Main story Ⅲ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
休日。
なつは母の細雪と電話していた。
細「そう。今必殺技の訓練をしてるのね。順調?」
『うん。それでこの、“常に1箇所に意識を集中させ、個性を蓄積する”って言うのを聞きたくて…』
細「これはね、単に負傷した部位を治す治療ではなて、失われた身体部位自体を再生することができる再生技なの。脳を除いた身体のほぼすべての臓器を再生することができるようになるのよ。」
『ほぼ全ての臓器を…すごい…そんな事できるなんて……』
……これなら……オールマイトも治療出来るかもしれない……勝己に、何があっても……
細雪「けど、それをする為には膨大な量の細胞活性の個性を使用するから、常に1箇所に意識を集中させ、個性を蓄積する必要があるの。その技の為の準備って感じかな。その為にはもっと人体の構造も同時に学ばなくちゃダメだけどね。それに……」
『それに?』
細「一度使うと、その具合によって暫くは個性の威力が弱くなるの。徐々に回復していくけどね?」
細雪は真剣な表情をした後、なつを安心させる為ウインクした。
『お母さんは、その技を使った事あるの?』
細「ええ。プロヒーローとして活動していた時に。」
懐かしむように優しく微笑んだ細雪。
細雪「私の場合は、見えない場所“舌”に力を溜めているの。」
『舌?』
細雪「あまり目立つ場所は嫌だったからね。」
舌をべっと出すと、そこには星のようなマークが付いていた。
『知らなかった…』
細雪「どこに力を溜めてもいい。意識の集中が難しければ、慣れるまで誰かに手伝って貰ってもいいよ。指で触れるだけでも集中はしやすいから。」
『分かった。ありがとう、お母さん。』
そう言い電話を切る。
『意識の集中かぁ……』
試しに眉間に集中してみるが、難しい。
なつは暫く考えた後、部屋を出て男子フロア四階、爆豪の部屋の前に立った。
─────
ノックを何度しても返事がない。
根気よく何度もノックしてると、勢いよく扉は開かれた。
爆豪「うるせェ!!…あ、なつか。」
『ご、ごめん……休みの日に…帰るねっ…』
なつが申し訳なさそうに戻ろうとすると、腕をパッと掴まれた。
爆豪「待てよ。何か用があって来たんだろ。」
『うん…』
爆豪「そんな所突っ立ってねェで、入れや。」
『ありがとう…』
部屋に入ったなつは床に正座する。
以前までは即ベッドに寝転んでいたが、意識をしてる以上そんな事はできない。
爆豪はなつの様子がおかしいことに、机の椅子にもたれながら眉間に皺を寄せていた。
爆豪「そんな所に何座ってんだァ?いつも速攻寝てるだろ。足崩せや。」
『あっ、うん……けど、今日は勝己に特訓付き合ってほしくて……』
爆豪「特訓だァ?」
先程細雪から教えて貰ったことを爆豪に話した。
『───って言うことなんだけど……』
爆豪「なつはどこにその意識を集中させる予定なんだ?」
『うーん…眉間が一番集中させやすいのかなって思ってたんだけど……自分でしてもなかなか難しくて…』
爆豪はなつの前に座り、眉間に指を置いた。
爆豪「こーしたら集中しやすいだろ。」
『うっ、うん…けど……』
爆豪「あァ?」
『ち…近くない……?』
爆豪「あァ?離れたら指差せねェだろ。バカかよ。」
『確かに……』
……ダメだ、胸がドキドキして……指に全く集中できない……
爆豪「これ、毎日してたら模様とか出てくんのか?」
『うん…個性を溜める量にもよるみたいだけど、うっすら出てくるみたいで……』
爆豪は理解したのか、黙ってなつの額に指を当て続けた。
─────────
数時間経過したその時───
ガッシャーン!!!
