ハイキュー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
影山「月下、好きだ。俺と付き合え。」
学校の校門を出ると私を待ってたであろう男子に捕まった。
『え?…え?わ、私っ!?』
影山「他に誰がいる?」
『あ、う、うんそうやんね…って、そうちゃうくて!』
影山「?」
『あの、私…影山君の事そんなに知らへん…から…』
影山「だろうな。俺も知らねえ。」
影山君は何故か当たり前のように胸を張っていた。
『へ?』
影山「今から知っていけばいいだろ。」
影山君はそう言うと帰って行った。
……何やったんや今のは……
『ってな事があってんけどさぁ…』
谷地「良いじゃん!付き合ってみなよ!影山君、モテるんだよ!」
『いやいや、良いじゃん!ちゃうし…何で私なんか好きにならはったんやろ…』
そう、影山君は話した事がない。
面識があるといえば、私が中3の時に親戚のバレーを見に行った時に試合を観たくらい。
京都の中学に通ってたけど訳ありで宮城に引っ越してきて烏野高校に通う事になった。
理由はもちろん 制服が可愛い から。
それに、学ランの第二ボタンってめっちゃ憧れがあって、そらもーみんなが三割り増しでかっこよく見えてる。
『一花も可愛いし…烏野選んで良かったわぁ。』
谷地「え?へへっ、私可愛くなんて…へへっ、そうかな?うへへ~」
『可愛い可愛い!小さいしまずそれが羨ましいわ。私なんか163もあるしなぁ。』
影山「163は俺からしたら小さいべ。」
『!?影山君!?』
影山君は何故か私と一花の近くに立っていた。
谷地「あ、こんにちは、影山くん。」
影山「っス。マネージャー、武田先生が職員室に来るように言ってたぞ。」
谷地「そうなの?ありがとう。なつちゃん、私行ってくるね。」
『えっ?ちょっと一花~!』
一花はなつに頑張ってねと小さくいうと教室を出て行った。
影山「おい。」
『はい、なんでしょう…』
影山「(なんで敬語なんだ?)それ、食わねェのか?」
一花の席に座った影山が物欲しそうに指差してきたのはお弁当。
まだ残っていて、だが突然影山が来た事でなつは食べるのを忘れていた。
『え?…食べる?』
影山「いいのか。」
『うん。』
影山「あざっス。」
影山はそう言うと黙々と食べていった。
影山「旨かった。」
『そっか。最近誰もなんも言ってくれへんし嬉しかったわありがとう。』
影山「?月下が作ったのか?」
『まあ、うん。弟と父親の分も作ってるからついでに、』
影山「明日から俺の分も作れよ。」
『え!?なんで!?』
影山「ついでだろ?」
影山君は当たり前のように話してる。
『いやいやいや、影山君食べる量半端ないんやろ?そんな量作れへんって!』
影山「別にこれくらいの量でいいぞ。俺も持ってくるからな。」
『へ?じゃあ、お昼に弁当二個食い?』
影山「ああ。」
『…わかった。いいで、明日からな。』
どう言っても無理やと思って承諾すると影山君はニッと笑った。
影山「あざっス。」
トクン
…?ちょっと待って今のどこが胸キュンやったん!?え?まって、それ以前に私がときめくはず無いやん…!
影山「?どうかしたか?」
『いやいや、別になんも無いよ。…ちゃ、チャイム鳴ったけど教室戻らんでいいの?』
影山「ああ。じゃあな。」
『うん、ばいばい。』
なつは影山を見送ると教室にいた女子に囲まれていた。
「なつちゃん、どういう事?」
『え?』
「影山君とどんな関係なの?」
『ああ、一花がマネージャーしたはるやん?だからその伝言に来はっただけで、お弁当を食べられてしまった。だけやねんけど…』
嘘ではない。そう思い言うと女子たちは安心したようになつの周りを去って行った。
…あの子達は影山君の事が好きなんかな…
『!?何考えてんの私!あーあかん、完全にペースに飲まれかけてる…』
なつは頭を抱えながら教科書を用意し、予習復習を始めた。
翌日から昇降口につくと影山君は待っており、お弁当を持って行った。
そして放課後教室まで来て「旨かった」と言い部活に向かって行った。
ある日の朝。
影山「月下、今日部活見に来いよ。」
『え?でも…迷惑にならへん?』
影山「なんねぇだろ。」
『…分かった。今日はなんも予定ないし良いよ。』
影山「じゃあな。」
『うん。また後で。』
影山はあからさま嬉しそうに教室に向かった。
放課後、なつは体育館を訪れていた。
潔子「あなたが月下なつさん?」
『はいっ、一花が言ってた超絶美女の…』
潔子「(超絶美女?)清水潔子。よろしくね、なつちゃん。」
『潔子さん、よろしくお願いします!』
潔子「流れ玉には気をつけてね。」
?な、流れ玉…?
