Main story II
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洸汰「パパ…ママ……!!」
マスキュラーが腕を振り翳したその時、緑谷が間一髪で洸汰を庇い攻撃から避けた。緑谷は咳き込んでいる。
洸汰「なんで…」
マスキュラー「ん?お前はリストにあったな。」
緑谷「(…クソッ。今ので携帯壊れた。なつちゃんが来るまで僕1人…1人でなんとかこのヴィランを…洸汰君を守りつつやれるかどうか…)」
洸汰を見るも、涙を流して震えている。
緑谷「(じゃない、やるしか無いんだ!今、僕1人の力で!)大…大丈夫だよ洸汰君。必ず、助けるから…!」
緑谷は立ち上がった。
マスキュラー「必ず助けるって?フハハハッ…さすがヒーロー志望者って感じだな。どこにでも現れて正義面しやがる。」
緑谷「くっ…」
マスキュラー「緑谷ってやつだろ、お前。ちょうど良い。お前は率先して殺しとけってお達だ。じっくり痛ぶってやだから、血を見せろ!」
緑谷「くる!」
マスキュラーはマントを剥ぎ捨て、緑谷へと攻撃を仕掛ける。
咄嗟に腕でガードするが、骨が軋む音がし、崖壁へと飛ばされた。
緑谷「うっ…ああっ……」
マスキュラー「あっ、いけねぇ…そうそう、知ってたら教えてくれよ。爆豪ってガキと…ついでに月下ってガキはどこにいる?」
緑谷「なっ…!!(かっちゃん?となつちゃん!?)」
マスキュラー「一応仕事はしなくちゃ…よっ!!」
マスキュラーはまた殴りにかかり、緑谷はそれを避ける。
緑谷「(目的は、かっちゃんとなつちゃん…?何で…)」
マスキュラー「答えは知らないでいいか?いいなぁ?よっしじゃあ!あそぼう!」
マスキュラーは緑谷を蹴り飛ばした。
緑谷「うわっぐっ……」
マスキュラー「ハッハッハッハッ……血だぁ!良いぜこれだよ!楽しいやぁ!何だっけ?必ず助けるんだろ?何で逃げるんだよ!?おっかしいぜお前!」
緑谷「(あの筋みたいな個性…なんて速さ、なんて威力……ダメだ、かっちゃんの事は今は考えるな。集中しろ、目の前の敵に…!)」
緑谷はスマッシュを打ち込むも、腕で軽く止められた。
マスキュラー「何だ…それが個性か?いい速さだが力が足りねえ!俺の個性は筋肉増強。皮下に収まんねえほどの筋繊維で底上げされる速さ、力!何が言いてえかって?自慢だよ!つまりお前は俺の完全な劣等型だぁ!」
緑やはまた飛ばされる。
マスキュラー「分かるか?俺の気持ちが!笑えて仕方ねえよ!必ず助ける!?どうやって!?実現不可の綺麗事宣ってんじゃねてよ!」
緑谷がまた地面へと叩き落とされると、マスキュラーは歩いて近寄った。
マスキュラー「自分に正直に生きようぜ!」
腕を振り上げたその時、マスキュラーと緑谷の前には髪の壁が現れた。なつは素早く跪くと、緑谷の腕の骨折と殴られた傷を治療し始めた。
『間一髪…ごめん!遅くなって…!』
洸汰「お前…」
『出久君!すぐ治すから!』
緑谷「ダメだ!なつちゃんは狙われてる、戦闘は避けて!早く逃げて!その個性、ヴィランに見られたらダメだ!」
マスキュラー「何だこの髪…うざってえ個性だなぁ!だが…!」
『ぐはっ…』
マスキュラー「こんなもん、俺には何の障壁にもならねえんだよ!」
なつは頭を鷲掴みにされ持ち上げられ、地面に打ち付けられる。
緑谷「なつちゃん!!」
『だい…丈夫…』
……なんて力…やばい、意識が……飛びそう…
なつの額からは血が流れている。マスキュラーがまたなつの頭をつかみ上げようとした時、石が投げられた。
洸汰「ウォーターホース…パパ、ママも…そんな風に痛ぶって、殺したのか!」
緑谷「あ…」
『だめ…洸汰君…』
マスキュラー「あ?マジかよ。ヒーローの子供かよ。運命的じゃねえの!ウォーターホース。この俺の左目を義眼にしたあの2人だ。」
洸汰「お前のせいで…お前みたいなヤツのせいで、いつもいつも!こうなるんだ!!」
洸汰は震えながらも叫ぶ。
マスキュラー「ガキはそうやってすぐ責任転嫁する。」
洸汰「あっ…」
マスキュラー「よくないぜ。俺だって別にこの目のこと恨んでねえぞ?俺は人を殺したかっただけで、あの2人はそれを止めたがった。
お互いやりてえ事やった結果さ。」
洸汰「あ…」
マスキュラー「悪いのは、出来もしねえ事をやりたがってた、てめぇのパパとママさ!!」
マスキュラーが洸汰に振りかぶると、なつは洸汰を抱きしめ守り、緑谷はマスキュラーに殴りかかった。
マスキュラー「となったらそう来るよな?ボロ雑巾!」
緑谷「悪いの、お前だろ!」
緑谷はマスキュラーの右肩の筋肉に腕を通した。
緑谷「捕まえた!これで速さは関係ない!」
マスキュラー「…で何だ?力不足のその腕で殴るのか?」
緑谷「できるできないじゃないんだ!ヒーローは、命を賭して、綺麗事実践するお仕事だ!!」
マスキュラー「(何だ?)」
緑谷「ワン・フォー・オール100%!」
マスキュラー「(さっきまでと、様子が…)」
