Main story I
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別日のPM0:50
なつは爆豪と以前のように話さないまま、時は過ぎていた。
相澤「今日のヒーロー基礎学だが…俺とオールマイト、そしてもう一人の3人体制で見ることになった。」
瀬呂「はい!何するんですか?」
相澤「災害水難なんでもござれ、レスキュー訓練だ。」
上鳴「レスキュー…今回も大変そうだなぁ」
芦戸「ねー!」
切島「バカおめーこれこそヒーローの本分だぜ!!鳴るぜ!腕が!」
蛙吹「水難なら私の独地場…ケロケロ」
相澤「おい、まだ途中。今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。以上。準備開始!」
なつ達は各自コスチュームに着替える。
なつは元より戦闘よりも救助メインな個性のため、一式を着ていた。
ピー!!
飯田「1A集合!バスの席順でスムーズにいくよう
番号順に2列で並ぼう!」
緑谷「(飯田くんフルスロットル…)」
飯田「くそぅ、こーいうタイプだったか…」
向かい合って座るタイプで、後ろは2列席。
皆は結局適当に座った。
バス内座席
障子瀬呂峰田尾白
轟月下 常闇葉隠
爆豪耳郎 麗日八百万
入口
切島 上鳴
蛙吹 青山
緑谷 芦戸
砂藤 飯田
出口
なつの右前には爆豪が座っている。
チラッと盗み見るが、爆豪は窓の外を眺めていた。
『轟くん、私、寝ちゃってたらごめんね?』
轟「ああ。」
その後、すぐになつは眠りにつき、首が不安定に動いていたのをみた轟は、自分の肩になつの頭をのせた。
轟「(甘い香り…月下の匂いか…)」
芦戸「意味なかったなー」
蛙吹「私、思った事を何でも言っちゃうの。緑谷ちゃん。」
緑谷「あ!?ハイ?蛙吹さん!!」
蛙吹「梅雨ちゃんと呼んで。あなたの個性、オールマイトに似てる。」
緑谷「そそそそそうかな?い、いいや、でも僕はそのえーでも」
切島「待てよ梅雨ちゃん、オールマイトはケガしねえぞ?似て非なるアレだぜ?しっかし増強型のシンプルな個性”はいいな!派手で出来る事が多い!俺の硬化は、対人じゃ強えけどいかんせん地味なんだよなー」
緑谷「僕はすごくかっこいいと思うよ。プロにも十分通用する個性だよ。」
前では話が盛り上がっている。さすが切島。
コミュニケーション能力が優れている。
切島「プロなー!しかしやっぱヒーローも人気商売みてえなとこあるぜ!?」
青山「僕のネビルレーザーは派手さも強さも、プロ並み!」
芦戸「でもお腹壊しちゃうのはヨクナイね!」
切島「まぁ、派手で強えっつったらやっぱ、轟と爆豪だな!」
切島の言葉で皆が注目する。
轟はなつの頭に寄り添って寝ており、爆豪は肘ついて窓の外を見ていた。
爆豪「ケッ」
蛙吹「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそ」
爆豪「んだとコラ出すわ!!」
蛙吹「ホラ」
爆豪が立ち上がり、耳郎は鬱陶しそうにしている。
上鳴「この付き合いの浅さで、既にクソを下水で
煮込んだような性格と認識されるってすげぇよ。」
爆豪「てめぇのボキャブラリーは何だコラ!殺すぞ!」
緑谷「(かっちゃんがイジられてる…!信じられない光景ださすが雄英…!)」
飯田「爆豪君!その口調をやめた前と何度言えば」
爆豪「うっせーな!モブ委員長が!」
瀬呂「つーか、こんな煩いところで眠れてる月下と轟もすげーよ。」
瀬呂の言葉で次は二人に注目がいく。爆豪も目をやると寄り添って寝ている二人に目を見開いた。
葉隠「可愛い!二人、美男美女で超お似合いじゃない?」
芦戸「写真撮っておこー!」
爆豪「黒目!やめろやァ!半分野郎!起きろテメェ!」
轟「ん…ああ、寝てたのか…」
峰田「轟ぃ!ズリィ!!!どんな匂いするんだぁ!?場所変われー!」
瀬呂「お前はヤベェよ。」
涎を垂らしている峰田を瀬呂がセロハンで抑えている。
轟「匂い…あぁ…なんか、甘い…」
その言葉に、プチっと何かが切れる音がした。
爆豪「殺す!!表でろやァ!クソチビ!起きろや!!いつまで頭乗せてんだ!!」
葉隠「!!もしかして、ヤキモチぃ!?」
芦戸「まじ!?ラブなのー!?」
