Main story Ⅲ
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緑谷「そりゃ普通は…バカにされ続けたら関わりたくなくなると思うよ…でも、前にも言ったように…何もなかったからこそ…嫌なところと同じくらい、君の凄さが鮮烈だったんだよ!」
爆豪「…」
緑谷「僕にないものを沢山持ってた君は…」
爆豪「!!」
緑谷「オールマイトより身近な凄い人だったんだ!!」
緑谷は走って爆豪に距離を詰める。
爆豪「(さっきより数段早ぇ…!)」
緑谷「(感情が昂って、少しコントロールが乱れた。もうずっとフルカウル状態は5%の力を意識してた。じぶん自分の身体がどれだけ鍛えられたかなんて、案外自分じゃ気付かない。)」
爆豪「(間に合わねェ…ガード…!)」
緑谷「(全身常時身体許容上限8%…)」
爆豪はガードの構えをする。
緑谷「(君が凄いと思っていたから…だから…ずっと…!)」
緑谷はガードしている爆豪の腕に、上から蹴りを喰らわした。
爆豪「ぐっ…!」
緑谷「君を…追いかけていたんだ!」
爆豪「んんっ…!!ぐぐっ…!!」
爆豪はガードの構えで地面に足をつけたまま、ズズズッ!と緑谷の蹴りに飛ばされた。
───君を!追いかけていたんだ!!───
その言葉を思い出し、爆豪は怒りでニヤリと笑った。
爆豪「(追い越したってか…!?)」
爆豪と緑谷はお互い勢いよく飛び出す。
緑谷爆豪「うあああああ!!!」
緑谷はまず、爆豪に蹴りを入れる。
そして素早く回転し上から爆豪を踵落とししようとするも、爆豪はそれをかわし、爆発を起こした。
BOOOM
緑谷「ぎゃっ!!」
爆豪「ぐあっ!!」
二人は遠くに飛ばされる。
爆豪「(直当て、間に合わなかった…)」
緑谷「んっ…ぐああああっ……」
爆豪「(急にギア上がりやがっ…)…ハッ!!」
緑谷「こんなもんかよ!!」
緑谷は体勢を素早くなおし、また走ってくる。
爆豪「はあああぁ!?」
緑谷「(これは流石にキモチわるいから、君には言えないままだけど……助けなきゃって気持ちより勝たなきゃって気持ちが強い時…… 僕はうっかり口が悪くなったりしてしまうんだ。そんなとこ…むしろ嫌いな部分のハズなのに…やっぱり僕ん中で”勝利”のイメージが君になってるんだ。)」
ジャンプして突進してきている緑谷に、爆豪は爆発で飛び、迎え撃つ。
爆豪「(空中じゃ俺に分がある!)」
緑谷「(意味もなく突進したワケじゃない。跳んだワケじゃない。かっちゃんの頭にはシュートスタイルが強く刷り込まれた。君の発散のケンカにただ付き合う程僕はお人好しじゃない!シュートスタイルは腕を酷使しない為の戦い方…5%なら使えないとは言ってない!)」
爆豪「うっ!」
緑谷は拳に力を溜め、爆豪はそれに気づいた。
「(勝利の権化にある君に……勝ちたい!!)」
爆豪「うぐっ…」
爆豪は右頬を殴られる。
緑谷「(僕を選んでくれたオールマートに、応える為に!!)」
爆豪「ぐあああっ……ううっ…敗けるかああああ!!」
爆豪は殴り飛ばされそうになるのを堪え、緑谷の左腕の服を掴んだ。
緑谷「ぐはっ…」
爆豪は緑谷の腹を殴ると、体勢を変え、上に勢いよく爆発させ、地面に落ちた。
グラウンドβは大爆発が起こった。煙で何が起きたか見えない。
爆豪「ハッ…ハアッ…」
緑谷「ガハッゲホッ」
煙が開けると、爆豪は左手で緑谷の右手を掴み、右足で緑谷の左手首を踏み、左脛で両太ももを抑え、顔面に手をやり上乗りになっていた。