緑谷「スマッシュ!!」
洸汰「うっ……あっ…」
衝撃波によってなつは洸汰を抱き抱えたまま崖へと放り出されるが、片腕で崖を掴み、なんとかそれは免れた。
洸汰「あああっ……」
『大丈夫だよ。必ず助けるから。』
なつは微笑むと、抱き抱えている洸汰の怪我を治癒していく。
洸汰「けど…血が…頭が…」
『私は大丈夫。』
緑谷「ごめん、吹っ飛ばして…!」
緑谷が顔を出した事で、なつは個性で髪を伸ばし口田を抱えると崖上へと上げて自らも両手で崖上へと登った。
洸汰「ハア……ありが……」
緑谷「ハァ、ハァ…」
洸汰は緑谷の負傷した腕を見て声を失った。
洸汰「(なんで…)」
『出久君、腕がっ…』
緑谷「なつちゃん、今はいいよ。急いで施設に行こう。こっからは近…」
衝撃音が鳴り、振り向くとマスキュラーが起き上がってくる。
緑谷「(ウソだ、ウソだろ……100%だぞ…オールマイトの力だぞ…!?)」
マスキュラー「んっ…テレフォンパンチだ。しかしやるなぁ緑谷。」
マスキュラーは緑谷へと歩み寄る。
緑谷「くっ、来るな!」
マスキュラー「やだよ、行くねぇ俄然。」
緑谷「(ダメだ、どうしよう…考えろ、考える時間…!)な…何がしたいんだよヴィラン連合は何が…!」
マスキュラー「知るかよ。俺はただ暴れてえだけだ。羽伸ばして個性ぶっ放せれば何でもいいんだ。覚えてるか?さっきまでのは遊びだ。俺言ってたよなぁ?遊ぼうって、なぁ?言ってたんだよ!!やめるよ。遊びはしまいだ。お前強いもん。こっからは、本気の目だ。」
『洸汰君しっかり捕まって!』
なつが髪で洸汰を背中に背負うと洸汰はなつをガッチリと掴んだ。
マスキュラーは筋肉を覆うと、緑谷へとパンチを繰り出した。
緑谷「(さっきまでの時比べ物にならない!速さも力も…遊びだったんだ…本当に遊び感覚で殺そうとしてたんだ…)」
緑谷はまた吹き飛ばされ、なつも爆風で緑谷と共に飛ばされた。
マスキュラー「あっ、クソッ、勢い余った…!」
緑谷「(施設に行けば相澤先生が居るはず…!奴の個性を消して貰えば……ダメだビビるな。施設までの距離を追いつかれずに行けるか?無理だ。ただでさえ合宿の疲労が溜まってる…!考えるな!そんな状態で敵に背を見せて獣道を…今、ここで……戦って勝つしか…お前に道はないんだ、緑谷出久!助けるんだろ?お前の原点を思い出せ!)くっ…」
緑谷は立ち上がった。
緑谷「なつちゃん下がってて。で、ぶつかったら全力で施設へ走るんだ。」
『そんなっ…』
洸汰「ぶつかったらって…お前まさか…無理だ、逃げよう!お前の攻撃効かなかったじゃん!それに、両腕が折れて…」
『……洸汰君。大丈夫、私も残る。だから一人で走って施設に向かえる?』
緑谷「ダメだ!なつちゃんは目的の一つなんだ…!」
洸汰「そうだよ!それに、さっき手も足も出てなかったじゃん!」
『大丈夫。』
緑谷「……分かった。行くよ、なつちゃん!」
なつは拳をドーピングさせ力を溜め、緑谷もワンフォーオールで力を貯める。
緑谷「デトロイト…スマッシュ!!」
『柔歩双獅拳!!』
そして二人がマスキュラーに殴り掛かると、マスキュラーも両手でなつと緑谷に殴りかかった。
マスキュラー「どうしたぁ!?緑谷ぁ!さっきより弱えぞ!!女も弱え!」
緑谷「…じょうぶ……大丈夫!こっから後ろには絶対行かせない!……から、走れ!走れえええ!!」
『早く!洸汰くん!!』
マスキュラー「んのガキが……てめぇ、最高じゃねえかぁああああ!」
緑谷「う…うるせえええええっ!!」
緑谷となつはマスキュラーを止めている。
洸汰「うっ…なんで?」
マスキュラー「血ぃ、見せろやあああああっ!!」
マスキュラーの力は先程に比べてもさらに力が増している。
髪で腕を固定しつつ威力を上げるも、髪はぶちぶちと切れていき、頭からの血もずっと流れている。力も底をついてきていた。
…ダメだ…もうごめん、お父さんお母さん……私………勝己………
マスキュラー「潰れちまええええっ…!!」
なつと緑谷がマスキュラーに押し負け、地面に埋まったその時、水がマスキュラーにかけられ、なつと緑谷にもその水がかかった。
マスキュラー「んだ?…水!?」
洸汰「や…やめろ!!」
『!!』
緑谷「洸汰君……」
マスキュラーが洸汰に話しかけた時、一瞬力が緩んだ隙を狙いなつはまたドーピングと髪で腕力を上げ、緑谷もマスキュラーを持ち上げた。
『誰も…』
緑谷「殺させて…」
マスキュラー「待て!パワー上がってねえか?」
緑谷「たまるかあああっ…!!!ワン・フォー・オール100万%!!デラウェア…デトロイト…スマッシュ!!」
緑谷の攻撃で筋繊維はぶちぶちと切れ、マスキュラーは倒れた。
洸汰「あっ…なんで…うっ…何も知らないくせに…」
─あんたもいつか、きっと出会う時が来る。そしたら分かる─
洸汰「何も知らないくせに……どうして、そこまで……」
─命を賭して、あんたを救う…あんたにとっての─
洸汰「僕の…僕のヒーロー…」