Main story Ⅲ
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翌日
一同「ええええええ!!!?」
芦戸「ケンカして」
葉隠「謹慎!?」
上鳴「馬鹿じゃん!!」
青山「ナンセンス!」
瀬呂「馬鹿かよ!」
常闇「骨頂。」
二人は皆の顔を見ず、掃除機をかけ、なつは拭き掃除をしている。
爆豪は苛立ちでプルプル震えていたが、自分が蒔いた種だから堪えていた。
爆豪「ぐうっ…」
耳郎「なつも、なんで止めなかったのさ…」
八百万「そういう事態が起きる前に、先生に言うべきですわ…?」
『うん…そうなんだけど…うぅ…』
緑谷の元に、麗日と飯田が行く。
麗日「それで、仲直りしたの?」
緑谷「仲直り…っていうものでも……うーん…言語化が難い...」
飯田「よく謹慎で済んだものだ…!では、これからの始業式は君ら欠席だな!」
轟「爆豪、仮免の補習どうすんだ。」
轟は爆豪の背中に声をかける。
爆豪「うるせぇ!てめェには関係ねぇだろ!」
上鳴「じゃー掃除よろしくなー!」
爆豪「ぐぬぬ!!」
上鳴の馬鹿にした言い方で、また爆豪は堪えていた。
部屋には掃除機の音だけが響く。
ヴィイン
緑谷「シュートスタイルさ…どうだった…かな…」
爆豪「……」
緑谷「ん…」
お互い背中を向けて掃除機をかけている。なつは拭き掃除をしていた。
爆豪「予備動作がでけえ。」
緑谷「ハッ…」
緑谷は爆豪の言葉にそちらを向く。爆豪は掃除をしたまま続けた。
爆豪「速度アップしてもギリ反応出来た。乱打戦にゃ向いてねぇ。」
緑谷「…そっか…」
ヴイイイイスイー
爆豪「……パンチと合わせんのは腹立った…」
爆豪がボソッと言うと、緑谷は嬉しそうに噛み締めた。
緑谷「……そっか…!」
……勝己と出久君……喧嘩しないか不安だったけど、もうそれは無いみたい。良かった……
───
爆豪「あ。」
掃除をしていると、爆豪が何かに気づいた声が聞こえた。
爆豪「なんで、んなとこに……」
緑谷「ん?」
『勝己、どうか…あ!ゆわいちゃん!」
爆豪「ゆわいちゃんだぁ?」
あきらかに小馬鹿にしたような顔と声色でそう言う爆豪に、緑谷があわてて弁解する。
緑谷「そういう名前なんだよっ。」
爆豪「ケッ。んなことより、アレ、あの岩んとこのペットだろ。」
『うん、口田君の…いつ見ても可愛いなぁ。』
緑谷「どうしたんだろう口田くん、ドアを閉め忘れちゃったのかな?とにかく捕まえないと…ゆわいちゃ~ん…」
そう言いながら緑谷はゆわいちゃんにそっと近づく。ゆわいちゃんは一定の距離を保った。
緑谷「大丈夫だからこっちおいで~。」
ゆわいちゃんは警戒心を強くし、さらに距離をとった。
爆豪「おい、ほっとけや。どうせ外出られねえんだから。」
『たまにはたくさん駆け回りたいよね。』
緑谷「そんなわけにはいかないよ。口田くんが言ってたんだけど、ウサギって骨がもろいらしいんだ。目を離したところでケガでもしちゃったら…」
『あっ…それなら保護しないとダメだね…』
爆豪「んなの、ドア閉め忘れたマヌケの責任だろが。」
爆豪の言葉にゆわいちゃんはピクッと反応し、後ろ足でダンッと床を蹴った。
爆豪「んだぁ?」
緑谷「怒ってる…?」
『勝己が口田くんの事をマヌケって言ったからだよ。動物って人の言葉や感情がわかるんだよ?』
爆豪「あぁ?」
訝しげに眉を寄せる爆豪に首をかしげる緑谷。
なつは困ったように口を尖らせていた。
爆豪「生意気なウサギだな。」
ゆわいちゃんは爆豪にもう一度足をダンッとすると、爆豪にイラッとしたように眉を寄せた。
緑谷「とにかく捕まえたほうがいいよ。謹慎中に何かあったらまた相澤先生に怒られる……」
『ゆわいちゃんが怪我しても危ないしね。』
爆豪「…チッ。よけいな仕事増やしやがって…」
そう言うと爆豪は駆けだし、ゆわいちゃんに一気に距離をつめた。
爆豪「おっ?」
『凄いスピード…脱兎って言葉があるわけだね。』
ゆわいちゃんは勝ち誇った表情で振り返る。
緑谷「ちょっ、かっちゃん!?」
爆豪「ハッ、ノレぇぞ。」
爆豪は爆発を起こし、すごいスピードで向かっていった。
するとゆわいちゃんはビタッと体が固まった。
爆豪「あっ?」
ゆわいちゃんが泊まった事で、爆豪はゆわいちゃんを追い抜かした。
その隙にゆわいちゃんは一目散に駆けだす。
爆豪「おいっ、待てこの…!」
緑谷「かっちゃん、爆破なんてダメだって!ケガさせちゃうよ!」
爆豪「うっせえ!させんわ!」
『それにウサギってストレスに弱いんだよ!?』
緑谷「一日ごはん食べられなくなるだけで死んじゃうかもしれないって言ってたよ!?」
爆豪「…めんどくせぇ生きモンだな…!!」
ゴンツ!ボサッ、ドサッ!