爆豪「ハア…ゴホッ…ハア…。クソ……俺の勝ちだ。」
二人は息を荒げている。
爆豪「オールマイトの力…そんな力ァ持ってても、自分のモンにしても…俺に敗けてんじゃねぇか。ハァ…ハァ……なァ…何で敗けとんだ。」
緑谷「ゲホッ…ハアッ…」
オールマイト「そこまでにしよう。二人共」
なつが座り込んで泣いていると、オールマイトはなつの頭に手を置き、二人の元に歩いて行った。
オールマイト「悪いが、聞かせてもらったよ。」
爆豪「オール…」
緑谷「マイト…」
オールマイトガきたことにより、爆豪はゆっくり立ち上がり、解放された緑谷も起き上がる。
オールマイト「気づいてやれなくてごめん。」
爆豪「今更…」
爆豪はオールマイトに背中を向け、歯を食いしばっている。
爆豪「……何でデクだ?ヘドロん時からなんだろ…?何でこいつだった?」
オールマイト「非力で…誰よりヒーローだった。君は強い男だと思った。既に土俵に立つ君じゃなく、彼を土俵に立たせるべきだと判断した。」
爆豪「くっ……俺だって弱ェよ…!あんたみてぇな強え奴になろうって思ってきたのに!弱ェから……!!あんたをそんな姿に……!!」
オールマイト「これは君のせいじゃない。どのみち限界は近かった…。こうなる事は決まっていたよ。」
爆豪は歯を食いしばって目を瞑っている。
オールマイト「君は強い。ただね、その強さに私がかまけた…抱え込ませてしまった……すまない。君も少年なのに。」
オールマイトは爆豪の頭を自分の腹に抱きしめた。
爆豪「くっ!」
爆豪は少しするとオールマイトから離れる。
オールマイト「長いことヒーローをやってきて思うんだよ。爆豪少年のように、勝利に拘るのも、緑谷少年のように、困ってる人間を救けたいと思うのも……どっちが欠けていても、ヒーローとして自分の正義を貫くことは出来ないと。緑谷少年が爆豪少年の力に憧れたように、爆豪少年が緑谷少年の心を恐れたように…気持ちをさらけ出した今ならもう…わかってるんじゃないかな。」
爆豪と緑谷は俯いている。
オールマイト「互いに認め合い、まっとうに高め合うことができれば、救けて勝つ。勝って救ける、最高のヒーローになれるんだ。」
2人はオールマイトの言葉にお互い目を合わせた。
爆豪「そんなん…聞きてえワケじゃねェンだよ。」
ドサっと爆豪は座り込むと、膝の上に手を組み顔を埋めた。
爆豪「おまえ…」
緑谷「うっ…」
爆豪「一番強ェ人にレール敷いてもらって…敗けてんなよ。」
消え入るような声で爆豪が言うと、緑谷は決心したように言った。
緑谷「強くなるよ。君に勝てるよう。」
爆豪「ハァ…デクとあんたの関係知ってんのは?」
オールマイト「リカバリーガールと校長…生徒では月下少女と君だけだ。」
オールマイトが言うと、なつが物陰から出てきた。
爆豪は左手で頭を抱えている。
緑谷「なつちゃん…いつからここに…」
『二人の会話、聞こえちゃって…ごめん…』
爆豪「ハッ…なつもかよ…」
オールマイト「彼女にはUSJ事件の時に個性で見られてしまってね…」
なつは爆豪に向かい合うように座った。
『内緒にしてて…ごめん…二人の会話、聞いちゃってごめん…』
緑谷「そんなっ…」
爆豪「なつが謝る事ねェよ。」
爆豪はなつの頭に優しく手を置く。
爆豪「バレたくねェんだろ、オールマイト。あんたが隠そうとしてたから、どいつにも言わねぇよ。クソデクみてえにバラしたりはしねぇ。ここだけの秘密だ。」
緑谷「かっちゃん…」