爆豪「ちげェわ!テメェクソチビ!起きやがれ!殺すぞ!」
爆豪が言うも、なつは眠っている。
芦戸「なつ、全く起きないねー!」
緑谷「昔からそうなんだ、バスで眠り始めたら次止まるまで起きなくて…」
いつもはかっちゃんが隣で頭預けてたみたいだけど…
そう続ける緑谷に、爆豪は「クソデク!余計な事話してんじゃねぇ!」と怒鳴った。
八百万「低俗な会話ですこと…!」
麗日「でもこういうの好きだ私!」
相澤「もう着くぞ。いい加減にしとけ。」
「「「はい!」」」
そしてバスは到着した。
轟「おい、月下。着いたぞ。」
『ん?ふぁぁ………ありがとう。よく寝たぁ。』
目が覚めると爆豪はまた捕縛布で縛られていた。
『………?かっちゃん…何があったの?』
爆豪「ああ!?…ンもねェわ!!」
頭にハテナを浮かべながらも、なつはバスを降りた。
─────
13号「みなさん、待ってましたよ」
バスを降りると、宇宙服のようなものを着た13号が立っていた。
緑谷「スペースヒーロー13号だ!災害救助でめざましい活躍をしている紳士的なヒーロー!」
麗日「わぁー!私好きなの13号!」
緑谷はヒーローオタクなのでともかく、麗日もとても喜んでいた。
13号「早速中に入りましょう。」
「「「よろしくお願いします!」」」
中はとても広い。ドームの中にはたくさんのアトラクションのような場所がある。
切島「すっげぇ!USJかよ!」
13号「水難事故、土砂災害、火事、etc…あらゆる事故や災害を想定し僕がつくった演習場です。
その名も嘘の災害や事故ルーム!略してUSJ!」
(((ほんとにUSJだった…)))
相澤は、13号に歩み寄った。
相澤「13号。オールマイトは?ここで待ち合わせるはずだが…」
13号「先輩、それが、通勤時に制限ギリギリまで活動してしまったみたいで、仮眠室で休んでいます。」
13号は3本指を立てた。
相澤「不合理の極みだな、おい。(まぁ念の為の警戒体制…)仕方ない、始めるか。」
相澤がそういうと、一歩前に出る13号。
13号「えー、始める前にお小言を一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ…」
(((((増える…)))))
13号「皆さんご存知だとは思いますが僕の個性はブラックホール。どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます。」
緑谷「その個性でどんな災害からも人を救い上げるんですよね」
麗日は全力で頷いている。
13号「ええ。しかし簡単に人を殺せる力です
皆の城にも。そういう個性がいるでしょう。超人社会は個性の使用を資格制にし厳しく規制することで一見成り立っているようには見えます。
しかし、一歩間違えれば容易に人を殺せる"いきすぎた個性"を個々が持っていることを忘れないで下さい。相澤さんの体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘でそれを心に向ける怠うさを体験したかと思います。
この授業では…心機一転!人命の為に“個性”を
どう活用するかを学んでいきましょう。
君たちの力は人を傷つける為にあるのではない。
救ける為にあるのだと、心得て帰って下さいな。」
緑谷「(13号…かっこいい!)」
13号「以上!ご清聴ありがとうございました。」
13号がお辞儀をすると、拍手喝采が起こった。
麗日「ステキ!」
飯田「ブラボー!ブラボー!」
相澤「よーし、そんじゃあまずは…」
相澤が話し始めた時、ビリビリっと電気がおかしくなり、噴水の前に何かが発生した。
相澤「!」
相澤が気配の先を見ると、ワープゲートから手が出てくる。
相澤「一塊になって動くな!」
飯田「え?」
相澤「13号!生徒を守れ!」
爆豪は、何かに気づきなつを庇うように前に出た。
爆豪「俺の後ろにいろや」
『え?』
切島「なんだありゃ…」
緑谷「あっ…」
切島の視線の先を見ると、ワープゲートから多くの人が歩いて来ている。
切島「また入試の時みたいな、もう始まってんぞパターン?」
相澤「動くな!」
切島「!」
相澤はゴーグルをつける。
相澤「アレは、ヴィランだ!」
「「「「「!!」」」」」
奇しくもそれは…命を救える訓練時間に僕らの前に現れた。