Main story II
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何かが弾き飛ばされ
そちらに駆け寄ると
血まみれで心臓に穴が空き
血を流し倒れている勝己だった。
─────
『!!!』
今のは何…?なんであんな夢…
勝己が死ぬなんて、そんな…
爆豪が攫われて無事だと聞いたのに、なつはまだ一度も会えていない。
1週間も爆豪に会っていない事が、今まで生きてきて一度もないなつは、とても不安に陥っていた。
時計を見るとまだ1時。
もう一度寝ようと目を瞑るも、先程の夢を思い出し眠れずにいた。
─────
一度も眠れる事がなく、時刻は7時をさしていた。
相澤「…なんだその隈。」
『すみません…
…………勝己、ホントに無事なんですよね…?』
相澤「ああ。(何か爆豪に関する夢でも見たか…)」
なつの顔色は、青白く目にクマもできている。
相澤はなつの頭に手をポンと置いた。
相澤「じきに他の奴らも寮に入る。説明や、当面の動きに関しては、月下が越してきた時と同じだ。だからもう少し寝ておけ。」
『でも…』
相澤「そのナリで会う方が、皆んな心配するだろうよ。よく寝て、元気なツラを見せてやれ。」
相澤がそう言うと、なつは「ありがとうございます。」と言い、また部屋に戻って行った。
──────────
そして時刻は8時45分。
ハイツアライアンスの前には、なつを抜いたA組生徒が集まっていた。
相澤「とりあえず1年A組。無事にまた集まれて何よりだ。」
八百万「先生、なつさんが居ませんわ……」
相澤「月下はひと足先に、昨日からの入寮だ。今は部屋で待機しているよ。」
耳郎「どこか悪いの?後遺症とか…」
相澤「それに関しては心配ない。落ち着いたら後で会いに行ってやれ。」
相澤の言葉に、A組一同は安心の表情を浮かべた。
瀬呂「みんな入寮の許可降りたんだな。」
葉隠「ハァ…私は苦戦したよ…」
耳郎「普通そうだよね。」
尾白「2人はガスで直接被害にあったもんね。」
蛙吹「無事に集まれたのは、先生もよ。会見を見た時は、いなくなってしまうのかと思って悲しかったの。」
麗日「うん…」
相澤「俺もびっくりさ。まぁ、いろいろあんだろうよ。(全体的に、下手に動かすより、泳がせて尻尾を掴むって感じだろうな。)
さて、これから寮について軽く説明するが、その前に1つ。」
相澤はパチンと手を合わせた。
相澤「当面は合宿で取る予定だった。仮免取得に向けて動いていく。」
砂藤「そういやあったな。そんな話。」
芦戸「いろいろ起こりすぎて、頭から抜けてたわ。」
相澤「大事な話だ。いいか。……切島、八百万、轟、緑谷、飯田。この5人はあの晩、あの場所へ爆豪救出へ赴いた。」
芦戸麗日「……」
蛙吹「ケロ……」
A組生徒は皆黙り込んだ。
相澤「その様子だと、行く素振りはみんなも把握していたわけだ。いろいろ棚上げした上で言わせてもらうよ。オールマイトの引退がなけりゃ、俺は…爆豪耳郎葉隠以外、全員除籍処分にしている。」
緑谷「んっ…」
相澤「行った5人はもちろん。把握しながら止められなかった12人も。行こうとした月下も。理由はどうあれ、俺達の信頼を裏切ったことに変わりない。正規の手続きを踏み、正規の活躍をして、信頼を取り戻してくれるとありがたい。
以上!
さぁ、中に入るぞ。元気に行こう。」
相澤は振り返り部屋へと入って行った。
上鳴瀬呂「いや、待って…行けないです……」
ムードメーカーの切島と上鳴も落ち込んでいる。爆豪は俯いている二人をじっと見ると「チッ」と舌打ちをして上鳴の首根っこを掴んだ。
爆豪「来い。」
上鳴「えっ何?やだぁ!」
そして、草むらで電気が走ると、あほ面になった上鳴が出てきた。
上鳴「うぇ〜い…」
耳郎はツボに入り爆笑している。
瀬呂「何?爆豪何を…」
爆豪「切島。」
切島「あ?」
爆豪は5万円を切島に渡した。
切島「えっ、怖っ何!?カツアゲ!?」
爆豪「違え!俺が下ろした金だ。小遣いはたいたんだろ?」
切島「あっ…おめぇ、俺が暗視鏡買ったのどこで聞いて…」
爆豪は切島の胸にドンッと5万円を渡すと、歩いて行った。
爆豪「いつまでもしみったれられっと、こっちも気分悪ぃんだ。いつもみてえにバカさらせや。」
上鳴「うぇ、うぇ、うぇ〜」
耳郎「ダメっ…うち、この上鳴…ツボ…!」
上鳴「うぇいだうぇ〜い」
一同は大爆笑していた。
切島はじっと爆豪の後ろ姿を見て、困ったように笑った。
切島「フッ…悪いな。」
相澤「(茶番…も、時には必要か。)」
切島「みんなすまねぇ!詫びにもなんねぇけど、今夜はこの金で焼肉だぁー!」
瀬呂「マジかー!」
上鳴「うぇ〜い」
耳郎「アハハハッ」
相澤「爆豪。荷解きが終わったら、月下に会いに行ってやれ。」
爆豪「ケッ。」
皆が明るくなっている中、相澤は爆豪にだけ聞こえる様に言った。