Main story II
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生徒達はその後すぐに合宿近くの庵木総合病院に運ばれた。
なつは頭蓋骨骨折と両腕の骨折、そして大量の出血により気絶と悶絶を繰り返し高熱にうなされた。その間、リカバリーガールや細子が来て治癒を施してくれたり、警察が訪ねていたが、意識が戻ることはなかった。
一方緑谷は2日目に目が覚め、病室にはA組生徒15名が見舞いに来ていた。
常闇「迷惑かけたな、緑谷。」
緑谷「ううん…僕の方こそ……A組みんなで来てくれたの?」
飯田「いや…耳郎君葉隠君は、ヴィランのガスによっていまだ意識が戻っていない。月下君は未だ集中治療室にいて意識不明の重体で面会謝絶…。
そして八百万君も頭を酷くやられ、ここに入院している。昨日ちょうど意識が戻ったそうだ。
だから来ているのはそのうち4人を除いた……15人だよ…」
轟「爆豪いねえからな。」
芦戸「ちょっ…轟…」
その轟の言葉に緑谷の目には光が戻って行った。
緑谷「あ…オールマイトがさ、言ってたんだ。手の届かない場所には助けに行けないって…だから、手の届く範囲は必ず助け出すんだ…僕は、手の届く場所にいた。なつちゃんに、言えなかった……必ず助けなきゃいけなかった………僕の個性は、そのための個性なんだ…相澤先生に言われた通りになった…」
緑谷の目は涙でぼやけてくる。
相澤から以前言われた、お前のは1人を助けてでくのぼうになるだけ。と言う言葉を思い出し涙を流した。
緑谷「体、動かなかった…洸汰君を助けるのに精一杯で、目の前にいる人を…僕は……」
切島「じゃあ、今度は助けよう。」
切島が真剣な表情で言うと皆は驚いた顔をして切島を見た。
飯田「は?」
切島「実は俺と轟さ、昨日も来ててよ…緑谷の病室に行く途中、オールマイトと警察が八百万と話してるとこに遭遇したんだ。」
切島と轟の話によると、八百万は泡瀬の協力の元、ヴィランの1人に発信機を取り付け、その信号を受信するデバイスをオールマイトに渡していた。
飯田「つまり、その受信デバイスを八百万君に創ってもらう…と?」
切島「う…」
轟「だとしたら?」
切島は規律を乱す事をしてると分かって言っている。少し声を詰まらすも、轟は真っ直ぐに飯田を見据えた。
飯田「くっ…オールマイトのおっしゃる通りだ!プロに任せるべき案件だ!俺たちが出ていい舞台ではないんだ、バカ者!!」
切島「……んなもん分かってるよ!!でもさ、何もできなかったんだ。ダチが狙われてるって聞いてさ……月下も、あんなボロボロになりながらも爆豪の名前呼んでたのによ…………何もできなかった!しなかった…!ここで動けなきゃ俺は!ヒーローでも男でもなくなっちまうんだよ!!」
切島は声を荒げた。
上鳴「切島っ…ここ病院だぞ、落ち着けよ…!こだわりは良いけど今回は…」
蛙吹「飯田ちゃんが正しいわ。」
切島「飯田が…みんなが正しいよ……そんな事は分かってんだよ…でも!なぁ緑谷、まだ手は届くんだよ!助けに行けるんだよ!」
切島が緑谷に手を差し伸べると、緑谷はその手をじっと見た。
芦戸「えっと…要するに…ヤオモモから発信機のやつもらって、それたどって自分らで爆豪の救出に行くって事?」
切島「ああ。」
轟「ヴィランは俺らを殺害対象と言い、爆豪は殺さず攫った。生かされるだろうが、殺されないとも言い切れねえ。俺と切島は行く。」
飯田「………ふざけるのも大概にしたまえ!」
飯田が叫ぶと障子が手を出し制す。
障子「待て、落ち着け。切島の何もできなかった悔しさも、轟の眼前で奪われた悔しさも分かる。俺だって悔しい。
だが…これは感情で動いて良い話じゃない。そうだろ?」
切島「ん…」
青山「オ…オールマイトに任せようよ…林間合宿で、相澤先生が出した戦闘許可は解除されてるし…」
常闇「青山の言うとおりだ。助けられてばかりだった俺には、強く言えんが…」
切島「けどさ!」
蛙吹「みんな…爆豪ちゃんが攫われてショックなのよ?でも冷静になりましょう。」
蛙吹の声に皆は蛙吹に注目した。
蛙吹「どれほど正当な感情であろうと、また戦闘を行うと言うのなら…ルールを破るというのなら…その行為はヴィランのそれと同じなのよ。」
蛙吹の正しく、正論過ぎてその言葉に反論もできなくなった切島や轟は黙り込み、病室が静まり返ったところ、ノックがなり緑谷の診察時間との事でA組生徒達は皆部屋を出て行った。
切島「八百万には昨日話をした。行くなら即行…今晩だ。重傷のおめえが動けるかは知らねえ。それでも誘ってんのは、お前が一番、悔しいと思うからだ。」
緑谷「ん…」
切島「今晩、病院前で待つ。」
こうして切島は部屋を出て行った。