隣の切島の部屋から物凄い音が聞こえた。
『!!?なっ、なに!?』
爆豪「チッ…クソ髪ヤロォ…!ちょっと待ってろ。」
爆豪は怒りを露わに目を尖らせて部屋を出ると、切島の部屋に怒鳴り込みに行った。
爆豪「うるっせえ! 静かにしろ!!」
切島「悪ィ!」
尾白「ごめん!俺のせいなんだ。」
爆豪「テメェら何してんだ!!」
どうやら武術を習得している尾白が部屋王の時に見た切島のサンドバッグに興味を持ち、サンドバッグを素早く左右から叩いていたらしい。
爆豪の部屋の扉が開けっぱなしになっている為、部屋に残されているなつにまでも爆豪の怒鳴り声や切島、尾白の声が聞こえてくる。
尾白「なんかこう全体的に鍛えられる感じがして、足技試したら…」
切島「爆豪も打ってくか!?」
爆豪「やらん!来客中だ!!」
切島「来客中って…」
爆豪が部屋にあげる人物なんて居るのか?居たとしても、切島が思い浮かぶのは1人しかいない。
そう思った時、なつがひょこっと切島の部屋に入って来た。
『勝己…?』
尾白「月下さん!!?」
爆豪「アァ!?何来てんだチビ!待ってろつったろうがァ!!」
『声が聞こえて…勝己に訓練手伝って貰ってたの。』
切島「そういう事な!」
『勝己も、私の特訓してる間何もできないし、切島君達とトレーニングしてていいよ?』
なつは自分が心臓のバクバクで眉間より自分の心臓に意識を集中してしまっていた事を爆豪には言えず、数時間付き合ってくれていたことに申し訳なく思った。
切島「どんな特訓してたんだ?」
『新技の為に、私の意識を集中させようとずっと眉間に指を当ててくれてたの。』
切島「その間、爆豪は何してたんだ?」
爆豪「アァ!?別に何もしてねーワ!」
尾白「数時間ずっとなんて…」
すぐに痺れを切らして暴れ出しそうな爆豪が、数時間も指を眉間に当てるだけなんて信じられない。
そんな顔をしている2人に爆豪はまた怒鳴っていた。
『勝己は優しいんだよ?』
切島「月下は大事にされてんな!爆豪漢らしいぜ!」
爆豪「うるっせェ!!!」
切島「爆豪がサンドバッグで鍛えてる間、俺が代わりに月下の特訓付き合うぜ!」
尾白「俺も手伝うよ。」
『切島君、尾白君、ありがとう!だから勝己も自主トレして…』
爆豪「お前らにさせられっか!なつに触れんじゃねェ!!」
爆豪はBOOOOM!とさらに怒りを露わにすると、なつは声を荒げた。
『勝己!折角2人が言ってくれてんのに!」
爆豪「テメェも簡単に男に触れられようとしてんじねェ!!戻ンぞ!!」
『勝己も今現に私の腕掴んでるじゃん!』
爆豪「アァ!?うるっせェ!!俺はいいんだよ!」
『何それ意味わかんない!!』
爆豪に引っ張られ、なつは爆豪の部屋に戻る。切島と尾白は二人の去った後の扉を見て、苦笑いしていた。
切島「独占欲だな…」
尾白「ハハ……」
───
爆豪の部屋に戻ったなつは黙ってしまった爆豪にムスッとしていた。
なつはベッドに座っている。
『折角二人が言ってくれたのに……』
爆豪「…」
『男の人に触れられるな、なんて言って…勝己も男の人じゃん……』
爆豪「俺はアイツらとは違ェ。」
…確かに、私はあの二人には友人としての好意はあるが恋愛的な意味はない…だけど…
『違うけど………同じじゃん……』
なつが答えると、爆豪はベッドに座っているなつを押し倒し、顔の横には爆豪の手が置かれた。
爆豪は真剣な眼差しでなつを見る。
爆豪「お前にとって、俺はアイツらと同じかよ。」
『っ……!!ち、がう…よ…』
爆豪「俺を、男として意識してんじゃねェのか…」
『…か、勝己は…男の人、じゃん……』
爆豪「…!!!」
『………そんな事言われたら……勝己が、私を……幼馴染としてじゃなくて………れ、恋愛として……好きだって……誤解しちゃうよ…』
なつが顔を真っ赤にして、目を潤ませて爆豪を見ると、爆豪は少し狼狽えたあと、なつの額に自分の額を優しく当てた。
爆豪「アホか。誤解しろや…」
『ぇ……
!!ったぁ…!!!』
爆豪はなつの額に、ゴツンッ!と頭突きをすると立ち上がった。
爆豪「ハッ!!今更なんだよチビ!!存分に誤解しやがれ!」
『ちょっ…何すん…』
爆豪「今日はもう終わりだ!寝る!帰れ!!」
爆豪はなつを部屋から追い出すと、鍵を閉めた。
──アホか。誤解しろや──
『っ…///』
………誤解、していいって事…?私の好きと、勝己の好きは…同じって思っていいって事……だよね……
なつは爆豪の扉に背を預けて顔を真っ赤にして座り込んだ。
.
