観客席では、鉄哲が立って応援していた。
鉄哲「切島ー!あごだ!あご〜!!あご〜!!」
骨抜「昨日の敵は今日の友…」
『勝己!』
緑谷「切島君とかっちゃん……って事は、飯田君と常闇君が勝ち上がってる…!ああやっぱり………見たかった!!」
切島「オラッ!!オラッ!!」
切島の猛攻を避ける爆豪。
プレゼントマイク「切島の猛攻に!!なかなか手が出せない爆豪!!」
『勝己が防戦だなんて……』
緑谷「切島君の個性はシンプルだけど、それ故に強いね……」
なつと緑谷が真剣に見ていると、肩を叩かれた。
飯田「緑谷君!月下君!」
緑谷「あっ…」
『飯田君!』
飯田「手術無事成功したんだな!よかった!」
緑谷「うん、ありがとう。」
『飯田君も、おめでとう。』
飯田「ベスト4まで来たよ。君達の戦い、糧にさせてもらうぞ。」
緑谷「うん…飯田君の活躍、お兄さん…インゲニウムも見てるかな…」
飯田「さっき電話してきたんだが、仕事中だったよ。」
緑谷「あっ、したんだ。」
『えっ!飯田君のお兄さん、インゲニウムなの!?…あっ、けど確かに飯田君のヒーローコスチュームもインゲニウムに似てるね。』
飯田「ああ、月下には言ってなかったか。そうさ、俺の兄はインゲニウムなんだ。
………でも、仕事中で逆によかった。ここまで来たら、ナンバー1で報告しないとな。」
緑谷「うん…」
プレゼントマイク「あああっ!!!爆豪再びカウンター!!!」
爆豪が切島の右の脇腹を爆発させた。
切島「……てっ……」
プレゼントマイク「何だ〜!?さっきと違って、効いてるー!!?」
爆豪「てめぇ全身ガチガチに気張り続けてんだろ!…その状態で速攻仕掛けてちゃ、いずれどっかほころぶわ!!」
爆豪はもう一度大きな爆発を起こし、切島は腕でガードする。
切島「うっ…」
爆豪「うりゃああっ………」
爆煙が明ける前に、爆豪は何度も切島に爆発を喰らわした。
爆豪「うらあああああっ!!!!」
切島「ぐっ……この………」
爆豪「とどめ!!死ねー!!!」
最後、爆豪が爆発を喰らわすと、切島は後ろに倒れた。
爆豪「まぁ…俺と持久戦やらねえってのも分かるけどな!」
ミッドナイト「切島君戦闘不能!爆豪君の勝利!」
『凄い……』
緑谷「そうだね。」
緑谷がなつをみると、なつはとても優しい眼差しで爆豪を見ていた。
プレゼントマイク「爆豪!えげつないじゅうたん爆撃で、3回戦進出!!これでベスト4が出揃った!」
画面には、轟・飯田・常闇・爆豪が映し出された。
飯田「よし…行ってくる。」
『頑張ってね!」
飯田「ありがとう、月下君。」
飯田は控え室へと向かった。
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