オールマイト「秘密は…本来私が頭を下げてお願いすること。どこまでも気を遣わせてしまって…すまない。」
ヨロけながら爆豪は立ち上がる。
爆豪「遣ってねぇよォ!言いふらすリスクとデメリットがデケェだけだ。」
オールマイト「こうなった以上は爆豪少年にも納得いく説明が要る。それが筋だ。」
オールマイトは、かっちゃんに話した。
巨悪に立ち向かう為、代々受け継がれてきた力ということ。その力でNo. 1ヒーロー。平和の象徴となったこと。傷を負い限界を迎えていたこと。そして、後継を選んだこと。
緑谷と爆豪はオールマイトの後を追い、ゆっくり歩いていく。
爆豪「暴かれりゃ力の所在やらで混乱するって事か。っとに…何でバラしてんだクソデク…」
緑谷「うっ……」
オールマイト「私が力尽きたのは私の選択だ。さっきも言ったが、君の責任じゃないよ。」
爆豪「…。結局…俺のやる事は変わんねぇや…」
オールマイト「うん。そうだね。」
爆豪「ただ、今までとは違え。デク。お前が、俺や周りを見て吸収して、強くなったように…俺も全部…俺のモンにして上へ行く。“選ばれた”お前よりもな。」
緑谷「じゃっ…じゃあ僕はその上を行く。」
緑谷は爆豪に向き、拳をあげる。
爆豪「ああ!?」
緑谷「行かなきゃいけないんだ…!」
爆豪「くっ…!だからそのてめェを超えてくっつってんだろが。」
緑谷「いやだから、その上を行かないといけないって話で…」
爆豪「あ゛あ゛!?」
『もう、二人とも!仲良くしようよ!』
なつは二人の腕を間から組んだ。
緑谷「えっ、ちょっ…なつちゃん!?」
爆豪「てめェ!デク!なつから離れろや!」
『いいじゃん今日くらい。昔みたいにみんなで、ねっ?』
爆豪「よくねェ!!」
『なんでよ!』
緑谷「なつちゃん、かっちゃんはヤキモチ妬いてるから…」
爆豪「妬いてねェワ!!勝手言ってんじゃねェ!!」
─────
A組の寮へと戻ると、爆豪と緑谷は捕縛布で椅子に縛られた。
なつはオールマイトの隣に立っている。
相澤「ヒーロー仮免許試験終えたその晩にケンカとは…そして見てたのに止めず見学とは……元気があって大変よろしい。」
相澤は言葉とは違いものすごく起こった顔をしている。
オールマイト「相澤くん待って、捕縛待って。原因は私にあるんだよ。」
相澤「はい?」
相澤は怒りで目がぴくぴくしている。
相澤「原因?何です。」
爆豪緑谷「うっ…!!」
オールマイトは相澤に耳打ちをする。
オールマイト「爆豪少年は私の引退に負い目を感じていたんだ…そのモヤモヤを抱えたまま試験に臨ませ…結果、彼の劣等感が爆発した。気付けず、メンタルケアを怠った…大人の失態が招いたケンカだったんだ。月下少女も、事情を知り止めるに止められなかったようで…」
相澤「んん…」
相澤はそれを聞くと2人の捕縛布を緩める。
相澤「だからルールを犯しても仕方ない…」
二人は相澤の言葉に顔を上げるも、顔はまだ怒りに満ち溢れていた。
相澤「で、済ますことは出来ません!然るべき処罰は下します。先に手わ出したのは?」
爆豪「俺。」
緑谷「僕もけっこう…ガンガンと…」
相澤「爆豪は四日間!緑谷は三日間!月下は一日の寮内謹慎!
その間の寮内共有スペース清掃!朝と晩!!+反省文の提出!!怪我については痛みが増したりひかないようなら保健室へ行け!ただ余程の事でなければ婆さんと月下の“個性”は頼るな!勝手な傷は勝手に治せェ!」
相澤は言うことを言うと、「フゥ…」とため息をついた。
相澤「以上!寝ろ!」
