テニスの王子様
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今日はこの俺、忍足謙也の誕生日や!!
でももう昼休み。
一昨々日ホワイトデーやさかい絶対みんな忘れよるやろ。
まあ、俺はただ一人の子から祝ってもらえたらこれほど幸せな事無いんやけどな。
その子は月下なつさん。
一年の時白石に辞書借りに行った時、居らんくて話しかけたんが月下さん。
喧しい女子と違って大人しい女子グループの子や。
男と話すんは見た事無いけど、人見知っとるタイプや。
俺のタイプとはちゃう。校長の話聞いてもズッコケよらへん。ボケよらへん。ただクスクス笑ってる変わったやつや。
せやさかいに興味無くて、何の気なしに近くにおった女子聞いたら緊張しながらも少し考えて、自分の辞書貸してくれた。
返すときお礼言うたら笑顔で頷いて、それに射抜かれたんや。
二年の時は小石川と同じクラスやったみたいで、月下さんに会うために全く用のない小石川に会いに行ってた。
そんな俺もやっと三年で月下さんと同じクラスになれたんや。
謙也「今日も可愛いわ~。あと一時間しか眺められんのか~。8限までとかやったらええのに」
白石「ケンヤ、毎日言うとんなぁ。ナレーション長いねん。…話しかけたらええやん」
謙也「あ、阿呆!!そんな高度な事出来るわけあらへんやろ!!」
白石「ケンヤがヘタレなんは知っとるけど、前に進まへんで?何でも月下さん、好きな人おるみたいやしなぁ。」
謙也「マジか…ほなもうアカンやんけ…バレンタインもそいつに渡したんやろうなぁ。チョコ持って来とったし…」
謙也は魂が抜けたような表情をしていた。
謙也「つーか何で白石がそんな情報知っとんねん!?」
白石「そら月下さんは…」
『ぁ、あのっ…白石君、今ちょっといい…?』
白石がなんか言いかけた時、月下さんが来た。
シャンプーの匂いやろか、めっちゃええ匂いする。
白石とは話し慣れてるんやろか、クスクスとよく笑っとる。
でも顔はリンゴみたいや。真っ赤や。
これは恋してる子の目やな。
あーやっぱり白石か。こいつ無駄に男前やしなぁ…
白石「ほな、今日の放課後やな。…あ、せや。部活見学していくか?」
『えっ、でも…邪魔ならへん…?』
白石「ならへんわ。いつもギャラリー多いさかいにな。一人増えたところで気にならへんわ。」
『でも…』
白石「それにや。月下さん居った方がやる気でるやつもおるんやで?なぁ、ケンヤ。」
謙也「な、なんで俺にフッてくんねん!」
咄嗟にそう言い月下さんを見ると、悲しそうに俯いてた。
…いや、あかんやろ。月下さんは白石が好きやのに、俺にフッたらあかんやろ。
こんな顔も可愛いけど…泣きそうなっとるやん。……え、俺が虐めた…?
謙也「う、嘘や嘘!!月下さん居ったら百人引きやわ!」
白石「ケンヤもこう言っとるし。俺も、月下さん来てくれたら嬉しいからな。」
『ありがとう。ほな、今日行かせてもらうな?』
月下さんは赤い顔のままニコッと笑って、席に戻った。
白石「良かったなぁ。今日月下さん来るやて。」
月下さんの気持ちを知らん白石はそう言うと自分も席に戻った。
俺も席について、3つ右の席の月下さんと目があった。
…いや、目があったちゅーよりも俺の2つ左隣の白石みとんねんやろな。
あ、また顔赤なっとる。白石と目でもあったんやろか…可愛いなぁ。
その恋心の先が俺やったらええのに。
でも白石、月下さんがタイプちごだっけ?シャンプーの匂いするし。
あーあかん。俺に勝ち目無いやんけ……
謙也「ハァァァ~~」
「忍足ー、何やそのごっついため息。俺の授業、そんなおもろないかー?」
謙也「先生の授業はごっつオモロイッスわ。今日俺誕生日なんですよ~~なんか祝ってくださいよ」
「そうかー、ほな誕生日のプレゼンにこの問題解いてもらおか。」
謙也「んなアホな!!!?」
俺がバンッと立ち上がったらクラスメイト全員が笑っとる。
「難波のお笑いボシやろー!早よといて来いや!」
謙也「誰がお笑いボシや!スピードスターや!」
「ぎゃはは!!」
クラスの奴にツッコミいれてから月下さん見たら、月下さんもクスクスと笑っとった。
よし、こうなったら笑わせたモン勝ちや!笑わせて月下さんを惚れさせたる!!