なつは母の細雪と電話していた。
細「そう。今必殺技の訓練をしてるのね。順調?」
『うん。それでこの、“常に1箇所に意識を集中させ、個性を蓄積する”って言うのを聞きたくて…』
細「これはね、単に負傷した部位を治す治療ではなて、失われた身体部位自体を再生することができる再生技なの。脳を除いた身体のほぼすべての臓器を再生することができるようになるのよ。」
『ほぼ全ての臓器を…すごい…そんな事できるなんて……』
……これなら……オールマイトも治療出来るかもしれない……勝己に、何があっても……
細雪「けど、それをする為には膨大な量の細胞活性の個性を使用するから、常に1箇所に意識を集中させ、個性を蓄積する必要があるの。その技の為の準備って感じかな。その為にはもっと人体の構造も同時に学ばなくちゃダメだけどね。それに……」
『それに?』
細「一度使うと、その具合によって暫くは個性の威力が弱くなるの。徐々に回復していくけどね?」
細雪は真剣な表情をした後、なつを安心させる為ウインクした。
『お母さんは、その技を使った事あるの?』
細「ええ。プロヒーローとして活動していた時に。」
懐かしむように優しく微笑んだ細雪。
細雪「私の場合は、見えない場所“舌”に力を溜めているの。」
『舌?』
細雪「あまり目立つ場所は嫌だったからね。」
舌をべっと出すと、そこには星のようなマークが付いていた。
『知らなかった…』
細雪「どこに力を溜めてもいい。意識の集中が難しければ、慣れるまで誰かに手伝って貰ってもいいよ。指で触れるだけでも集中はしやすいから。」
『分かった。ありがとう、お母さん。』
そう言い電話を切る。
『意識の集中かぁ……』
試しに眉間に集中してみるが、難しい。
なつは暫く考えた後、部屋を出て男子フロア四階、爆豪の部屋の前に立った。
─────
ノックを何度しても返事がない。
根気よく何度もノックしてると、勢いよく扉は開かれた。
爆豪「うるせェ!!…あ、なつか。」
『ご、ごめん……休みの日に…帰るねっ…』
なつが申し訳なさそうに戻ろうとすると、腕をパッと掴まれた。
爆豪「待てよ。何か用があって来たんだろ。」
『うん…』
爆豪「そんな所突っ立ってねェで、入れや。」
『ありがとう…』
部屋に入ったなつは床に正座する。
以前までは即ベッドに寝転んでいたが、意識をしてる以上そんな事はできない。
爆豪はなつの様子がおかしいことに、机の椅子にもたれながら眉間に皺を寄せていた。
爆豪「そんな所に何座ってんだァ?いつも速攻寝てるだろ。足崩せや。」
『あっ、うん……けど、今日は勝己に特訓付き合ってほしくて……』
爆豪「特訓だァ?」
先程細雪から教えて貰ったことを爆豪に話した。
『───って言うことなんだけど……』
爆豪「なつはどこにその意識を集中させる予定なんだ?」
『うーん…眉間が一番集中させやすいのかなって思ってたんだけど……自分でしてもなかなか難しくて…』
爆豪はなつの前に座り、眉間に指を置いた。
爆豪「こーしたら集中しやすいだろ。」
『うっ、うん…けど……』
爆豪「あァ?」
『ち…近くない……?』
爆豪「あァ?離れたら指差せねェだろ。バカかよ。」
『確かに……』
……ダメだ、胸がドキドキして……指に全く集中できない……
爆豪「これ、毎日してたら模様とか出てくんのか?」
『うん…個性を溜める量にもよるみたいだけど、うっすら出てくるみたいで……』
爆豪は理解したのか、黙ってなつの額に指を当て続けた。
─────────
数時間経過したその時───
ガッシャーン!!!