爆豪「あっ!クソウサギ、てめェ、せっかく集めたゴミを散らかしやがって!!!」
緑谷「かっちゃん、落ち着いて…」
『これは私が拾っておくから…』
爆豪「うるせェ!さっきから指図ばっかしてくんなや!」
緑谷と爆豪が言い争っている間に、ゆわいちゃんはジャンプしてエレベーターのボタンを押し、乗った。
緑谷「じゃあ僕は五階から見てくるよ。」
爆豪「うっせえ、さっさと行け。つか、なつの個性で見れば一発だろうが。」
『勝手に人の部屋は除けないよ。』
爆豪「チッ。」
爆豪は舌打ちをすると、ズカズカと部屋を順番に開けて行った。
どこも施錠をしているが、爆豪は峰田の部屋のドアが開いていることに気づいた。
爆豪「どいつもこいつもマヌケか…」
爆豪は乱暴にドアを開け、ズカッと部屋に入っていった。
爆豪「───っ!!、アイツはこの部屋ごと死ね…!!」
『勝己?どうしたの…?』
爆豪「なつは絶対この部屋に入んな!』
そして、少し待つと大きな音が聞こえ、なつは峰田の部屋に入った。
爆豪「おわっ!?あっ待てこら…うおっ!」
『勝己…!?きゃっ…!!』
ザザザッ。積み上げられた雑誌が雪崩を起こし、爆豪は足を取られ転倒した。
そしてなつが峰田の部屋に貼られたたくさんの女性の裸体のポスターと、爆豪が転倒した周りにあるエロ本を見て目を塞いでいる時にゆわいちゃんはエレベーターのボタンを押し飛び乗った。
爆豪「入んなつったろぉが!!」
『だって、勝己が心配で…』
心配しているなつの顔はとてつもなく赤くなっている。
爆豪はすぐに起き上がるとなつの腕を引き、部屋からドカドカと出た。
緑谷「かっちゃん?なつちゃん?ゆわいちゃんいた?」
爆豪「知るか!」
『ごめんっ、逃げられちゃった…』
緑谷は爆豪に苦笑いをしていたが、すぐに顔を曇らせた。
緑谷「でも困ったね…これじゃいつまでたっても掃除終わんないよ。掃除はまだまだ残ってるのに…」
それには爆豪も同意しているのか、険しい顔で押し黙った。少しして口の端をわずかに上げて言う。
爆豪「こうなったら、あの手だろ。」
『あの手?』
爆豪「昔やったろ。煮干しの…」
緑谷「ああ!」
『野良猫の…!』
3人はゆわいちゃんにバレないように、バナナを準備して仕掛けを作った。
隠れて待っていると、ゆわいちゃんはバナナにかじりつく。美味しそうに力が緩んだその時、爆豪はゆわいちゃんを抱き上げた。
爆豪「手間かけやがって、クソウサギが……」
緑谷「ハーッ、よかった~。」
爆豪はニヤリと笑い、緑谷は安心している。
3人は口田の部屋にゆわいちゃんを届けに行った。
緑谷「…ん?ゆわいちゃん、なんだかおとなしいね…。もしかして、具合でも悪いんじゃ…!?」
爆豪「 …あぁ?」
『まって、診るね。』
なつが個性を使おうとした時、トタトタとあわてたような足音に、ゆわいちゃんは急いでドア前に飛んで行った。
口田「ゆ、ゆわいちゃん…」
ゆわいちゃんは嬉しそうにジャンプして口田を出迎えた。
口田は心配そうに抱き上げ、じっと顔をみつめて体もくまなく調べるように触っている。全身をチェックすると安心したようにホッと息を吐いた。
『大丈夫?ゆわいちゃん…』
3人はゆわいちゃんの後を置い、口田はゆわいちゃんを抱っこしたままコクコクと頷いた。
緑谷「よかったぁ~、さっき少し元気なかったみたいだったからさ。」
爆豪「おい!ちゃんと管理しとけや。」
ケッと吐き捨て去っていく爆豪に、口田はシュンとした。
『もう…勝己ったら…悪態ついてるけど、ゆわいちゃんが元気で安心してるんだよ。』
緑谷「ゆわいちゃんって頭いいんだね。エレベーター乗れるんだもん、ビックリしたよ。」
『ほんとに!私もびっくりしちゃった。』
落ちこむ口田を気遣うように、でも本気で驚いたようになつと緑谷が言うと、少しだけ口田
も嬉しそうに頷いた。
緑谷「あ、そうそう、これから部屋のゴミ集めるから、ドアの外に出しておいて。」
そう言って去っていく緑谷と入れ違いに、上鳴と尾白がやってきた。
二人にもゴミのことを言って緑谷はエレベーターに乗りこんでいく。上鳴が楽しそうに笑って俺を見てきた。
上鳴「おー、ゆわいちゃん脱走したんだって?やるじゃん。」
尾白「部屋のドアって、つい閉め忘れそうになるよね。俺も気をつけなきゃ。」
上鳴「でも、想像するとちょっと笑えるよなー。」
おもしろがるような顔をした上鳴に尾白が聞く。
尾白「何が?」
上鳴「だって、あの二人がウサギと追いかけっこなんてさぁ。ケンカしながら追いかけっこしてたりして…」
尾白「あー…ありえるかも…」
苦笑いしながら頷くおじろに、原因が自分だと思っている口田は萎縮するばかりだ。
『大丈夫だよ。勝己と出久君、昨日の一件からもう和解してるから。そんなに仲悪くないよ?喧嘩もなかったしさ。』
安心させるようになつがいうと、そのまま掃除の続きをしに一階へと降りて行った。