なつが頭にハテナをつけていると、体育館にぞろぞろと人が集まってきた。
日向「なぁ!俺、日向翔陽!一年!」
『1年5組の月下なつです。日向くん、よろしくね。』
日向「同い年なんだな!日向でいいよ。月下さんは谷地さんの友達?」
『うん、そうやで。日向くんって』
日向「日向でいいって!」
『日向って、もしかして雪ヶ丘中出身?』
なつが聞くと日向は嬉しそうに言った。
日向「え!?なんで知ってんの!?」
『私の親戚が北川中出身やって試合見に行ったことあるねん。』
日向「じゃあ、あの試合…?」
『うん。日向、めっちゃ飛んでたからすごいと思った。小さな巨人みたいやなって…』
日向「月下さん、小さな巨人知ってんの!?」
『へ?うん。私が小学生の時かな…春高バレー見てたらすごい選手いたし…覚えてる。』
日向「おれさ、小さな巨人になるんだ!」
『そっか。応援してる。日向ならなれる!』
日向「ありがとう!月下さんはマネージャー志望?」
『へ?いや、私は今日は見学で…』
日向「マネージャーなりなよ!超強豪みたいじゃん!」
『あ、あはは…』
なつが困っていると、影山が走ってきて日向を投げ飛ばした。
影山「ボケェ!日向ボケェ!!月下さんが困ってるだろうが!」
『!!影山君!?』
日向「なんだよー!ちょっと話してただけだろ!?」
日向はブーブーと影山に文句を言っていたが、影山はなつをちらりと見るとアップを始めていた。
そして、練習中。なつは影山から目が離せなくなっていた。
…そうや、あの試合の時…一人で手を抜かんと真剣にしたはったなぁ…
─────
練習が終わり、自主練で残っている人が沢山いた。
月島「月下さん、そういえばどうして部活見学に来てるの。」
『ツッキーやん。そういえばツッキーもバレー部やねんな。』
月島「ツッキーって、やめてくれない?」
『…?じゃあメガネノッポくん?』
月島「そうじゃなくてさ…僕の質問に答えてくれないかなぁ?」
月島はイライラした様子でニコニコとなつを見下した。
『あー。それは…「月下さん。」…?』
なつが月島に応えようとしたところ立っていたのは身支度を済ませた影山。
月島は二人を見てニヤリと笑った。
月島「あれ~?もしかして、王様月下さんと知り合い?あ、王様が月下さんを来るように誘ったとか。好きなんだね~」
『ちょっ、ツッキー何をいきなり喧嘩売ってんの!?』
なつが焦って止めるも、影山はなつを月島から離して自分の背後に隠した。
影山「ああ。悪いかゴラ!?月下さん、帰るだろ。送る。」
影山はなつの手を引き、歩いて行った。
『影山くんは練習しんでよかったん?』
影山「月下さんに遅くまで待ってもらうのは悪いだろ。家帰ってからするし今日はいいべ。」
『そ、そっか…』
影山くん、めっちゃ優しい…王様って言われるくらいやし、もっと横暴なんやと思ってたけど素直で優しくて…
『
…なんで影山君は私みたいなんを好きになったんやろ…
』
影山「は?それ本気で言ってんのか?」
『…?へっ!?まって、私口に出して…っ!?』
影山「…覚えてねーかもしんねーけど、中学の最後の大会の一回戦、見に来てただろ。」
『うん、覚えてる。私あの時たまたま親戚の家に泊まりに来てて…親戚も北川中でバレーしてるし応援に来てたねん。』
影山「あー、じゃあ国見がその親戚か。」
『え?うん、そうやけど…あれっ、なんで知ってるん?』
影山「あの試合、真剣に勝ちにいってるのは俺だけだった。」
───
中学時代
日向のスパイクをブロックアウトした時、最後まで追わなかった国見に影山は迫った。
影山「おい!お前…
『英!何サボってんねん!追いついたかもしれんやろ!!?真剣に試合しーな!!』
国見「うるさいな…別に勝ってるからいいだろ…なつ、なんで来てんだよ…」
『なんやて!?そんなボソッと話しても聞こえてるで!?』
国見「地獄耳」
『誰が地獄耳や!』
その後、なつは周りの視線に気づき顔を赤くし小さくなった。
影山「(…なんだ今の…)」
───
『待って!?もしかして、それで…?』
影山「ああ。」
『本気で恥ずかしい…あの時は必死で、…てか、そこに惚れる要素が分からへんねんけど…』
影山「そうか?」
影山は首を傾げると、顔を隠してるなつの手を掴み、唇が当たる寸前で口を開いた。
影山「俺が嫌いなら振り払え。」
…今日、影山君から目が離せへんかった…私も影山君のことが好きや…
『///』
影山「好きだ。なつ。」
なつが顔を赤くしギュッと目を瞑っていると、影山はそのままなつにキスをした。
─────
二人が付き合うことになって一ヶ月。
なつと影山は喧嘩をしていた。
『だから!なんで私が男子と話してたら怒るん!?友達と話して何が悪いん!?』
影山「悪いとは言ってねーだろボケェ!」
『じゃあ何でそんな機嫌悪いんさ!』
影山「別に悪くねーよ!さっさと教室戻れよ」
『もう知らん!』
なつは教室に戻り、一花にその事を話した。
谷地「なつは影山君に好きって言った事、ある?」
『へ?…ない、かも…』
谷地「それで不安なんじゃないかな?ほらっ、なつって男子から人気あるし…」
『いや、私人気はないけど別に…』
…もし仮にそうやとしたら…
『わかった。次の休憩で謝ってくるわ。』
谷地「うんっ!それがいいよ!」
一花の微笑みに癒されながらなつは授業に挑んだ。
そして昼休み、なつはチャイムが鳴るとすぐに来た影山に腕を引かれ、屋上に来ていた。
『ちょっと痛い!』
影山「…さっきは悪かった。言い過ぎた。」
『…え?いやいや、私こそごめん。』
影山「別になつは悪くねェよ。」
『…なぁ、座ろ?』
なつが促すと影山は座り、なつは影山の開いていた足の間に座り、影山と向かい合うと影山に抱きつき、耳元でつぶやいた。
『好きやで。大好き。』
影山「!!」
『…?影山君…?』
なつが影山の無反応ぶりに体を離そうとすると影山はなつを強く抱きしめた。
影山「今…見んじゃねーよ…」
顔は見えないが、耳がとても赤くなっており、なつはクスクスと笑った。
『照れてるん』
影山「照れてねーよ。」
『ふふっ、照れ隠し?』
影山「うるせーボケ。」
end