隣の切島の部屋から物凄い音が聞こえた。
『!!?なっ、なに!?』
爆豪「チッ…クソ髪ヤロォ…!ちょっと待ってろ。」
爆豪は怒りを露わに目を尖らせて部屋を出ると、切島の部屋に怒鳴り込みに行った。
爆豪「うるっせえ! 静かにしろ!!」
切島「悪ィ!」
尾白「ごめん!俺のせいなんだ。」
爆豪「テメェら何してんだ!!」
どうやら武術を習得している尾白が部屋王の時に見た切島のサンドバッグに興味を持ち、サンドバッグを素早く左右から叩いていたらしい。
爆豪の部屋の扉が開けっぱなしになっている為、部屋に残されているなつにまでも爆豪の怒鳴り声や切島、尾白の声が聞こえてくる。
尾白「なんかこう全体的に鍛えられる感じがして、足技試したら…」
切島「爆豪も打ってくか!?」
爆豪「やらん!来客中だ!!」
切島「来客中って…」
爆豪が部屋にあげる人物なんて居るのか?居たとしても、切島が思い浮かぶのは1人しかいない。
そう思った時、なつがひょこっと切島の部屋に入って来た。
『勝己…?』
尾白「月下さん!!?」
爆豪「アァ!?何来てんだチビ!待ってろつったろうがァ!!」
『声が聞こえて…勝己に訓練手伝って貰ってたの。』
切島「そういう事な!」
『勝己も、私の特訓してる間何もできないし、切島君達とトレーニングしてていいよ?』
なつは自分が心臓のバクバクで眉間より自分の心臓に意識を集中してしまっていた事を爆豪には言えず、数時間付き合ってくれていたことに申し訳なく思った。
切島「どんな特訓してたんだ?」
『新技の為に、私の意識を集中させようとずっと眉間に指を当ててくれてたの。』
切島「その間、爆豪は何してたんだ?」
爆豪「アァ!?別に何もしてねーワ!」
尾白「数時間ずっとなんて…」
すぐに痺れを切らして暴れ出しそうな爆豪が、数時間も指を眉間に当てるだけなんて信じられない。
そんな顔をしている2人に爆豪はまた怒鳴っていた。
『勝己は優しいんだよ?』
切島「月下は大事にされてんな!爆豪漢らしいぜ!」
爆豪「うるっせェ!!!」
切島「爆豪がサンドバッグで鍛えてる間、俺が代わりに月下の特訓付き合うぜ!」
尾白「俺も手伝うよ。」
『切島君、尾白君、ありがとう!だから勝己も自主トレして…』
爆豪「お前らにさせられっか!なつに触れんじゃねェ!!」
爆豪はBOOOOM!とさらに怒りを露わにすると、なつは声を荒げた。
『勝己!折角2人が言ってくれてんのに!」
爆豪「テメェも簡単に男に触れられようとしてんじねェ!!戻ンぞ!!」
『勝己も今現に私の腕掴んでるじゃん!』
爆豪「アァ!?うるっせェ!!俺はいいんだよ!」
『何それ意味わかんない!!』
爆豪に引っ張られ、なつは爆豪の部屋に戻る。切島と尾白は二人の去った後の扉を見て、苦笑いしていた。
切島「独占欲だな…」
尾白「ハハ……」
───
爆豪の部屋に戻ったなつは黙ってしまった爆豪にムスッとしていた。
なつはベッドに座っている。
『折角二人が言ってくれたのに……』
爆豪「…」
『男の人に触れられるな、なんて言って…勝己も男の人じゃん……』
爆豪「俺はアイツらとは違ェ。」
…確かに、私はあの二人には友人としての好意はあるが恋愛的な意味はない…だけど…
『違うけど………同じじゃん……』
なつが答えると、爆豪はベッドに座っているなつを押し倒し、顔の横には爆豪の手が置かれた。
爆豪は真剣な眼差しでなつを見る。
爆豪「お前にとって、俺はアイツらと同じかよ。」
『っ……!!ち、がう…よ…』
爆豪「俺を、男として意識してんじゃねェのか…」
『…か、勝己は…男の人、じゃん……』
爆豪「…!!!」
『………そんな事言われたら……勝己が、私を……幼馴染としてじゃなくて………れ、恋愛として……好きだって……誤解しちゃうよ…』
なつが顔を真っ赤にして、目を潤ませて爆豪を見ると、爆豪は少し狼狽えたあと、なつの額に自分の額を優しく当てた。
爆豪「アホか。誤解しろや…」
『ぇ……
!!ったぁ…!!!』
爆豪はなつの額に、ゴツンッ!と頭突きをすると立ち上がった。
爆豪「ハッ!!今更なんだよチビ!!存分に誤解しやがれ!」
『ちょっ…何すん…』
爆豪「今日はもう終わりだ!寝る!帰れ!!」
爆豪はなつを部屋から追い出すと、鍵を閉めた。
──アホか。誤解しろや──
『っ…///』
………誤解、していいって事…?私の好きと、勝己の好きは…同じって思っていいって事……だよね……
なつは爆豪の扉に背を預けて顔を真っ赤にして座り込んだ。
.