そうと決まったら俺は猛スピードで黒板に答えを書いていった。
謙也「やったるで!!難波のスピードスターっちゅー話や!」
「流石やな。」
謙也「ノンスピードノンライフやでェ!」
「おん、分かった。答えはあってんねんけどな、もうちょい落ち着いて書けよー。」
教室はまた笑いに包まれ、チャイムが鳴った。
白石「月下さん、今から俺ら部活行くけど、一緒に行こか。」
『ごめん、今日掃除当番やったし、掃除終わってから向かうな。』
白石「おん、待ってるで」
白石は月下さんの頭にポンと手を置いてる。
そないな事なんでそないスムーズにできんねん!月下さんもめっちゃ顔赤ぅしとるやん、イチャつくんやったら俺の居らんところでしてほしいわ
─────
それから部活は見に来とった。
終わってからパッと見ると月下さんは笑顔で手ェ降ってる…クッソ可愛いんやけど!
俺が手を振り返そうとしたら、小石川が月下さんに近寄って行った。
小石川「久しぶりやなぁ。」
『うん。小石川君ってそう言えばテニス部やってんな。』
小石川「酷いなぁ!月下さんまでそんなこと言うか!?俺副部長やで」
『ふふふっ、知ってるよ。』
なんや仲よさそうな雰囲気出しとる。
あんな顔もするんやなぁ。月下さんの中では白石どころか小石川よりも影薄いんか!?
白石「あとは着替えるだけや。校門で待っとき。」
『うん。』
顔を真っ赤にして俯く月下さんに白石が何か耳打ちすると、月下さんは校門に歩いて行った。
部室
謙也「白石、何してんねん。月下さん待たせてるんちゃうんか」
白石「あー、その事やけどなぁ、すまん。忘れもんしたから謙也伝えといてくれへんか?」
謙也「おん、ええけど…」
白石「堪忍な」
白石がそういうのと同時に俺は部室を出た。
なんか複雑やわ。白石、俺に気ぃ使ってんのかもしれんけど逆に迷惑や。
校門に行くと、月下さんは寒そうに立ってた。
謙也「月下さん」
『!!』
謙也「白石、忘れモンしたらしいわ。」
『…』
月下さんは手を握りしめて、俯いてる。
居心地悪いなぁ…もしかして、これはチャンスなんか!?
謙也「…お、俺でよかったら家まで」
『ごめん!!』
謙也「え…?」
頭下げてくる月下さんにビックリしすぎてマヌケな声出てもーた。
え、そんな事よりごめん?…告白もしてへんのにフラれてしもた…?
…まあ、そらそうや。好きなやつ来んでどうでもいい奴が出て来たらそーなるわな。
あかん、泣きそうや。
ガラスのハートがブレイクンやわ
考えてたら、月下さんは泣きそうな表情して俺を見てきた。
『忍足君、ごめん……白石君とは約束してへんくて…あの…』
謙也「?…でも話しとったやん?」
『…それは…』
バツの悪そうな月下さん。今まで見た中で一番顔赤くなっとる。
月下さんの好きな人って…俺なんやろか…あの目があったんも白石と話しとった時に顔赤かったんも、俺が居ったからなんやろか?
いや、でもせやなかったらこんな緊張感出て来んやろ。
やばいわ、心臓出てきそうや
告白やったら男の俺から言わなあかんやろ!
よし、言うで…絶対言うたる!
『あの…』
謙也「月下さん!」
『は、はいっ!』
月下さんはビックリして直立なっとる。そんな姿も可愛いわ…
謙也「す、すすすす好きや!!!」
『!!』
謙也「一年の時からずっと好きや!俺の彼女になってくれ!!」
『ぇ…』
月下さんはビックリしすぎて固まっとった。
謙也「あかんか…?」
『!!ううん、そんな事ない…!私も…忍足君の事が……その、す…好きやから…』
謙也「あかん、可愛すぎるっちゅー話や…」
座り込んだ時、近くで物音がした。
小春「青春やわぁvV」
白石「小春、物音立てたら聞こえてまうやろ」
財前「もう手遅れっスわ」
ゾロゾロとテニス部レギュラー陣が来よった。
小石川「よかったなぁ。」
『小石川君、うん。』
白石「見てて焦れったかってんで?せっかく両思いやねんかやな。」
謙也「白石、小石川…どう言うことや…」
『私が…忍足君の事好きで…その…クラスメイトやった白石君と小石川君に相談してて…』
小石川「誕プレ渡したい言うてたからな、渡すタイミング儲けたんや。」
白石「まぁでも、まさかあのケンヤが告白するとは思わんかったけどな」
月下さんは嬉しそうに、恥ずかしそうにしてた。
こんな時でもやっぱし思うことは一緒や。
『あの…誕生日、おめでとう。…これから、よろしくお願いします。』
謙也「勿論や。」
俺は月下さんを一生守る。絶対手放さへん。
─────
(白石side)
3日後
謙也「月下さん、おはようさん」
『おはようっ』
謙也は月下さんの席の前通る時、挨拶しよった。
顔緩すぎやわ。にやけとるなぁ。
月下さんも偉い顔赤うして、ほんま幸せオーラ出まくりやわ。
謙也「ほんま今日も可愛いわぁ…」
月下さんからケンヤの事で相談されたんは一年の時。
多分辞書の事があってからやな。
長年の両片想いが報われてよかったわ。
白石「付き合えてよかったな。」
これからもこの二人を見守っていくで。
end